国会会議録

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医療機関 定期検査を/ 田村智子氏 「国が抜本拡充せよ」
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(写真)質問する田村智子議員=6日、参院内閣委

 日本共産党の田村智子議員は6日の参院内閣委員会で、新型コロナウイルス感染抑止のために重要な医療機関での定期・頻回検査が普及していないとして、国の事業として抜本拡充するよう求めました。

 田村氏は、国立病院機構と国立高度専門医療研究センターを対象とした全日本国立医療労働組合(全医労)の調査で、PCR検査を定期的に全職員に実施していると答えたのは1施設だけだと指摘。“検査を実施していない”が最多の31施設、次いで、院内感染が出たときのみが21施設だったと述べました。

 国立病院機構の71施設がコロナ患者受け入れの重点医療機関で、協力医療機関も23施設あると強調。「定期検査の実施を都道府県にお願いしているだけでは足りない。国の事業として行うべきだ」と迫りました。

 小鑓(こやり)隆史厚生労働政務官は、「実施主体は都道府県だ」と後ろ向きの姿勢に終始しました。

 田村氏は、全医労の調査では、約7割の施設で今なおマスクの使用制限があり、「1日1枚」「汚れがひどくて使用できなくなるまで」などの実態が寄せられたと指摘。「医療物資・資源がきちんと提供されるよう直ちに改善を」と求めました。



2021年4月7日(水)しんぶん赤旗

 

【第204回国会 参議院 内閣委員会 第9号 令和3年4月6日】

 

○田村智子君 残り時間が少なくなってしまったんですが、新型コロナ対応について質問いたします。
 緊急事態宣言の解除から一か月で、大阪府では過去最多の新規感染者となりました。東京都でも感染急増が大変危惧されます。国民の中に諦めが広がらないように、政府として感染拡大を抑制するために何をするのか、明確に示していただきたい。
 私、やっぱり検査に本気で取り組んでほしいんです。呼びかけをしてほしいんです。変異株のこともありますから、少しでも風邪症状があればすぐに診療と検査をと、有症状者の検査がどこまでで、どこでできるのかと、これももっと知らせると、必要だと思いますが、済みません、端的によろしくお願いします。
○政府参考人(宮崎敦文君) お答え申し上げます。
 御指摘のとおり、発熱の状況にかかわらず何らかの体調不良あった場合には、無理をせずに適宜かかりつけ医などに御相談をいただきたいというふうに我々も考えているところでございまして、昨年秋以降、こうした発熱等の症状がある方については、まず、かかりつけ医等の身近な医療機関に直接電話相談をいただいて、地域の診療・検査医療機関を受診する仕組みを導入をしているところでございます。三月三十一日時点で約三万一千の医療機関を診療・検査医療機関として指定をしております。
 こうした体制については厚生労働省のホームページのQアンドAでもお示しをしておりまして、症状などがある場合にはどうしたらいいですかという質問に対して、症状が出たら医療機関を受診しましょうということで、具体的な電話相談、そして身近で検査や相談を受けることができる医療機関や受診方法を御案内しますということを記載をしているところでございます。
○田村智子君 西村大臣、これこそ私はCMが必要だと思うんですよ。本当に検査を受けましょうという呼びかけ、モニタリング検査もどうか協力してくださいという呼びかけ、これどんどんやってほしい、検査に行こうと。どうですか。
○国務大臣(西村康稔君) 御指摘のように、行政検査のみならず、私どものモニタリング検査含めて検査を、これを戦略的に大幅に質、量共に拡充をしていきたいというふうに考えております。
 そうした中で、今御説明ありましたけど、厚労省のホームページでも対応していますし、私どものコロナのサイトからも見れるようにしております。さらに、それぞれの都道府県と連携して、また厚労省とも連携して、御指摘のようなCMなども含め、様々な形で情報発信を強化していきたいと考えております。いろんな形を考えていきたいと思いますので、引き続き、多くの方に必要な検査が受けれるように、そして協力をいただけるように取り組んでまいります。
○田村智子君 それで、資料一を見ていただきたいんですけど、高齢者施設では、PCR検査、これ三月中に一回はやってください、その後も、四月以降定期的な検査をということを厚生労働省呼びかけておられる。
 じゃ、医療機関はどうなのか。これ、医療機関のクラスター、この資料の一番下の青い部分なんですけど、全然止まってないと思うんですよ。感染続いていると思うんですよ。医療機関でも定期的な検査、これやるべきだと思うんですけれども、いかがですか。
○大臣政務官(こやり隆史君) 先生御指摘のとおり、医療機関で定期検査を実施することは重要であるというふうに考えており、これまでも累次にわたりまして各自治体にその実施を要請してきたところでございます。
 四月から六月にかけましても、特に二月に緊急事態措置区域であった十都道府県の歓楽街のある大都市はもとより、その他の自治体に対しましても、地域の感染状況に応じて検査の集中的実施計画を新たに作成をし、定期的に検査を実施するよう要請をしているところでございます。この中で、医療機関においても院内感染が起きたことを踏まえて、医療機関の実施も検討するように明示をしているところでございます。
 こうした検査体制整備計画につきましては、おおむね今月中をめどに見直すよう先般要請したところでございます。
○田村智子君 国立病院機構と国立高度専門医療研究センターを対象に、全日本国立医療労働組合が組合の支部を通じて調査を行いました。
 PCR検査を定期的に全職員に実施していると回答したのは一施設、特定の職場のみ定期的検査行っているが二施設、最も多いのは、検査を実施していない、これが三十一、続いて、院内感染が出たときのみ、これが二十一と。国立病院機構は、コロナ患者受入れの重点医療機関が七十一あります。協力医療機関が二十三あります。全然定期検査なってないんですよ。これ、都道府県にお願いしているだけではもう足りないと思うんです。何度も提案しているんですけれども、国の事業として行うべきだと思います。
 もう一点、この調査で驚いたのは、今なおマスクの使用制限を約七割の国立病院で行っているというんですよ。自由記入欄には、一日一枚、数日で一枚、足りないので自費で買っている、N95マスク、変形、汚れがひどくて使用できなくなるまで使用。こんなことが一年たってまだあるのかと、ちょっとアンケート見て驚きました。
 これ、是非、定期検査の実施、それからこの医療物資、資源、これちゃんと提供が行われるように直ちに改善していただきたいと思いますが、いかがでしょう。
○大臣政務官(こやり隆史君) まず一点目、行政検査の御指摘でございます。
 これはもう委員御承知のとおり、感染症法に基づく行政検査でございまして、実施主体は都道府県等とされているところでございます。そうしたこともあり、先ほど御答弁させていただきましたように、都道府県等に対しまして、目詰まりなく必要な検査が行われるよう改めて要請をさせていただいたところでございます。
 あと二点目、医療物資等について御指摘がございました。
 今、厚労省では、個人防護具等の不足感については、G―MISを通じた緊急配布要請の仕組み等を通じて把握をしているところでございます。特に、N95等のマスク、あるいは非滅菌手袋につきましては、依然として十分な量の確保が困難な医療機関があるということでございまして、都道府県を通じた無償のプッシュ型配布、あるいは緊急配布要請の仕組みによる無償配布を実施しているところでございます。この緊急配布要請につきましては、例えば一月から三月におきまして全体で八百十七件の要請がございました。国立病院機構に対しては四回緊急配布を実施しているところでございます。
 いずれにせよ、必要な器材が十分行き渡るように支援をしてまいりたいというふうに考えております。
○田村智子君 終わります。ありがとうございました。

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