日本共産党の田村智子政策委員長は3日夜のBSフジ番組「プライムニュース」で、臨時国会の焦点となる安倍晋三元首相の「国葬」や統一協会(世界平和統一家庭連合)の問題、物価高への対応と賃上げ、国会法改正案などについて各党幹部と議論しました。
国葬・統一協会
田村氏は、岸田文雄首相が憲法違反の「国葬」を閣議決定で実施したことの重大性を認識していないと指摘。法の下の平等や思想・良心の自由を定めた憲法に反するという根本問題の徹底追及が必要だと強調しました。
田村氏は、統一協会と自民党の癒着について、岸田首相が所信表明演説で反省を語らなかったことは深刻だと批判。「統一協会は正体を隠して相手に接近し、身ぐるみ剥ぐような収奪をしている。首相や閣僚の経験者が統一協会と関係を持つことは、実質的に被害拡大に手を貸していることになる」として、深い反省が必要だと主張しました。
立憲民主党の逢坂誠二代表代行は「岸田首相は統一協会の何が問題かを明確に示さず、『対処する』とだけ言っている。生煮えの対応だ」と批判しました。
自民党の新藤義孝政調会長代行は実態調査が必要だと述べつつ、「信教の自由が絡むセンシティブ(敏感)な問題であり、権力の介入は抑制的であるべきだ」などと発言。田村氏は「実態調査と言うが、すでに80年代ごろから社会的な問題になっている。被害者・弁護団も『協会と関係を持たないように』と安倍氏や自民党に何度も要請している。そこをどう受け止めてきたかが問われている」と反論しました。
最賃引き上げを
物価高対策について田村氏は、政府が続ける「異次元の金融緩和」を終わらせるには、賃上げをするしかないと指摘。「中小企業の賃上げを直接支援するような助成や補助金に踏み切るべきだ」として、最低賃金時給1500円への引き上げを求めました。
国会法改正案についても議論に。同法案は憲法53条に基づき臨時国会の召集要求が提出されたとき「内閣は提出日から20日以内に召集を決定しなければならない」と規定しています。
田村氏や立民、維新の幹部もそろって、安倍、菅、岸田政権が国会召集を求める野党の要求を放置する対応を繰り返してきたと批判するなか、新藤氏は「国会全体を召集しなくても閉会中審査をしている」などと発言。田村氏は「(山積する課題について)閉会中審査で短時間の議論をすればいいというものではない。そもそも本来は国会法で縛らずとも、政府に憲法を順守する意思があればこんな事態にはならなかった」と厳しく批判しました。
2022年10月5日(水) しんぶん赤旗