日本共産党の田村智子議員は25日の参院予算委員会で、新型コロナウイルス対策と矛盾する「病床削減推進法案」と「高齢者医療費2倍化法案」の問題を追及し、命を守る社会保障の拡充こそ必要だと迫りました。
田村氏は、推進法案が公立・公的病院の再編統合や、重症患者に対応する高度急性期病床などの削減の加速措置を盛り込んでいますが、人口当たりの一般病床・医師数が全国最少の埼玉県の知事がコロナ患者のさらなる病床確保は「困難」と訴えたと指摘。「全都道府県例外なく病床削減を進めるのか」「感染急増で救える命が救えなかったことをどう受け止めるのか。あまりに命を軽んじている」として、病床削減計画をやめるよう求めました。
田村憲久厚生労働相が「国が無理やりではなく、地域で考えてもらう」と言い訳したのに対し、田村氏は、感染拡大前に立てた計画だと批判しました。
田村氏は、高齢者の窓口負担額はいまでも現役世代より圧倒的に多いのに、2倍化法案で75歳以上の窓口負担を現行1割から2割に引き上げれば、85歳以上の人は月1万円超の負担を強いられると指摘。「年をとることへのペナルティーだ」と追及しました。
菅義偉首相は「考え方として違う。若い世代の負担を支える」と強弁。これに対し、田村氏は2割負担導入に伴う現役世代の負担軽減は1人あたり年350円にすぎないと指摘しました。同法案は、非正規雇用労働者などが加入する国民健康保険料(税)の値上げも求めているため、受診控えや食費・生活費の節約で「高齢者にも現役世代にも健康悪化をもたらす」と批判しました。
田村氏は、2割負担の対象拡大を求めてきたのが経団連だとして、富裕層や大企業にこそ応分の負担を求めるべきだと強調しました。
2021年3月26日(金)しんぶん赤旗
*論戦ハイライトがあります。
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