ともここらむ

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小学6年生からの質問に答えて
11月3日、小学6年生のF君からメールが送られてきました。

親から「共産党は会社の敵」「将来、共産党員と仲良くしてはいけない」と言われる。インターネットで調べると困っている人を助けているのに、どうしてこんな意地悪なことを言うのか――という質問。

小学生にどういう回答をするか、これは悩ましいがやりがいのあることです。とてもしっかりした文章を書いていることと、自分で日本共産党について調べて書かれていることを理解している様子。少し難しいかもしれないけれど、じっくり読んでもらえる回答を送ることにしました。
 
返信してから数日後、11月10日、再びF君からのメールが届きました。
「こんにちは、メールの返事ありがとうございます。田村智子先生のメールを両親に見せたらよいことが書いてあると言っていました。何か誤解していたみたいです。」 続けて、次の選挙では応援すると言っているとの報告も。
ご両親は、まっすぐなF君の行動に驚かれたことでしょう。私の返信だけで、日本共産党支持になるかは疑問ですが、これを機会に私たちの主張や政策に目を向けていただければと思っています。
 
F君への返信を書きながらつくづく思いました。子どもからの質問にまっすぐに答えることができる、日本共産党の政策は本当にまっすぐなんだよなぁ。
 
以下、返信した内容です。
 

小学校6年生のF君への返信

質問をよせてくれてありがとうございます。
疑問に思ったことを自分で調べていること、とても大切だと思います。
私の回答も、あなたがこれから学習したり、考えたりすることの参考にしてほしいと思っています。

回答1 なぜ「共産党は会社の敵」というのか

私もあなたのご両親に、その理由を聞いてみたいです。もしかしたら、会社の経営が大変ななかで努力されているのかもしれませんね

日本共産党が、「働く人たちの給料を増やす」ことをよびかけているために、「共産党は会社の敵」「会社をつぶすつもりか」と考える人がいます。
私たちは、「会社がつぶれてよい」とは、全く考えていません。
①働く人が、安心して生活ができて、文化やスポーツも楽しめる余裕もある、そういう給料や労働時間にしていくことと、
②会社がよい製品やサービスを提供して、よりよい会社に成長すること、
この二つが両立できるように、経済のルールをつくろうと、よびかけているのです。

働く人の給料につかうお金(人件費)を少なくした方が、会社の利益を増やせるからと、たくさんの会社が「人件費を少なくする」という経営をしています。「ワーキングプア」という、働いても貧乏な状態から抜けだせない人たちまで増えてしまいました。

ある会社の社長さんが、「これでは給料が安すぎる」と考えて人件費を増やしたら、他の会社との「もうけ競争」に負けて、会社がつぶれてしまうかもしれません。
だから、日本中の会社が守らなければならないルールをつくろうというのが、日本共産党の主張です。

たとえば、どんな人でも、1時間働いたら最低1000円の給料を受け取れる、というルール。
働く時間は8時間が当たり前で、残業が必要な場合も時間を制限して、健康に働き続けられるというルール、などです。

会社のなかで、働く人たちと社長さんたちが話し合ってルールをつくることも必要でしょう。
たとえば日産自動車のゴーン会長は、1年で9億5000万円の報酬を受け取っています。一方で、人件費をけずるために、正社員よりも給料が安くて何年か働いたらやめてもらえるような社員を増やしています。
こういうやり方を改めるために、働く人とたちとの話し合いをするよう、私たちは会社に求めています。

働く人たちは、会社の外に出れば、消費者、ものを買う人たちです
この人たちの給料が少ないままだと、物が売れない、売れないからつくれない、会社の経営が苦しくなる、こういう悪循環が続いてしまいます。
日本共産党の主張は、「会社をつぶす」ものでも「会社の敵」でもなく、「よりよい会社をつくる」ためのものだと思うのです。

回答2 「共産党の人と仲良くしてはいけない」ということについ

とても悲しい言葉です。
日本国憲法は、政党をつくる自由、政党に加わり活動する自由を、すべての国民に保障しています。
自分と意見が異なる政党があるのは当たり前のことなのです。
だからこそ、お互いに話し合うことが大切で、それが民主主義だと思います。
意見が違う人から学ぶことはたくさんあります。違う意見を聞いて考えるから、自分の意見も発展する、そういう経験を私もたくさんしてきました。

とても残念で悲しいことに、日本共産党員は長い歴史のなかで「仲良くしてはいけない」「つきあってはいけない」と差別されてきたことが、何度もありました。
1922年に党をつくった人たちは、「侵略戦争反対」「主権在民」(天皇ではなく国民が国の政治を決める)をかかげたために、「非国民」「アカ」といわれ、逮捕され、拷問まで受けました。
戦後も、日本共産党は暴力で世の中を変えようとしている、という偏見や誤解が何度も広められました。
会社のなかで、日本共産党員であるとわかると、仲間はずれにされたり、出世ができなくなったりということもありました。

こうした差別が間違いであったことは、今の日本で「戦争反対」と声をあげても逮捕されないことをみても明らかです。
共産党員だからと社員に差別をさせた会社も、裁判で、差別を受けた人たちに謝り、差別をなくしなさいと判決を受けています。

「仲良くするな」という差別の目的は、日本共産党の主張を聞こえなくする、共産党を応援したり、共産党員になろうという人を根絶やしにしたい、ということだと思います。
それでも私たちは、あきらめません。
異なる意見の人とも対話をして、私たちの主張や姿をありのままに知ってもらおうと努力していきます。
あなたのご両親にも、まっすぐに私たちの主張や活動が届く日が来ることを心から願っています。

これからも自分の疑問を大切に学習を続けてください。
あなたが、これからどんな青年に成長していくのか、とても楽しみにしています。
それでは、お元気で。

 

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