日本共産党の田村智子政策委員長は21日、国会内で記者会見し、性的少数者をめぐるLGBTの法案にかかわって、20日の自民党内の会合で差別的発言が相次ぎ、山谷えり子元拉致担当相が性自認を否定するために「体は男だけど(心は)女だから女子トイレに入れろと意見書を出したり、ばかげたことが起きている」と述べたことについて、「大変許しがたい人権侵害の発言だ」と批判しました。
その上で田村氏は「法案は、多様な性のあるもとで、すべての人の権利を保障することが大前提のものだ」と強調しました。
同法案をめぐっては、野党がLGBT差別解消法案を提出。今国会に入り自民党は野党案とすり合わせることを前提に「理解増進法案」を提示し、LGBT議連での与野党協議を通じて、法案に「差別は許されない」との文言を入れることなどで合意しています。
田村氏は「自民党内の会合で罵詈(ばり)雑言に近い発言が相次いだと聞く。また山谷氏の発言を見れば、トランスジェンダーに対する敵視と憎悪、差別と不理解を振りまくような大変許しがたい人権侵害の発言だ」と批判。自民党は「理解増進」として法案をまとめたことを指摘し、「LGBTの人権をどう理解していたのか。何のために法案をつくろうとしたのか。このことまで問われる問題だ」と指摘しました。
その上で、「こうした差別的な発言をされた議員は、当事者が求めているように謝罪すべきだ。同時に、いま当事者が何に苦しみ、どういう差別があって、その解消が求められているのか。憲法の『個人の尊厳』の立場に立って、真摯(しんし)に考えてもらいたい」と強調しました。
2021年5月22日(土)しんぶん赤旗
| 宣言適用拡大の方針転換 政権の危機感欠如の表れ/田村政策委員長が会見動機はあまりに不純 /歳費法改定議論で田村氏指摘