日本共産党の田村智子委員長は18日、国会内で記者会見し、中央最低賃金審議会が10月から適用する最低賃金の目安額を来週にも答申するのを前に、「最低賃金の全国一律1500円以上は働く人たちの強い要求だ。全労連が審議会を前に会見を開いて要望し、宣伝行動に取り組んでいる。私たちも連帯し、運動を起こしていきたい」と表明しました。
田村氏は、岸田政権が昨年、最賃が加重平均で1000円を超えたとしたが、最賃1000円以上は8都府県のみだと指摘し、2030年代半ばまでに加重平均で1500円というが「これでは物価高騰には全く追い付かない」と批判。今年の春闘で33年ぶりの賃上げ率だと言いながら、5月の実質賃金も前年比マイナスで、26カ月連続マイナスとなったとして、「まさに物価高騰に追い付かない状態から抜け出せていない」と強調しました。
この間の政府の調査で「生活が苦しい」との回答が過去最悪を更新し、厚生労働省の資料からの推計で、44%の労働者が時給1500円に満たない働き方をし、フルタイムで働いても月給手取り20万円に届いていないと指摘。「物価高騰による生活困窮、生活不安が極めて深刻な状況だと直視すべきだ」「最賃大幅引き上げのため中小企業などへの賃上げ直接助成の決断を政府に求める」と述べました。
安倍、菅、岸田政権が賃上げ促進税制=法人税減税策を取り続けた結果を直視すべきだと強調。賃上げ減税の恩恵は440億円にのぼるほか、史上最高益を更新しながら賃上げに回したのは利益の0・09%にすぎないトヨタ自動車の例を示し、「賃上げできる体力が十分な大企業に賃上げ減税が必要なのか」と疑問を投げかけました。
一方、賃上げ減税が適用された中小企業はこの10年間でわずか4%にすぎず、「あまりに不公平だ」と指摘。必要なのは中小企業への賃上げ直接助成だと強調し、大企業の内部留保に課税し中小企業の賃上げ直接助成に回すことと一体に、全国一律1500円の最賃を求める党の経済提言の「実現を求めていきたい」と語りました。
2024年7月19日(金) しんぶん赤旗