日本共産党の田村智子委員長は15日夜、NHK「ニュース7」でインタビューに応じ、自民党の裏金事件を暴き、金権腐敗政治の一掃を掲げてきた日本共産党の役割や、物価高から暮らしを守る経済政策などについて次のように語りました。
裏金自民への審判を下し、物価高から暮らしを守る政治へ
――今回の衆院選、何を問う選挙と考えていますか。
まず、裏金への審判です。私たち日本共産党が裏金を暴いてきました。共産党の躍進こそが、裏金の真相究明、金権腐敗政治の一掃になっていくということを大いに訴えていきたいと思います。
そして、暮らしですね。やはり、物価高騰の中でどうやって暮らしを守るのか。大幅な賃上げ、最低賃金1500円への引き上げを中小企業への直接支援とセットで行うことが必要だということを具体的に提案しています。
アベノミクスの11年間、大企業には、賃上げ促進税制で賃上げをすれば直接の支援がありました。しかし、赤字で苦しみながらも頑張っている中小企業の皆さんには、賃上げに対する直接の支援が何もないという状況です。アベノミクス以降で増えた大企業の内部留保は200兆円以上あります。ここに時限的に税金をかけて、中小企業の賃上げ支援に回し、最低賃金の時給1500円への引き上げを実施していきたいと思います。
そして、労働時間の短縮も賃上げと一体に求めていきたい。残業規制の抜け道をふさぐということ。さらに、1日8時間労働のままでいいのか。1日7時間、週35時間労働制へと移行していくことを目指して、自由な時間が増やせる日本社会にしたいと思っています。
組織的犯罪の真相解明、企業・団体献金の全面禁止へ
――一連の「政治とカネ」を巡る自民党の対応について、共産党はどう受け止めているのですか。そして、選挙戦でどのようなことを訴えていきますか。
一番の問題は、派閥ぐるみで意図的に政治資金パーティーの収入を隠したという事件ですから、組織的犯罪です。ところが、その認識を石破(茂)首相は示さない。岸田(文雄)前首相もそうでした。そして、真相究明のために必要な再調査も拒否するという状況です。真相究明なしに政治改革という議論にはなっていかない。徹底した真相究明を求めてまいります。
同時に、企業にたくさん政治資金パーティー券を買ってもらって巨額の金を集めた。企業の側は収支報告書を出す必要がありませんので、これは暴きようがない。ですから、裏金の温床になっている企業・団体献金の全面禁止が政治改革には不可欠です。私たちは30年間訴え続け、法案も提出してきました。今、他の政党からも企業・団体献金の禁止が必要だという声が上がっています。ぜひ実現したいと思います。
大企業・超富裕層への優遇税制を見直し、軍事最優先の予算を改める
――公約では、消費税の廃止を目指して、当面は税率5%に引き下げるとしています。代わりの財源をどうやって確保するのか、見解をお願いします。
税制というのは格差を正すためにあるわけです。この間、利益を上げているにもかかわらず、大企業には法人税の減税が繰り返されてきました。ですから、これを元に戻します。そして、証券優遇税制に見られるような超富裕層への税優遇を見直す。富裕税などの創設も必要です。これをやれば、消費税の5%への減税はできます。
また、税金の使い方も見直しが必要です。今や教育予算の2倍という軍事費になっています。大軍拡をストップすることで、社会保障や教育予算を充実させていきたいと思います。
共産党の躍進を勝ち取り、市民と野党の共闘の新たな発展を
――野党共闘について、今回は前回の衆院選と比べ、かなり限定的な協力関係になったと思います。その要因はどこにありますか。
選挙での協力というのは、政策での一致をつくらなければならなくて、それができていないまま総選挙になっているというのが実態です。それぞれの政党が自民党を厳しく批判して、自民党に打ち勝つということをそれぞれに頑張る選挙にしていくことが必要だと思います。
一方で、私たちは現に70以上の小選挙区で立候補していません。それぞれの地域の中では野党の共闘が行われてきていて、そういう経緯も踏まえた対応をとっています。
この選挙で共産党の議席を伸ばすことで、新たな市民と野党の共闘の発展をぜひ実現していきたいと思います。
小選挙区は沖縄1区で必勝、比例は現有9議席確保・増へ全力を尽くす
――最後に、衆院選での獲得議席の目標を教えてください。
まず、小選挙区では、オール沖縄で1区から4区までの勝利のために貢献します。特に1区は必ず議席を獲得する決意です。そして、比例代表では現有9議席を守り、ぜひ比例での躍進を果たすために全国一つで頑張っていきたい。
――これまでの手応えはいかがでしょうか。
もう政策が伝わればどんどん支持が広がる状況です。この選挙は日本共産党躍進のチャンスだという手応えを感じていますので、全力で頑張ります。
2024年10月17日(木) しんぶん赤旗