国会会議録

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論戦ハイライト/参院予算委 田村議員の質問 /生きること 励ます政治こそ

 日本共産党の田村智子議員は、25日の参院予算委員会で病床削減推進法案、高齢者医療費2倍化法案について追及しました。


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(写真)質問する田村智子議員=25日、参院予算委

病床削減案は撤回しコロナ対策に集中を

 田村議員は推進法案について、公立・公的病院の再編統合・高度急性期病床の20万床削減を進める給付制度を盛り込んだものだと指摘。「全都道府県例外なく病床削減を進めるのか」と追及しました。

田村憲久厚労相 ベッドを減らすだけでなく質のよい医療を提供するものだ。

田村 埼玉県では急性期病床をあわせ7300床以上減らす計画だ。感染者の急増で、救える命が救えなかったことをどう受け止めるのかが問われている。

厚労相 国が無理やりではなく、地域で考えてもらう。

 田村議員は、病床削減計画は新型コロナ感染症拡大の前に立てた計画だと批判し、白紙撤回を要求。自治体や病院が新型コロナ対応に集中できるようにすべきだと求めました。

医療費2倍化より負担減らすべきだ

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 その上で田村議員は、「高齢者医療費2倍化法案」ではなく、お金の心配なく医療が受けられる社会を目指すべきだと強調。現行の1割負担でも高齢者の医療費自己負担額は、収入と比べ現役世代の3~4倍だと指摘。すでに75歳以上の1人暮らしで年収383万円以上では3割負担だとして、「高額所得でもなんでもない」「むしろ負担を減らすべきだ」と迫りました。

 田村議員は、2割負担が導入されれば、85歳以上は月1万円超の負担になるとただしました。

田村 年を重ねれば病気にかかりやすくなる。生きていくことを励ます政治でなければならないのに、これではペナルティーではないか。

菅義偉首相 考え方として違う。若い世代の負担を支える側にまわっていただく。

田村 現役世代の負担軽減は1人当たり年間350円だ。2割負担導入で、80歳代以上は、年3万6千円の負担増。そんなことを、現役世代は望んでいるのか。

 また田村議員は、2倍化法案には、国民健康保険料(税)のさらなる値上げが誘導される問題があると指摘。東京都新宿区では、年収400万円の4人家族の場合、国保料は43万円にのぼるとして、「収入の約1割を占める保険料負担は重すぎる」として認識をただしました。

首相 加入者の負担は相対的に重くなっている。

田村 法案では、自治体に(国保会計の赤字への)繰り入れをやめるよう求めているではないか。

厚労相 受益と負担を明確にしてほしいとお願いしている。

田村 繰り入れをやめれば保険料の引き上げにつながるではないか。

 田村議員は、負担を求めるところがちがうと批判し、高額報酬の役員や高額の給与・報酬を支払う事業主の保険料負担の上限をなくすなど、富裕層や大企業に応分の負担を求めるのが筋だと指摘。経済界にものをいう政治こそ求められていると主張しました。


2021年3月26日(金)しんぶん赤旗
 
【第204回国会 参議院 予算委員会 第16号 令和3年3月25日】

○田村智子君 日本共産党の田村智子です。
 三月十八日、衆議院で医療法等改正法案の審議が始まりました。公立・公的病院を再編統合する、重症患者を受け入れる高度急性期のベッド二十万床を減らす、そのために消費税増税分を充てて給付金制度をつくる、こういう中身が盛り込まれた言わば病床削減推進法案とも言うべきものですね。
 三月十二日、埼玉県知事が厚労大臣に要望書を提出しています。新型コロナ感染再拡大に備えてこれまで以上に病床確保を求めるという厚労省の方針に対して、埼玉県は人口十万人当たりの一般病床数、医師数が全国で最も少ない、その中で医療機関と協議して体制をつくってきた、更なる病床の確保は困難である、県を超える広域搬送を国の責任で整備、実施するよう要望すると、こういうような中身でした。
 この埼玉県も含め、全ての都道府県例外なく、重症患者に対応する高度急性期のベッド、削減を進めるということですか。
○国務大臣(田村憲久君) ちょっと分けて考えなきゃいけないんだと思います。
 今、この感染症というものの大拡大、パンデミックというような状況が起こってきております。これは緊急時の対応であって、こういうときにどのような形で病床の連携をしながら、ある意味本当に厳しいときには一般の医療を止めるということも、これは欧米ではやっておりますが、我々はなるべくそういうことはやりたくないんですが、そういうものをどうやって対応していくか、こういうことを考えなきゃいけない。
 これは、今回、今言われた法律の中で、これは地域医療計画、この中に盛り込もうと、次の八次に向かって、こういうことをやります。一方で、恒常的に人口がこれから減っていく、高齢者の方の割合が増えてくる、こうなってくると、急性期のベッドというものは一定程度必要がなくなってきて、どちらかというと回復期のベッドが必要になってまいります。これはもう委員も御承知のとおりであります。
 そういうもの全体での地域医療構想というものは、一方で、これは普通の状態のときに考えておかないと、ベッドを余らしておけば医療機関は医療経営ができなくなってまいりますので、そういうことも考えなければなりません。
 それで、各都道府県等々にお願いいたしましたところ、今、この病床再編支援事業、これに対して、七割の自治体、都道府県がこれに対して支援を要請をしてきておるということでありますから、多くの都道府県の皆様方が御理解をいただく中において、地域医療構想、これ、ベッドを減らせというだけではなくて、ちゃんとその地域で質のいい医療を提供できるような形でお作りをいただくという形で今進めさせていただいておるということであります。
○田村智子君 この埼玉県の計画見ると、高度急性期と急性期のベッド合わせて七千三百以上減らす計画なんですよ。分けてと言いながら、分けずに今やれというのが衆議院で審議されている法案じゃないですか。今すぐ減らしていけという、そういう計画ですよ、二〇二五年度までなんですから。
 私も何度も取り上げています。それはこの計画、どうしても止めなければならないからです。第三波の感染急増で入院できないまま亡くなる方が相次いだ、重症者の受入れができなかった、救える命が救えなかった、そのことを国政を担う私たちがどう受け止めるのかが問われているんだと思います。
 高度急性期病床の削減、感染症の対策で重要な役割を担う公的病院のダウンサイジング、これ、今進めるというのは余りにも、余りにも国民の命を軽んじていますよ。自治体からも医療関係者からも疑問、懸念、反対、こういう声上がっています。総理、今からでも計画は一旦止める、白紙にする、まずは新型コロナの対応に自治体も病院も集中できるようにする、これ当たり前だと思うんです。どうですか。総理、総理、総理。
○国務大臣(田村憲久君) 二〇二五年を目指してこれ計画作っていただくものでありますが、いつまでに計画を出してくださいというのは、今コロナがこういう状況でございますから、それは申し上げておりません。あわせて、減らすことありきで、こうやっておっしゃられました。もちろんそれは、人口が減っていきますからダウンサイジングということは当然あり得ると思いますが、これ、国が決める話ではございませんので、都道府県が入っていただいて、各二次医療圏ごとに関係者の方々が入っていただいた上で、話合いの上でお決めをいただく話でございますので、決して国が無理やりどうだという話ではないと、地域でお考えをいただくということは御理解いただきたいというふうに思います。
○田村智子君 法案の中にはそれを進める給付金制度までつくるってしているんですよ。
 総理、新型コロナの検証しなきゃ駄目なんですよ。その前に立てた計画でいいはずがないんですよ。どうですか。
○国務大臣(田村憲久君) 今計画を作っておられる最中で、各都道府県で。しかも、その期限をいつまでということは、今コロナがこういう状況でありますから、コロナのことも勘案していただいてお作りくださいということで、期限も切っていないわけです。ただ、二〇二五年というのは一つこれ、七十五歳以上の方々、これ団塊の世代の方全員入りますから、それに向かって計画をお作りくださいということはお願いしていますが、それを例えば今年中にだとか、今年度中にだとか、来年度中にだとか、そういうことは申し上げているわけではないので、それぞれの地域がコロナも含めていろいろと勘案いただいた上でお考えをいただく。
 ただし、再編するためには予算が必要ですから、継続して予算が必要だということに関して、これは各都道府県が必要だとおっしゃっておられる、七割の方々がこうやって、七割の自治体がおっしゃっておられる中において予算に計上させていただくということでございますから、御理解をいただきたいというふうに思います。
○田村智子君 今、コロナの下で法案出しているから聞いているんですよ。これ、与党にも問われていると思います。法案このまま通すのか。通しては駄目だということを強く申し上げたい。
 今、この国会には、新型コロナの下でどうしてこういう法案がというのがほかにもあるんですね。七十五歳以上の医療費窓口二割負担、新たに導入する高齢者医療費二倍化法案。新型コロナの治療は感染症法によって自己負担は無料です。これ、とても大切です。政治が国民への安心をつくり出せるんだということを示している。ここに学んで、お金の心配なく医療が受けられる、そういう社会を私は目指すべきだと思います。
 総理に大きな認識をお聞きしたいんです。大きな認識ですから、総理に。
 高齢者は、今、感染予防のため外出を控える生活一年以上続けておられる。家族や友人とも会えず、孤独の中で健康を害する方、それでも病院に行くのを我慢している方、多数おられます。第三波では、十分な治療を受けられずに亡くなる高齢者も相次いでしまいました。
 病気にかかりやすい、重症化しやすい、こういう高齢者の方々をいかに社会全体で支えていくのか、守っていくのか、それが今切実に問われていると思いますが、大きな認識としてどうですか、総理。
○内閣総理大臣(菅義偉君) 今、社会全体でそうした高齢者の皆さんを支えていくということでありますけれども、当然そこはそのとおりだと思います。
 現実問題で、新型コロナ患者に対する医療費というのは自己負担を公費で賄う仕組みになっており、基本的には自己負担は発生せず、今回の改正による影響は生じないと思います。
○田村智子君 これはもう新型コロナだけの問題じゃないと思うんです、私は。
 今、この国会で提出された法案、七十五歳以上で独り暮らしだと二百万円以上で医療費が二倍になるんですよ。高額所得でも何でもないですよ。(資料提示)
 これ、こういう方針出してきた全世代型社会保障検討会議の中では、年齢ではなく負担能力に応じた負担という視点を徹底していく必要があるといって二割負担の方針決めたんですね。これ、全くおかしな議論だと思うんです。
 これ見てください。今、一割負担であっても現実に負担している額は現役世代と比べて高齢者圧倒的に多いんですよ。これ、収入との比較で見ても現役世代の三倍から四倍ですよ。これ、むしろ負担重いんじゃないですか。七十五歳以上の方、今、独り暮らしで年収三百八十三万円以上だと三割負担になっちゃっている。むしろそういう負担を減らすことを考えるべき、それが収入に応じた負担だと思いますが、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(菅義偉君) 来年にはいわゆる団塊の世代と言われる人たちが七十五歳以上の高齢者になり始める中にあって、若者と高齢者が支え合い、現役世代の負担を、負担上昇を抑えつつ、全ての世代の方々が安心できる社会保障制度を構築するということは待ったなしの課題だと思っています。
 このため、少しでも多くの方に支える側として活躍していただき、能力に応じた負担をしていただくことが必要であり、今回、七十五歳以上の高齢者のうち一定の収入以上の方々についてのみ、その窓口負担割合を二割とさせていただくものであります。
 なお、窓口負担割合が二割となる方についても、必要な受診が抑制されないよう、経過措置、ここを設ける、こういうことであります。
○田村智子君 現実に負担している額はその現役世代より圧倒的に重いんですよ。既に重いんですよ。
 それで、二割負担になるとどうなるかです。厚労省の試算、パネルにしました。八十五歳以上は一割負担でも年間九万円を超えています。現役世代よりはるかに重い。それが、様々な軽減措置をとられても年間で十二万七千円、一か月当たりで一万円を超える負担になります。
 年を重ねれば病気にかかりやすくなる、介護も必要となっていく、それはもどかしいことだったり、つらいことにもなるんです。だからこそ、生きていくことを励ます、そういう政治でなければならない。私たちを育てた世代で、経済や社会を築いてきた世代、そこへの敬意が伝わる政治でなければならないと思います。
 ところが、現役世代と対立させて、高齢者の自己負担を増やすことが当たり前だという、これでは年を取ることそのものへのペナルティーじゃないですか。いかがですか。
○内閣総理大臣(菅義偉君) それは考え方として私は違うと思っています。
 社会保障費の七割は、給付は高齢者の皆さんであります。そういう中で、若い世代の負担を少しでも、やはり高齢者の方で支える側としてできる方には支える側に回っていただいて、この社会保障制度というものを持続していくことは私、大事だと思っています。
○田村智子君 それ、社会保障の給付が高齢者って、当たり前じゃないですか。病気になりやすいし、介護も必要とするし、年金で生活していくんだから。それを負担を重くすること自体が、高齢者、年を取っていくことへのペナルティーですよ、それは。
 改めて、それじゃ確認しますけれども、この後期高齢者への二割負担の導入で現役世代の負担軽減というのは一人当たり幾らになるんですか。
○国務大臣(田村憲久君) 全体で負担軽減というのが若者一人当たりという意味からすると、七百円という形になるわけであります。(発言する者あり)若者の保険料一人当たりは七百円でございます。多分おっしゃられるのは、事業主負担があるという意味ですか。そういう意味からするとそういう話でありますが、事業主負担分をどう見るかという話は一方であるわけでございますので、そのようなお話の仕方をいたしております。
○田村智子君 今の七百円というのは、事業主が二分の一、それから個人が二分の一ですから、一人当たり国民ということで考えれば年間三百五十円ですよ。年間、現役世代三百五十円の軽減のために八十代以上の高齢者に三万六千円もの負担増、そんなことを現役世代は望んでいるんでしょうか。私は断じて望みません。余りに恥ずかしい政策です。
 この法案には、国民健康保険についても新たな規定があります。まず、国保、国民健康保険のこの保険料の実態示したいんですけど、新宿区、年収四百万円、四人家族、国保料四十三万円を超えます。それから、菅総理の地元横浜市、三十三万五千円、これ同じ年収で協会けんぽ、つまり会社員の方だったら二十万円ほどなんですね。この国保料の負担の重さというのは、私たちは長年この国会で問題にしてきました。
 歴代総理に質問してきたことを菅総理にもお聞きしたい。この収入の約一割も占める保険料、これは高過ぎる、負担が重過ぎると思いますが、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(菅義偉君) 国民健康保険については、高齢化の進行に加えて、無職や非正規雇用の労働者などの低所得の加入者が増加するなどの構造的な問題もあり、保険料の加入者の負担が相対的に重くなっている、このように承知しています。このため、所得の低い方に対し保険料軽減措置を講じるとともに保険給付費の五割を公費負担とするなど、公費を他の制度より手厚く投入する措置を講じています。
 また、平成三十年度の国保改革においても、都道府県単位化により財政の安定化を図ってきた。このことに加えて、低所得者対策の拡充や医療費適正化等に積極的に取り組む自治体への支援など、毎年三千四百億円の財政支援を行い、財政基盤を大幅に強化してきております。
 こうした取組を通じて、国民皆保険を支える国保制度の安定的な運営に努めてまいりたいと思います。
○田村智子君 そうなんです。会社員の皆さんなどが入るその医療保険の保険料と比べれば本当に重いんですよ。それをどうするかということがずっと問われてきたんです。安倍総理もそういうふうにお認めになった。
 ところが、ここに挙げた自治体、これでも国保会計の赤字に対して一般会計からお金を繰入れをやっています。赤字分全部を保険料に乗せるということはやっていません。ところが、今政府が国会に提出している法案、その自治体の赤字に対する繰入れ、やめるように求めているんじゃないですか。
○国務大臣(田村憲久君) 以前から、これは各自治体に、受益と負担というものを考えた場合に、一般会計から繰入れするということはおやめをいただきたいということはお願いしてまいりました。
 国保財政、ばらつきがあります。大きな自治体、ちっちゃい自治体、それぞればらつきがあります。ちっちゃな自治体で一人大変医療費掛かる方が出たら、全体もこれ膨らむわけでありまして、そういうこともあるので、財政主体というもの、これを都道府県がいろいろと対応いただきたいということをお願いしてきた国保改革でありました。
 その中で、当時、二〇一四年でしたかね、三千四百億円ぐらい、これ、それぞれ一般会計から補填をいただいていたんですね。そこで、三千四百億円、これは国費を各都道府県に入れようということで、二回にわたって、これ、一千七百億円、それぞれ低所得者に入れる一千七百億円もあれば、財政調整や保険者努力というようなものに対しての一千七百億円もあるんですが、合わせて三千四百億円、これ平成三十年までに入れてきたわけでありまして、そういう意味では、かなりの金額を国から都道府県に入れさせていただく中において、こういうような各自治体で一般会計から入れられる、そういうような補填部分に関しては何とかお願いをしてやめていただきたいと、受益と負担というものを明確化していただきたいというお願いをさせてきていただいたわけでありまして、今回それを運営指針の中に盛り込まさせていただいたということであります。
○田村智子君 国がそういう手当てをしても保険料の負担が重過ぎるんですよ。だから、自治体は独自の努力でお金を入れて、中には国保料の引下げに、僅かですけれども踏み出していると、こういう自治体もあるんですよ。その繰入れをやめろと求める、それは保険料の引上げにつながっていくじゃないですか。
 そうすると、医療費の自己負担が、高齢者、今よりも重くなれば、受診を我慢する、健康を害する、そういう高齢者増えるでしょう。そして、国保料が更に値上げになっていけば、食費を削る、生活費を削る、現役世代の健康悪化にもなっていくでしょう。高齢者にも現役世代にも健康悪化をもたらすような法案、どこが社会保障改革なのか。本末転倒ですよ。命を守るためのそういう社会保障でなければならないんです。そもそも負担を求めるべきところが違うと思いますよ。
 提案したいんです。
 今、高額の役員報酬を受けても、実は医療の保険料には上限、頭打ちがあります。これを見直して、高齢者医療の支援金に充てる部分だけでも上限をなくす、高齢者医療に充てる部分だけですね、その上限をなくすだけで、あるいはそういう高額の給与や報酬を支払う企業に対しても事業主負担の上限をなくす。これで約一千三百億円の財源、得られることになります。
 それから、このパネル、もうおなじみのパネルになりました。所得税の負担、所得一億円を境にして負担率が大きく下がっていく。それは株の売り買いとか配当金に対する所得、そこに掛ける税金が余りにも優遇されているからですよね。この特別扱いもやめる。
 総理、私は、年収二百万円のお年寄りの医療費の自己負担を重くするのではなくて、まさに負担能力のある富裕層、超富裕層、内部留保ため込んでいる企業、こういうところに応分の負担を求めるのが筋だと思いますが、いかがですか。
○内閣総理大臣(菅義偉君) 税制によって所得再分配を行っていくことは重要であり、その観点から、これまでも所得税の最高税率を引き上げて累進構造の強化を図るとともに、金融所得課税についても税率を一〇%から二〇%に引き上げてきています。これらの改革によって、所得が高くなるに従って所得税の負担率がより上昇し、所得再分配機能の回復に効果があったというふうに考えています。
 今後の税制の在り方については、所得格差の状況を含めて、経済社会情勢の変化を丁寧に見極めた上で検討していきたいと思います。
○田村智子君 本当にそうやって棚上げ棚上げなんですよ。
 そもそも、この年収二百万円以上じゃ足りないと、もう七十五歳以上原則二割だって求めているのは日本経団連ですよ。団塊の世代が七十五歳になる前に早くやれと尻をたたく。社会保障費抑制しろと言う。そういう皆さんは、自分たちの利益には手を付けさせない。私は、そういう経済界などに物を言う政治こそが求められていると思います。
 以上指摘して、質問を終わります。


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