政策・マニフェスト

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【田村智子の実績】国立研究開発法人・理化学研究所(理研)の非常勤職員345人の雇い止めを撤回させました!
2018年2月2日(金) しんぶん赤旗

独立行政法人 無期転換逃れただせ 田村氏 人件費増へ予算を

 

 日本共産党の田村智子議員は1日、参院予算委員会の補正予算締めくくり総括質疑で、独立行政法人の無期転換逃れの雇い止めをやめさせるよう追及しました。理化学研究所では、無期転換権が発生する506人のうち、権利行使できるのがわずか13人であることが明らかになりました。

 理研の非常勤職員1764人のうち、次回契約更新で無期転換権が発生するのが506人。ところが、148人は選別採用される別の「無期雇用職」となり、引き続き雇用予定は13人で、雇い止めは345人にのぼることがわかりました。

 田村氏は「無期転換は、労働者が申し込めば無条件で無期契約になるというものだ。(無期雇用職への)選抜・選考とはまったく違う」と批判しました。

 理研の板倉周一郎理事は「すべての非常勤職員を無期雇用化することは困難だ。雇用期間に上限のある有期雇用にならざるを得ない」と言い訳しました。

 田村氏は「理研は労働組合に対して、無期転換権が発生するから切ると説明している。ベテランの責任感ある職員を使い捨てにして研究に悪影響は避けられない」と強調。林芳正文科相は「無期雇用化の取り組み全体について、職員と相互理解が進むようつとめることが重要だ。労働関係法令にもとづき適切に対応がなされるよう理研に伝えたい」と答えました。

 田村氏は「独立行政法人が無期転換逃れに懸命になるのは予算確保の問題がある。人件費と別枠になっている非常勤職員を無期転換すれば、人件費増額を認めるべきだ」と提起しました。

 安倍首相は、「無期転換を意図的に避ける目的の雇い止めは望ましくない。無期転換への対応が円滑に行われるよう適切に対応してまいりたい」と答えました。

 

 

【2018年2月1日 予算委員会 議事録】

○田村智子君 日本共産党の田村智子です。

 改正労働契約法により、四月一日以降、多くの労働者に無期転換を申し出る権利が与えられますが、これを逃れる目的で非正規雇用の労働者が年度内に大量に雇い止めされようとしています。

 私は、この無期転換ルールの法案審議のときから、雇い止めの危険性を個別案件も示して何度も何度も国会で取り上げてまいりました。いよいよ事態はせっぱ詰まっています。どのような対策が取られているのか、厚労大臣、お聞かせください。

 

○国務大臣(加藤勝信君) まず基本として、無期転換ルールを意図的に避ける目的で雇い止めを行うこと、これは望ましくございません。望ましくない事案を把握した場合には、都道府県労働局において必要な啓発指導をしっかりと行う、また、本人からの紛争解決の援助の申出に応じて個別労働紛争解決促進法に基づく助言、指導を行ってきているところでございます。

 また、こうした無期転換ルールについて、働いている方や企業の経営者の方々に対しても、まずこうした無期転換ポータルサイトの開設等々で周知をしていく、そして昨年九月と十月に無期転換ルール取組促進キャンペーンを実施し、労使団体や関係団体への要請など集中的な取組を行い、さらに都道府県労働局に無期転換ルール特別相談窓口を設置して相談に対応するということを行ってきたところでありますが、今委員御指摘のように、いよいよ四月から無期転換ルールが本格適用が始まります。

 残り二か月間で更にこうした企業の取組を後押し、有期契約社員の無期転換や正社員転換を図るための企業の取組を後押しできるよう周知等に取り組むとともに、働く方々にもしっかり周知を行っていく。また、無期転換ルールの適用を意図的に避ける目的を持って雇い止めをする事案等を把握した場合、これは先ほど申し上げましたけれども、そうした対応を取っていくと。

 加えて、現在、無期転換ルールの相談窓口を設置して無期転換ルールに係る各種相談窓口で受け付けているんですけれども、より相談をしやすくしようということで、今、全国統一電話番号の設置を検討しておりまして、これによって更に無期転換ルール特別相談窓口、これを広く周知をしていきたいというふうに思っておりますし、また、残り二か月という時期でありますから、業界団体に対する要請も再度行っていきたいと、こういうふうに考えております。

 

○田村智子君 目の前で起きようとしている雇い止めを本気で止めると、これが求められているんです。

 そこで、今日は、国立研究開発法人理化学研究所から出席をいただきました。
 理研では、来年度の雇用を継続すると無期転換権が付与される職員は五百六人であると、昨日までに私の事務所に回答がありました。
 では、このうち、今年度中に何人が雇い止めとなりますか。

 

○参考人(板倉周一郎君) お答え申し上げます。
 平成二十九年十二月二十五日時点で理化学研究所で雇用している有期雇用の事務職の人数は、研究室の秘書やパートなど含めて千七百六十四人でございます。そのうち、次回契約更新をしたら無期転換権が発生する人数は五百六人でございます。

 この五百六人のうち、既に無期雇用職に内定している人数は百四十八人でございまして、それ以外で今年度末をもって雇用契約満了を迎える人数は三百五十八人でございます。このうち、年齢等を考慮し、引き続き嘱託職員として雇用を行うことを予定している職員が十三名おりまして、これを除きますと三百四十五人でございます。

 

○田村智子君 表でもお配りしましたので、御覧いただきたいと思うんですね。
 これ、無期職への選抜と書いてありますけれども、これ無期転換じゃないんですよ。無期転換というのは、労働者が申し込めば無条件で無期転換になる、無期契約になるというもので、労働者に保障された権利で、選抜、選考とは全く違います。つまり、無期転換権行使できるのは十三人しかいないということなんですよ。三百四十五人、このうち、パート百七十人全員雇い止めです。

 では、この方々がやってきた業務が来年度なくなってしまうということなんですか。

 

○参考人(板倉周一郎君) お答え申し上げます。
 理化学研究所は、これまでも、時限を設けて進めている研究プロジェクトに関する業務や、定型的、補助的な事務業務におきましては、一定数の有期雇用職員の交代を経ながら業務を実施してきたところでございます。

 今般、理化学研究所は、本年四月一日から新しい中長期計画期間を迎えることから、組織、業務を見直し、研究成果の最大化を図るため、研究を行っている研究センターの統廃合など大きな改革を行うこととしてございます。人事、会計処理など引き続き継続される業務もございますが、業務の統廃合により新たに発生する業務も一部ございます。このため、事務職員の業務を見直すとともに、新たな事務体制の構築を行うこととしているところでございます。

 

○田村智子君 継続される業務はあるんですよ。少なからずあるでしょう。現に仕事は引継ぎが必要で、既に公募で求人しているということもお聞きをしています。契約更新を望む人も大勢いらっしゃる。

 契約更新を望む、その業務が継続される、それでもなぜ雇い止めをするんですか。

 

○参考人(板倉周一郎君) お答え申し上げます。
 理化学研究所は、中長期目標に掲げられた研究課題を遂行するに当たりまして、これまで有期雇用職員が大半を占めていたところでございます。今後は、無期雇用職の割合を高め、流動性と安定性の双方を兼ね備えた人事制度を整備すべく、選考の上で有期雇用の無期雇用化を進めているところでございます。具体的には、定年制とは別に年俸制の無期雇用職を創設いたしまして、積極的に無期雇用の導入に努めているところでございます。

 一方で、理化学研究所は、国家的、社会的ニーズの高い研究を進めていることから、プロジェクトの改廃の都度、最適な人材を結集していくことが必要となっております。このためには、人材の流動性を一定程度確保していかなければならないと考えてございます。

 また、今年度、雇用契約期間の上限を迎える事務の職員が主に担っている業務は、時限的なプロジェクトに関する業務や定型的、補助的な事務業務でございます。こうした業務は、短期的には業務規模が大きく変動しないこともございます。しかしながら、長い目で見て、プロジェクトの改廃や定型的業務の整理合理化により業務規模が変動した際には最も適した人員体制で臨むことが必要となります。

 理化学研究所としましては、早期に無期雇用職員の登用を進めてきたところでございますが、こうした状況の中、全ての非常勤職員を無期雇用化することは困難を伴わざるを得ないと考えてございます。

 こうした観点を踏まえまして人員配置等を実現していくことが必要でございますので、雇用期間に上限のある有期雇用にならざるを得ないと考えてございます。

 理化学研究所としましては、有期雇用職のキャリアパス等の整備を進め、職員との相互理解が進むように努めてまいる所存でございます。

 

○田村智子君 端的にお答えいただきたいんですけど、有期を増やすのに、なぜ無期転換はたった十三人なんですかと。なぜ無期転換しないんですかと。有期を増やすなら無期転換すればいいでしょう。あっ、有期じゃない、無期。ごめんなさい、無期を増やす。

 

○参考人(板倉周一郎君) お答えします。
 繰り返しになりますけれども、理研におきましては、定年制と任期制の職員の比率を変えてまいりまして、長期雇用を今後増やすということを進めているところでございます。そうした人事制度を改めまして、流動性と安定性の双方を兼ね備えた人事制度の整備を進めてございます。

 我が国唯一の自然科学の総合研究所として、幅広い分野で国家的、社会的ニーズに応えていくため、将来的にプロジェクトの改廃や定型的業務の整理合理化により業務規模が変動した際に、その変動に対して最も適した人員体制で臨むことが必要となります。このため、無期雇用枠を拡大しつつも、一定規模の任期制職員の雇用体系を維持する必要があると考えてございます。

 

○田村智子君 これ、もう労働組合との交渉では、無期転換権が発生してしまうから切るんですって皆さん説明しているんですよ。そういう回答書があるでしょう。

 どういう方々が切られるのかと。十年、二十年以上、中には二十六年働いてきたと、そういう方々が雇い止めに直面しているんです。私、直接お話も伺いました。研究室の事務職の女性、年度の切替えは資材の発注など業務が集中する、新人に仕事を教えているが四月以降回らなくなるだろう、本当に心配で、たとえ無給だとしてもしばらく研究室に行こうかと考えていると。こういうベテランの責任感ある職員を使い捨てにすれば研究にも悪影響は避けられないですよ。何より法の趣旨に反する違法、脱法行為が日本の科学研究の拠点である独立行政法人で行われようとしている。

 文科大臣にお伺いします。所管大臣としてどうするんですか。

 

○国務大臣(林芳正君) 理化学研究所におきましては、今お話が、今答弁させましたように、これまで有期雇用職員の占める割合が高い状況の中で、労働契約法の改正を踏まえて、流動性と安定性の双方を兼ね備えた人事制度の確立を目的として有期雇用職員の無期雇用化を進めているものと、こういうふうに聞いております。

 独立行政法人である理化学研究所においては、法人の自主性、自律性の下に業務運営が行われる、これが基本でございます。法人職員の雇用についても、研究成果の最大化のための法人としての経営方針と総合的な判断の下に労働関係法令に基づき法人において適切に判断すべきものと、こういうふうに考えております。

 しかしながら、今委員からもちょっと御指摘がありましたけれども、理化学研究所とその職員との間で相互理解が深まっていない状況があるということも聞いておるところでございますので、理化学研究所においては、改正労働契約法に基づく無期雇用化に向けた取組全体について職員との相互理解が進むよう努めることが重要と考えております。

 文科省としては、これまでも理化学研究所に対して、職員側と適切に対話をし、業務運営に混乱が生じないよう促してきたところでございますが、引き続き労働関係法令に基づき適切な対応がなされるよう理化学研究所に対して伝えてまいりたいと思っております。

 

○田村智子君 これ、五年ごとに人を入れ替えるなんということをやり始めちゃったら、これが流動化だから、こんなことやり始めたら研究業務、成り立たなくなりますよ。そういう危機感を持っていただきたい。

 これ、理研だけではありません。ジェトロ、日本貿易振興機構の内部文書を経済産業省からいただきました。資料として配付もしました。この私が配付した三枚目の資料、読み上げて、どういう文書か説明してください。

 

○政府参考人(田中繁広君) それでは、まず読ませていただきます。該当部分でございます。
 ○○さんは二〇一七年度契約で、二〇一三年四月以降、通算五年目の契約となります。
 このため、今回の契約に先立ち、御説明をさせていただきます。

 二〇一三年四月一日以後に開始した有期労働契約の通算契約期間が五年を超える場合、すなわち、二〇一七年度に続き二〇一八年度も契約になる場合には、二〇一八年度の契約期間中に無期転換の申込みをすることができます。

 ジェトロとしても、これに対応する制度の導入を検討していきますが、財源、予算規模共に将来の人件費の安定的執行に制約があるため、無期転換の対象となる職員数は相当限定せざるを得ません。そのため、二〇一八年度の契約が締結されない場合は、二〇一七年度の契約をもって雇用は終了することになります。

 このことを今回の契約に先立ち御説明する方がよろしいと考えた次第で、御理解のほど、よろしくお願いいたします。

 QアンドA。Qの一、具体的に私の二〇一八年度契約はあり得るのでしょうか。
 A一、先ほどお話しいたしましたように、二〇一八年度以降の制度については、まだ導入を検討している段階ですので、現時点で二〇一八年度の契約があり得るかどうかを回答することはできません。現時点で申し上げられることとしては、無期転換の申込権を行使した職員の雇用に当たっては、一定の財源や予算を継続的に確保することが必要となり、その財源や予算の確保には不透明性や制約があることから、二〇一八年度の契約は相当狭き門となるということです。
 以上でございます。

 それで、趣旨でございますが、この文書は昨年の三月にジェトロ本部から各組織の所属長に送付をされた内部文書でございまして、各組織の所属長が雇用期間が通算五年目になる嘱託員に対して二〇一七年度の契約書を手交する際に同文書に沿って口頭説明を行うよう求めたものでございます。

 この趣旨は、雇用期間が五年を超えた場合には無期転換の申込みができるという労働契約法の内容を説明した上で、将来の予算制約を理由に無期転換の対象となる職員数を相当数限定せざるを得ない旨を嘱託員の方に伝えることであると承知をいたしております。

 

○田村智子君 全国でどれぐらいの方にこの説明したか分かりましたか。

 

○政府参考人(田中繁広君) これにつきましては、今、雇用の人数が、全体で嘱託職員が三百七十三名おりますけれども、そのうち契約をしますと通算五年を超えるという方が百四十名ということでございますので、百四十名の方にそういう説明を行ってきているということでございます。

 

○田村智子君 無期転換権を与えないために雇い止めにする可能性が非常に高いということを丁寧に説明している文書ですが、経産大臣、どうしますか。

 

○国務大臣(世耕弘成君) 先ほど加藤厚労大臣がお答えになったように、無期契約を転換するのを回避する目的で雇い止めをするということは、これは労働契約法の趣旨に照らして望ましいことではないと考えています。

 ジェトロからは、嘱託職員の採用に当たっては一年ごとに公募を行って能力や適性で採否を判断をしていて、無期転換を避ける目的で雇い止めをすることはないという方針を報告を受けています。だとすれば、今局長が読み上げさせていただいたジェトロの文書において無期転換の対象となる職員数は相当限定せざるを得ませんと記載をしているのは、これは適切ではないというふうに考えます。

 ジェトロでは、今後、二〇一八年嘱託職員の公募を二月から始めるというふうに聞いておりまして、昨日、私の方から事務方に対して、ジェトロにおいてこの文書を撤回した上で改めて職員に対して早急に労働契約法の趣旨を周知徹底し直すように指示をしたところであります。

 

○田村智子君 当然ですよ、撤回は。これを違法、脱法行為って言うんですよ。
 ジェトロは、今、一年ごとの公募って言いましたけれども、労働契約法の改正を受けて、一年ごとの公募というのを、全員辞めさせて、全員一年ごと公募するというやり方に切り替えたんですよ、労働契約法が変わったから。それまでは、更新上限さえも示さずに長年働いてきた職員が多数いるわけです。無期転換を逃れるための雇い止め、足下で止めずしてどうするかということです。

 大学法人も含め、独立行政法人がなぜ無期転換逃れにこのように懸命になるのか。共通している理由が、この文書の中にもありました、予算の確保が不透明ということです。非常勤職員の給料は人件費とは別枠です。無期転換した場合、人件費として計上することになる。その増額が予算算定で認められないのではないだろうかと、これが無期転換逃れ、雇い止めの理由となっています。

 総理にお聞きします。法にのっとって無期転換をした場合、その人件費の増額を認める、当たり前のことではありませんか。

 

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 無期転換ルールを意図的に避ける目的で雇い止めを行うことは望ましくないと考えております。独立行政法人等においても、無期転換ルールの円滑な導入がなされるよう、厚生労働省を始めとした関係省庁が連携しながら啓発指導、相談支援などをしっかりと対応してまいりたいと、このように考えております。

 

○田村智子君 これ、だから、人件費の増額は当然認めるということでよろしいですよね、独立行政法人に対して。

 

○国務大臣(林芳正君) 先ほどちょっとお問合せがありましたので。
 これ、独立行政法人でございます。したがって、運営交付金ということでやっておるところでございますので、これ、各法人の裁量と責任の下で、自主的、自律的に効果的かつ効率的な業務運営を行う制度になっておりまして、各法人の運営費交付金というのはそれを前提に措置をされておりますので、そういった意味で、しっかりとこの予算については人件費を含めた必要な経費を確保できるように努力をしてまいりたいと思っております。

 

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 文科省の対応については今文部科学大臣から答弁したとおりでありますが、独立行政法人の人事管理については、無期転換ルールを定める労働契約法の趣旨を踏まえながら、それぞれの独立行政法人が責任を持って対応していくものであります。その上で、無期転換による個々の独立行政法人の人事権、人件費への影響については、各大臣において無期転換ルールへの対応が円滑に行われるよう適切に対応してまいりたいと思います。

 

○田村智子君 当然のことですよ。
 法の趣旨とは何か。厚生労働省が出したパンフレットでは、恒常的な業務は無期とすると、こういう考え方が望ましいということまで示しているんですよ。業務が続くのに雇い止め、これ絶対に避けなければなりません。

 安倍総理は、不本意ながら非正規の職に就いている方を正規にしていく、これ答弁繰り返しています。独立行政法人での無期転換逃れを正さずして、民間企業に遵法を迫ることはできないと思います。これ、徹底してやっていくという、このことを安倍総理、お約束いただきたいと思います。

 

○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは、先ほども答弁させていただきましたが、独立行政法人等においても無期転換ルールの円滑な導入がなされるよう、厚生労働省を始めとした関係省庁が連携しながら、啓発指導、相談支援などをしっかりと、こうした相談支援などを行ってしっかり対応してまいりたいと思います。

 

○田村智子君 理研でも、私、労働組合の方々からお聞きしましたら、六か月後にはまた雇うからねと言って雇い止めされようとしている人もいるんですよ。一体、人間を何だと思っているのかと。自動車大手などでも、このクーリング、六か月後に雇って、これまでの五年間をチャラにしようということがやられようとしています。

 徹底した指導を求めて、質問を終わります。

 


 

2018年2月2日(金) しんぶん赤旗

JETROの無期転換逃れ 雇い止め文書を撤回 田村議員に経産相表明

 

 日本共産党の田村智子参院議員は1日の参院予算委員会で、日本貿易振興機構(JETRO、経済産業省所管)が、有期雇用労働者の無期雇用転換から逃れるために雇い止めを行うと内部文書で言明していると追及し、雇い止め撤回と無期雇用への転換を指導するよう求めました。

 世耕弘成経済産業相は「文書を撤回し、労働契約法の趣旨を周知徹底し直すように指示した」と答弁。雇い止め通告を受けた有期雇用の嘱託職員に無期転換の道が開かれることになりました。

 嘱託職員からは「とてもうれしい。撤回させるなんてすごい。無期転換を必ず実施してほしい」との声が上がっています。

 JETROは、2017年3月に総務部長名で「取扱注意」とした内部文書を課長・所長らに出し、嘱託職員に雇い止めがあると説明するよう指示しました。同文書では「無期転換の対象者は相当限定せざるをえません。18年度の契約が締結されない場合は17年度で雇用は終了します」として、無期転換逃れのために雇い止めを行うと明言していました。

 JETROの嘱託職員は373人、雇用継続で無期転換できる職員は140人もいます。職場では指示に基づいて説明が行われ、昨年末から雇い止めを通告。「無期転換できると期待していたのにひどい」と批判の声が上がっていました。

 日本共産党の田村智子議員は1日の参院予算委員会でこの内部文書を示して、「無期転換を逃れるための雇い止めは許されない」と追及しました。

 


 

2018年2月4日(日) しんぶん赤旗

ジェトロ 派遣化全面撤回 田村議員に報告 無期転換に道開く

 

 無期雇用転換逃れのため有期雇用の嘱託職員140人に対する雇い止めを進めていた日本貿易振興機構(JETRO、ジェトロ)が、雇い止めの代わりに準備していた派遣労働の導入計画を全面撤回しました。日本共産党の田村智子参院議員に2日、JETROと経済産業省が報告してきたものです。

 JETROは、経理部門をすべて派遣化する計画をたて、無期雇用転換直前の嘱託職員に「仕事は派遣に出すので雇い止めする」と通告。派遣会社の選定や入札の準備を進め、職場で引き継ぎ準備を進めていました。

 JETROの担当者は、田村氏の質問を受けて雇い止め通告を指示した内部文書を撤回し、派遣化計画も撤回したと説明。引き続き業務は嘱託職員が担うことにして職員を募集するが、「現在働いている職員が応募して採用されれば、無期雇用に転換できる。職場に速やかに伝える」と述べました。雇い止め通告は事実上撤回され、無期転換への道が開かれることになります。

 田村氏は、「140人の多くは長期に契約が反復更新されており、雇い止めは許されないとJETROと経産省に求めてきました。引き続き、希望者全員が無期雇用に転換できるよう求めていきます」と話しています。

 内部文書は本紙が入手しJETROにただすとともに、田村氏が1日の参院予算委員会で取り上げ、世耕弘成経産相に「不適切であり撤回させる」と答弁させていました。

 


 

2018年2月27日(火) しんぶん赤旗

理研 3月末雇い止め撤回 345人に無期転換権 労組「制度撤廃まで交渉」

 

 国立研究開発法人理化学研究所(理研、本部・埼玉県和光市)は26日、職員説明会を行い、3月末に予定していた非常勤職員の大量雇い止めを撤回しました。雇い止め通告を受けていた345人が契約更新されれば、雇用継続5年を超え、労働契約法に基づく無期雇用転換の権利を得ます。労働者と労働組合、日本共産党国会議員団の追及による画期的な成果です。

 理研労働組合(理研労)は同日、厚労省内で会見し、雇い止め回避を歓迎し、脱法的制度運用にならないようチェックし、5年雇い止め制度の完全撤廃まで引き続き交渉するとしています。

 理研は、2016年3月以前から雇用されている非常勤のフルタイム職員、16年7月以前から雇用されているパート職員の5年雇い止めを撤回。業務が存続するならば雇用継続し、無期転換の申し出があれば新設の「限定無期雇用職」にするというものです。

 理研は、16年4月、非常勤職員の契約上限を5年にする就業規則をつくり、無期転換ルールの起算が開始された13年にさかのぼって適用していました。労働者過半数代表も理研労も反対し、東京都労働委員会に不当労働行為を申し立て、当局を追い詰めていました。

 日本共産党の田村智子参院議員は2月1日の予算委員会で追及。林芳正文科相から「適切に対応するよう理研に伝える」と答弁を引き出し、党国会議員団は2月16日、独立行政法人の無期転換逃れを調査し、担当省庁に指導要請しました。

 理研理事側は19日の団体交渉で年度末雇い止めを撤回する方針を表明。26日の職員説明会では「国会で議論があった」と説明しています。

 


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