国会会議録

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検査体制充実が重要 まん延防止/塩川・田村智子氏が質問

 

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(写真)質問する塩川鉄也議員=1日、衆院議運委

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(写真)質問する田村智子議員=1日、参院議運委

 衆参両院の議院運営委員会は1日、「まん延防止等重点措置」を宮城、大阪、兵庫の1府2県に適用するにあたって政府から事前報告を受け、質疑を行いました。日本共産党から塩川鉄也衆院議員、田村智子参院議員が質問しました。

 塩川氏は、3月上旬以降に全国的に新規感染者数が増加するもとで、検査体制の充実が重要だと強調。(1)高齢者施設や障害者福祉施設などへの頻回の社会的検査(2)モニタリング検査数の引き上げ(3)変異株検査数の大幅な引き上げ―を要求。また、持続化給付金を打ち切るなど「国による事業者への直接支援制度が何もなくなる」ことを批判し、持続化給付金の再支給など「国の直接支援を直ちに行うべきだ」と迫りました。西村康稔経済再生担当相は「影響が出てくる事業者への支援策を検討している」と答弁しました。

 塩川氏は、厚生労働省の専門家組織アドバイザリーボードでの変異株に関する医療提供体制や公衆衛生体制を早急に検討すべきだとの意見を紹介し、対応を求めました。西村氏は「変異株に最大限警戒する」と述べました。

 一方、田村氏は、2月26日の緊急事態宣言解除後、大阪府で感染拡大の予兆をつかむモニタリング検査がどう実施したかを質問。西村氏は「PCR検査キットを6587件配布し、現時点で3328件回収した」と述べました。

 田村氏は、大阪は多い週では1日あたりの配布数は約370件で、東京都の2週間の配布数は99だと指摘。「感染の予兆を掴む規模ではない。今回の措置はモニタリングの結果ではなく、実際の新規感染者が増えたからだ」と強調。「手をこまねくわけにいかない」と述べ、モニタリング検査を積極的に増やすよう求めました。

 田村氏は、濃厚接触で自宅待機になった場合に傷病手当や休業手当が払われないため検査を受けない人がいると指摘。「安心して検査を受ける対策をセットにしなければいけない」と強調しました。



2021年4月2日(金)しんぶん赤旗
 

【第204回国会 参議院 議院運営委員会 第17号 令和3年4月1日】

○田村智子君 日本共産党の田村智子です。
 新型インフル特措法等の改正法案では、感染症法の罰則規定で政府案に誤りがあったことが成立後に国会に報告されました。衆議院での修正で罰則規定全体が削除されたことで、誤りも削除されていたということなんですね。
 この特措法の改正は、昨年末に菅総理が突然持ち出して、まず各党の意見を聞きたいということで、一月五日、八日、十三日と、政府・与野党連絡協議会が行われました。これを受けての法案作成で、一月二十二日に法案提出と。しかも、これらは、感染が急増して医療崩壊も起きて、緊急事態の真っただ中という中での法案作成だったわけですね。
 それから、四十五か所もの誤りがあったデジタル改革関連法案、これも菅総理の看板施策として急遽大掛かりな法案作成の報告になった。その基本方針の閣議決定は昨年十二月二十五日。法案提出は二月九日。年末年始を考えれば事実上一か月ほどで、この作業で二百十七本もの法律に関わる作業となったわけですよね。
 この拙速なやり方が誤りを引き起こしている要因の一つじゃないですか、しかも大きな要因で、と思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(加藤勝信君) まず、御指摘のデジタル改革関連法案については、政府として喫緊の課題であるデジタル化について対応を図っていくため、また、新型インフルエンザ特措法等改正法については、新型コロナウイルス感染症に係る対策の強化を図るため、いずれも社会的なニーズに的確に対応を行う、に応えるために作成をしたところであり、そのためには、必要な法案の作成のための体制を整備した上で、法案を国会に提出する準備を進めさせていただいたところであります。
 こうしたミス等があったことは謙虚に反省しなければなりませんが、拙速との御指摘には必ずしも当たらないものと考えております。
○田村智子君 必要な体制と言いますけど、その新型インフルに関わる部署がどれほどの長時間労働だったかというのは新聞でも大きく報道されましたね。
 そして、デジタル関連のところもです。
 昨年十月、十一月に在庁時間調査、霞が関の国家公務員に対して行われている。私、聞きました、デジタル改革法案を担当する部署はどうだったか。これ、平均で時間外の在庁時間が百八時間ですよ、月平均で。これ、十、十一月ですから、本格的な法案作成はその後ですから、もっとすさまじい超過勤務になっていたのではないだろうかというふうに容易に推測ができるわけですよ。
 民間企業での長時間労働は、これ、無理な納期になっていないかというのは重大な焦点なんですよ。そんな期間でこれだけの仕事ができるかという、これ重大な焦点になります。医療機関やバス、トラックの運転手などだと、重大な事故にもつながるミスというのは、長時間労働、過労、こういうものと必ず結び付けて考えられていく。そして、再発防止策が取られていきますよね。
 私は、そもそも無理だったと思いますよ、二百十七本もの関わる法案、これを僅か一か月ぐらいでどこがどう変わるか全部資料を作っていくって。どだい無理だと思いますよね。長時間労働になっていることも事実です。しかも、法律ですから、慎重な検討、議論が国民的にも求められている。
 ところが、菅総理の看板政策だとなると、早く結果を出そうとして、そうしたことが全くやられない。立法府の審議だけじゃないんですね。法案作成の過程さえも無理に無理を押し通すと、こういうことが起きているんじゃないのか。
 そういう反省は一かけらもないということなんでしょうか。
○国務大臣(加藤勝信君) デジタル改革関連法案のお話もありましたが、昨年九月三十日に内閣官房に準備室を発足させ、各国から、各省からの出向で、審議官、参事官以下五十人規模の体制を整えて、予算関連法案として二月に国会に提出すること、これを念頭に置きながら立案作業に集中的に取り組んだ、そうした体制でやってきたところであります。
 しかし、そうした中でこうしたミスもあったわけでありますから、その点も含めてしっかり今回のプロジェクトチーム等で検証し、再発防止に努めていきたいというふうに考えております。
○田村智子君 先ほど、デジタル化すればミスがなくなっていくんじゃないかと言いましたけど、今回起きたミスの一つは、総務省のe―LAWS、電子化されていた法律の条文を取ったら間違っていたと、そこが間違っていた。これ、デジタル化するのも人海戦術なんですよ。誤りなく入力する、慎重に、それすらできていないんですよ。
 菅政権のこうした拙速なやり方そのものが非常に重大な政府の信頼を損なう事態を招いている、このことを指摘して、質問を終わりにします。


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