東京都知事選と同日投開票(7月7日)の都議補選が28日、告示されました。同補選は「都民の安心と希望をつくる新しい東京か、暮らしに冷たい開発優先の都政を続けるか」が問われます。日本共産党は、蓮舫都知事候補の勝利とともに、都議補選では、中野区・長沢和彦(62)、江東区・大つきかおり(56)、板橋区・竹内愛(47)、北区・せいの恵子(50)の各氏=いずれも新=、府中市・甲田直己氏(69)=(無所属新)の5氏全員当選をめざします。
28日の各候補の第一声には、多彩な市民弁士、立憲民主党、社民党などの議員が参加。日本共産党は田村智子委員長はじめ、東京選出の宮本徹衆院議員、山添拓、吉良よし子両参院議員が応援に入りました。江東区では、衆院東京15区補選で勝利した立民の酒井なつみ議員、宇都宮健児弁護士(江東市民連合共同代表)が田村氏とともにマイクを握りました。
江東区と板橋区で田村委員長は、都知事選・都議補選はともに裏金自民党の行き詰まった政治を続けるのか、希望の政治へと動かすのかが問われる選挙だと訴え。都知事選では市民と野党の共闘の候補者である蓮舫氏、都議補選では日本共産党への1票が「政治を変える希望への投票だ」と強調しました。
田村氏は、明治神宮外苑の緑を壊し高層ビルを建設する再開発問題を告発。「大企業と癒着した利権政治で緑を壊し、タワーマンションを次々つくり東京一極集中を加速させる古い政治をいいかげん終わらせよう」と呼び掛けました。
田村氏は、両選挙では「暮らし応援で安心と希望をつくる新しい東京へと変えるのか、暮らしに冷たい小池都政を続けるのかが問われている」と強調。8年間で1兆円規模の税収増となった都の財源で党都議団は▽日本一高い国民健康保険料の値下げ▽都営住宅5000戸新増設、都の家賃補助制度の創設―などの公約を掲げていると紹介。「子ども、高齢者、すべての人の暮らしを応援できる。都政が変われば暮らしに希望が見える」と訴えました。
田村氏は、党都議団による粘り強い論戦と地域の住民運動との連帯で、学校給食の無償化などを実現してきたと強調。「暮らしを応援し希望ある政治に変えるため、共産党の議席をなんとしても伸ばしてほしい」と力を込めました。
東京都議補選/田村委員長の訴え/要旨
日本共産党の田村智子委員長が28日、東京都議会補欠選挙に立候補した竹内愛(板橋区)、大つきかおり(江東区)両候補の第一声で行った演説は以下の通りです。
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都議会補欠選挙と東京都知事選は、裏金自民党による行き詰まった政治をまだ続けるのか、それとも国民の審判で、希望ある方へと政治全体を大きく動かしていくのかが問われています。
自民党は、どれだけの裏金をつくり何に使ったのか、有権者にきちんと説明すべきです。ところが岸田文雄首相は、裏金事件の幕引きのため、維新の会と公明党に助けを求め、「再発防止だ」という法案を国会で通しました。裏金の元となった企業・団体献金の禁止には指一本触れず、これからも政治資金パーティーで企業や業界団体からたっぷりお金を集める、政策活動費も合法化しお金の使い道を隠す、というものです。新聞の社説はいっせいに批判し、世論調査でも7、8割の国民が「効果がない」と評価しています。この怒りの声を、都知事選と都議補選で示せば、腐った政治の根を断つ希望が見えてきます。
小池百合子東京都知事は裏金にまみれた自民党の支援を「歓迎する」と表明しました。小池知事への1票は自民党を喜ばせるだけです。
企業献金が政治をゆがめています。日本共産党は、30年間ずっと企業・団体献金全面禁止の法案を国会に提出し続けています。今年の国会では他の政党からも同じような法案が提出されました。今や国民の強い願いになっています。希望ある方向へと政治を現に動かしています。
都政の対決点は何か
都政の対決点は、何よりも暮らし応援で安心と希望をつくる新しい東京へと変えるのか、それとも暮らしに冷たい小池都政をまだ続けるのか、にあります。
大企業が集中する東京は、8年前と比べて税収が1兆円規模で増えています。物価高騰から暮らしを守る体力が十分にあるということです。ところが小池都知事は、国民健康保険料を値上げし全国一高い保険料(均等割)にしました。また、タワーマンションが増える再開発を進めながら、都営住宅は1戸たりとも増やしていません。
都庁舎などに光を当てるプロジェクションマッピングに2年間で48億円使い、その庁舎の下で毎週行われている食料支援の活動には一度も足を運んでいない。暮らしに無関心、都民の困窮に光を当てない、こんな冷たい都政をこれ以上続けさせるわけにはいきません。
蓮舫都知事候補の公約は共産党都議団の提案が生かされています。例えば、現役世代の所得を増やす政策として公契約条例を掲げています。東京都と契約する事業所で賃上げや待遇改善をしていこうという計画です。
東京都が発注している契約は年間約9万件におよび、1兆7000億円規模。しかも、約9割が中小企業です。この公契約条例は中小企業で働く皆さんの賃上げに大きなインパクトを与えることは間違いありません。また、非正規の都職員をまず専門職から正規職員にすることも掲げています。スクールカウンセラーを3割雇い止めにした、冷たい小池都政を変えようではありませんか。
天下りと再開発で緑を壊す都政を変えることも大きな争点です。
小池知事は、明治神宮外苑の緑を守ろうという市民の声を聞こうとしません。坂本龍一さんの訴えや、ユネスコ諮問機関イコモスの「100年の森を壊す」との警告も無視。そして共産党が議会でどんなに質問しても答弁に立ちませんでした。
東京都の幹部14人が外苑の開発を行う三井不動産グループに天下りしています。オリンピック選手村の土地を東京都が安く売り、巨大タワーマンションをつくってぼろもうけしているのも三井不動産レジデンシャル。築地市場の跡地に巨大な商業施設をつくる計画も三井不動産が中心です。都知事候補の討論会で蓮舫候補が小池都知事に「外苑再開発の事業者からパーティー券を買ってもらっていますか」と聞きましたが、知事はまともに答えませんでした。都政の癒着と闇に切り込まなければなりません。
暮らし応援はできる
8年間に増収となった1兆円。共産党は、この1兆円をまず暮らしのために使おうと具体的な提案をしています。日本一高い国民健康保険料(均等割)を下げる、都営住宅5000戸の新増設と家賃補助制度をつくる。その他、小中学校の35人学級、学校給食無償化、75歳以上の医療費無料化、シルバーパス無料化と対象路線・バスの拡大、補聴器購入助成の拡充など、全部やっても3000億円、1兆円の3分の1です。暮らしの応援は、知事がかわり共産党都議団が議席を増やせば実現できます。支持の輪を広げに広げてください。
日本共産党都議団は、現実に政治を動かしてきました。学校給食無償化は、知事が「国の責任」と背を向けるなか、他の会派と共同で条例を提案し、与党が議会で否決しても諦めず、住民運動とともに署名に取り組み、都の半額負担を実現しました。暮らしを希望ある方向に政治を動かす、住民と力を合わせればできます。共産党都議団の議席を増やせば、パワーアップすることは間違いありません。ゆがんだ政治を希望ある政治に変えるため、都議選での躍進を訴えます。
2024年6月29日(土) しんぶん赤旗