日本共産党の田村智子委員長を迎えての日本共産党演説会が31日、長崎市で開かれました。田村氏は田村貴昭衆院議員(衆院九州・沖縄ブロック比例候補)と内田隆英衆院長崎1区候補とともに「あなたの入党で日本共産党を大きくし、自民党政治を終わらせよう」と呼び掛けました。
田村委員長は冒頭、九州地方に居座った台風10号で「とても不安な日々を過ごされたと思う」と見舞いの言葉を送り、災害からの復旧を自己責任にしない政治への決意を述べました。
田村委員長が事前に寄せられた「物価高騰で暮らしが大変。どうにかならないか」「保育士の社会的な地位を上げるには」など八つの質問に一問一答形式で丁寧に答えました。
田村委員長は、異常円安を引き起こしたアベノミクスの「異次元の金融緩和」を「今こそ反省すべきだ」と強調。国民の生活がひっ迫する中、トヨタなど大企業の利益は3倍、トヨタの会長の役員報酬は6割アップと指摘すると、会場から「はぁ」との大きなため息が漏れました。
田村委員長が「自民党政治には暮らしが大変だという声が届かない。政治の責任で消費税減税、賃上げをしよう」と訴えると、会場から大きな拍手が起こりました。
田村委員長は、自身が入党した動機は「核兵器をなくしたいという思いからだった」と述べました。1980年代半ば、核兵器の全面禁止・廃絶を世界に呼び掛ける「ヒロシマ・ナガサキからのアピール」署名運動を政党として日本共産党だけが推進したことを知り、「廃絶できると知り、絶望が希望に変わった」と語りました。
田村委員長が「ロシアが核兵器を使おうとしている時に、被爆者と一緒に非人道性を訴える。核兵器禁止条約に参加する、そういう政治こそ必要。来年、被爆80年に向けて、政治を変えようではありませんか」と訴えると、会場から大きな拍手が起こりました。
田村貴昭氏は、全国的な米の品薄問題を告発。根幹には「時給換算で10円」しかない米農家の収入補てんをせず、食料自給率を上げようとしない「自民党政治の無責任な農政にある」と批判しました。日本の農業を守るために「農業の守り手、日本共産党を大きく伸ばしてください」と訴えました。
演説会後、入党懇談会が和やかに開かれ、5人が入党しました。そのうちの1人、牧山時代さん(74)は「母が被爆者でした。もう二度と、原爆で苦しむようなことがあってはならない。孫たちに平和な社会を残したい思いで入党しました」と語りました。
2024年9月1日(日) しんぶん赤旗