医薬品や医療機器、再生医療の実用化に向けた研究開発を国策で進める健康医療戦略推進法案など2法案の参考人質疑が15日の参院内閣委員会で行われました。
兵庫県保険医協会の武村義人副理事長は、公立病院が臨床研究に動員されるとし、「医師不足や医療費抑制政策で疲弊する地域医療をさらに疲弊させ、地域の患者に多大な犠牲を強いる可能性がある」と警鐘を鳴らしました。
武村氏は、法案を先取りする神戸市が研究開発のために中央市民病院の病床を約200床も減らした上で不便な郊外に移転・集約してきた現状を紹介し、「一般の患者さんの利便性の低下、地域の救急などが犠牲になっている」と批判しました。
法案は“経済成長に資する”“最高水準の医療提供”を強調しています。神戸市の先行事例が地域医療にどう貢献しているかを質問した日本共産党の田村智子議員に、武村氏は「デメリットの方が大きい」と答えました。
同法案は基礎研究を弱めかねず、自治医科大学の永井良三学長は「基礎研究は極めて重要だ。基礎研究なくして実用化はあり得ない」と指摘。名古屋大学の濱口道成学長は、国からの運営費交付金の削減が続いていることについて「現場は疲弊している。人件費で手いっぱい。危機的な問題だ」と述べました。
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