憲法を生かした政治を求めて憲法公布記念日の3日、全国で行動が取り組まれました。東京では、国会を包囲するように4200人(主催者発表)が集まり、野党の国会議員と一緒に岸田政権による大軍拡や改憲の動きに抗議。「武力で平和はつくれない」とアピールしました。主催は、総がかり行動実行委員会と9条改憲NO!全国市民アクションです。
「改憲NO!」「軍拡反対!」と書かれたプラカードが並ぶ国会正門前で、総がかり行動実行委共同代表の藤本泰成さん(戦争をさせない1000人委員会)が主催者あいさつ。北朝鮮がミサイル発射を繰り返す一方で、岸田政権は軍事的緊張をあおりながら軍事費2倍化や「敵基地攻撃能力」の保有を狙っていると指摘。「私たちの安全は、武力では保障されません」と訴えました。
弁護士や大学教授など、市民がスピーチ。落語家の古今亭菊千代さんは、先の戦争で「国策落語」がつくられたと指摘。「決して面白いものではなく、腹立たしい内容もあります。芸人は、笑いのなかで平和を考えていかないといけない」と述べ、憲法の良さを語っていこうと話しました。
日本共産党の田村智子副委員長・参院議員、立憲民主党の水岡俊一参院議員会長、社民党の福島瑞穂党首、れいわ新選組の櫛渕万里副幹事長があいさつ。「沖縄の風」の伊波洋一参院議員からのメッセージが紹介されました。田村氏は、安保法制のもとでの「敵基地攻撃能力」がいかに危険か指摘し、憲法9条を生かした平和外交を今こそと強調。「暮らしも平和も押しつぶす大軍拡と安保法制を終わらせるため、共同の輪を広げよう」と語りました。
神奈川県大和市から参加した高久れい子さん(69)は「9条を守るため、地元で声を上げ続けます」と話しました。
いまこそ、ただちに外交を/田村副委員長スピーチ
3日に国会正門前で行われた「武力で平和はつくれない つなごう憲法をいかす未来へ『11・3憲法大行動』」(主催・総がかり行動実行委員会など)では、日本共産党を代表して田村智子副委員長がスピーチしました。
田村氏は冒頭、北朝鮮の相次ぐミサイル発射を厳しく抗議すると同時に、日本政府に対しても「軍事的緊張が高まる一方の対応ではないか」と批判。「『軍事対軍事』の緊張が高まるエスカレーションが私たちの国にも不安と危険を及ぼしている。この悪循環に歯止めをかけ、終わらせることこそ求められている」と主張しました。
その上で、「いまこそ外交、ただちに外交ということを日本政府に求めたい」と強調。ASEAN(東南アジア諸国連合)が主導する東アジアサミットで、中国も含む包摂的な地域の平和的枠組みがつくられていることをあげ、「問題や紛争があるからこそ、いかに包摂的な同じテーブルにつく話し合いの場をつくれるか。これこそが各国政府、そして日本国憲法をもつ日本政府に求められている努力だ」と訴えました。
「敵基地攻撃能力」(反撃能力)の保有について政府が協議を重ねている問題では、2015年に安保法制=戦争法の制定など、戦争する国づくりが強行されたことにふれ、「日本が攻撃されていなくても、アメリカの軍事行動によって自衛隊が武力行使できる法的な枠組みがつくられてしまった。そのもとでの『敵基地攻撃能力』の保有だ」と指摘。「これをなぜ、日本国憲法を持つ国でどうしてできるのか。専守防衛を投げ捨て、自衛隊の姿を変えて戦争する軍隊にする。こんな道を歩ませるわけには絶対いかない」と力を込めました。
田村氏は最後に、「暮らしを押しつぶす、平和も押しつぶす、この大軍拡と安保法制をなんとしても終わりにさせるため、皆さんとともに共同の輪を広げていく決意だ」と呼びかけました。
2022年11月4日(金) しんぶん赤旗