日本共産党の田村智子政策委員長は16日、国会内で記者会見し、浜田靖一防衛相が米ワシントンで開かれたオースティン国防長官との会談(日本時間15日未明)で辺野古新基地建設の推進などを表明したことについて、「辺野古新基地建設の断念を求める玉城デニー知事が再選した直後に、米国に対して『着実に推進』と確認するなど、断じて許されない」と厳しく批判しました。
田村氏は、今回の沖縄県知事選は自民・公明が推薦する候補者が初めて辺野古容認を掲げ、政権与党が総力をあげてたたかって敗れた選挙だと強調。「県民の審判をどう受け止めるのか。厳しく問われなければならない」と述べた上で「岸田政権が聞く耳を全く持たず、県民に『あきらめ』を迫る民主主義じゅうりんの強権政権だということが明確に示された」と批判しました。
また、浜田防衛相が敵基地攻撃能力=「反撃能力」の保有、軍事費の大幅増額の決意を示したことについて、防衛省の来年度予算の概算要求で項目なき事項要求になっていると指摘。「こんな概算要求書は見たことがない。前代未聞のやり方だ」と語りました。
これまで概算要求の事項要求は、金額を示さないものの、どのような装備を導入するかなど項目だけは明記されてきました。しかし、田村氏の事務所が防衛省に事項要求の項目を示すよう資料を請求したところ、「現時点ではお答えできません」とする回答にとどまっています。田村氏は、「概算要求は各府省が来年度、どのような政策を進めるのかを国民や国会に知らせるもの。これをまったく示さないやり方は異常だ」と批判しました。
その上で、田村氏は、「この事項要求は額も示さず、中身も示していない。とにかく敵基地攻撃能力を最大限進めていくことが示されている」と指摘。参院選後の世論調査では、大軍拡ではなく外交が戦争を起こさない保障になるとの世論が顕著に増えているとして「『軍事対軍事』のエスカレーション、この悪循環に陥ることは極めて危険だ。戦争を起こさないために、外交努力を真剣に行うこと。東アジアに中国を含む包摂的な外交の枠組みをつくることが求められている」と主張しました。
2022年9月17日(土) しんぶん赤旗