日本共産党の田村智子議員は1日の参院内閣委員会で、緊急事態宣言が解除された後の人の流れを抑えなければならず、東京五輪の開催とは矛盾するとただしました。
田村氏は、感染の波を起こさないために宣言解除後の対策が今から問われるとして、人流について質問しました。尾身茂会長は「感染に至るような接触機会を減らすということは重要だと思う」と答えました。
田村氏は「これと矛盾するのが東京五輪だ」と指摘。「入国者数をどこまで減らすのか、競技ごとの観客数、パブリックビューイングの規模を一刻も早く示すべきだ」とし、人流に伴う感染拡大について「専門家の計測を責任を持って仰ぐべきではないか」と追及しました。丸川珠代五輪担当相は、正面から答えませんでした。
田村氏は「これでは東京五輪を開いたらどうなるのかわからない。あまりに無責任だ」と批判。「分科会に諮問するつもりはあるのか」と迫りました。丸川担当相はまともに答えられませんでした。
田村氏は「(五輪が開催されれば)数万人規模で外国から東京に訪れる。ボランティアなど関係者がどんどん集まる。宣言解除後の解放感もある。それが何をもたらすかだ」として「国民が何より望んでいるのは感染の波を起こさないでほしいということだ」と強調し「分科会に諮問するべきだ」と主張しました。
2021年6月2日(水)しんぶん赤旗
【第204回国会 参議院 内閣委員会 第23号 令和3年6月1日】
○田村智子君 新型コロナについてお聞きします。
六月二十日まで緊急事態宣言が延長されました。感染の波が繰り返されることに、国民の中にはもう限界という声が起きています。
そうすると、この解除後の対策が今から問われると思います。ワクチン接種が若年層に普及するまでには時間が掛かります。人流の抑制など、どのような対策が解除後求められるか、尾身会長、お願いいたします。
○参考人(尾身茂君) 委員御指摘のように、今、人々の人流の制限、行動変容というのが難しくなっていますよね。実際、東京でもまだ緊急事態宣言発出期間中に今人流が増えているということもございまして、さらに、感染者が少し減ってくるとその情報効果ということでまた人出が増えるというようなことがあって、これから非常にこの感染の防御対策というのが今まで以上に難しくなってきていると思います。
そういう意味では私は、これからは、人々に行動変容をこれからもお願いする必要があると思いますけど、もっと納得感のある対策というものが非常に重要で、これから私は、一つのキーワードとしてはサイエンスとテクノロジー、科学と技術ですね、これを十分フルに活用して感染対策を行うということで人々の協力を納得して得ていただくということが重要で、その一つがワクチンですよね。
それに加えて、今、政府の方も本腰を入れてやってくれることになりましたが、抗原定性キットなんかの活用ということと、それから、実はこれもう私ども、都心部で感染の源というか、感染がどこで起きているかということがなかなか分かりにくい、都会のいわゆる匿名性ということで申し上げ、このことがずっと長年課題になっているのに解決されなかったということが一つあって、これについては、もうそろそろいろんな技術、QRコードなんかのようなIT技術を活用して、感染がどこで起きているかというのを早期に探知するということも必要だと思います。
それから、これは私のまだ私見ですけれども、いろんな技術ができて、下水を調査することによってウイルスの排出というのがその地域ということが、かなりいい技術ができているということになっているので、これも使うということ。それから、飲食店なんかでは二酸化炭素のモニターをしっかりする。
以上申し上げたようなことを含めて、私は、今までもこういう努力はありましたけど、本格的にやるということがなかったので、ここに来て私は、このIT技術、テクノロジーをフルに活用して一般の人に納得してもらう、そういうステージに来て、これをもうそれこそ官民学挙げてやる時期に来ていると私は思います。
○田村智子君 尾身会長、もう一点、今の人流のことについてなんですけれども、今も期間中、宣言期間中だけど増えてきていることに危惧を、懸念を示されたと思うんですけれども、解除後、これらの技術を行っていけば人出は元に戻していいという判断にはならないんじゃないかと思うんですけど、いかがでしょうか。
○参考人(尾身茂君) 今申し上げた技術は必要条件で、それだけやれば十分ということはないので、私は、前から申し上げていますように、一般の人は、やっぱり国や自治体が本当の意味で汗をかいているということを示して、なるほど、それなら我々も努力しても、行動変容ですね、ということですので、これは今言ったITの技術なんかを使うということが必要で、そうしたことをしっかりやるから、一般の人にもこれとこれはこれまで、で、変異株の問題がありますから今まで以上にマスクの活用等々は必要になってくるので、そういった一体感のあるメッセージを出さないと、ただ人々に行動変容してくれということでは私は難しいと思うので、そういう意味で、国、自治体、民間の方はIT技術等々を使った、テクノロジー使ったことをする。
したがって、それだけでは不十分なので、しばらくは、それこそワクチンがみんなに行き渡るまでは、特に高齢者に行くまでの間は、しばらく必要な対策はある意味でこれまで以上のところもあると思うんですけど、そういうことが必要。人流の抑制も、人流の抑制というよりも感染に至るような接触機会を減らすということは重要だと思います。
○田村智子君 テクノロジーという点で、私たちも検査はもっとできるはずだということを言い続けてきましたし、換気、CO2の問題というのも求めてきましたので、本当にそういう一体感のある取組を本気でやって感染の波を抑えていくことが求められていくと思います。
そうすると、どうしたって矛盾するのはやっぱり東京五輪なんですよ。それでも開催するというのなら、入国者数をどこまで減らすのか、競技ごとの観客数、パブリックビューイングの規模、一刻も早く示すべきなんですよ。人流に伴う感染拡大がどうなるのか、専門家の計測を責任を持って仰ぐべきではないんですか。いかがですか、丸川大臣。
○国務大臣(丸川珠代君) 今、尾身会長がおっしゃった国民の納得感というのは非常に重要だなということを私も感じております。
田村先生の御意見も真摯に受け止めさせていただきたいと思います。
○田村智子君 答えてないですよ。
だから、一刻も早く規模を示して、これで感染がどうなるか、計測を仰ぐべきじゃないかと聞いているんです。
○国務大臣(丸川珠代君) 済みません、真摯に受け止めるのが不十分でしたら、私、何と答えていいのか難しいんですが。
まず、パブリックビューイングというのは実は何種類かありまして、ライブサイトというのは東京都が実施をします。それ以外に、自治体でやるライブサイト、コミュニティライブサイトというのがありまして、これは締切りが終わっているので、今から自治体に御相談すると大体どういうふうにやっていくのかということは把握ができます。
一方のパブリックビューイングというのは、実はこれから受付をいたしますので、今すぐ直ちに数を把握するというのはちょっと難しい状況でありますので、それはこれから努力をしたいと思います。
この在り方については、組織委員会に慎重に御判断をいただくように私どもからも御相談申し上げたいと思っております。
また、競技ごとの観客数ということでございますが、競技場にどのぐらいまずそもそも座席があるかというのはこれは大まかに分かっているわけでございますが、まさにそれをどれだけ入れていくかという議論をする中で、そもそも国のイベントごとのその入場制限のものというのは、国が決める標準以外に知事の判断というのもありますということ、これはIOCの方にもお伝えをしておりまして、十分地域ごとの状況を踏まえなければいけないし、何より知事が判断をすることにきちんと情報提供すること必要だということを申し上げておりますので、ここはここからの調整の中でしっかり把握をしていきたいと思っております。
また、人流についてはまさに、あっ、ごめんなさい、入国者数は七・九万人から更に削る作業今やっておりまして、精査をしておりますので、お伝えできるタイミングを早くしたいと思っております。
○田村智子君 分科会に諮問すべきですよ。全然これじゃ東京オリンピック開いたらどうなるのかって分からないじゃないですか。余りに無責任ですよ、それは。いまだに人数も分からない、規模がどうなるかも分からない。
分科会に諮問するつもりありますか、規模が出てきたときに。
○国務大臣(丸川珠代君) 済みません、私、先ほど関係者の数七・九万と言ったみたいですが、七・八万の間違いでした。済みません。
それで、まず、組織委員会が、分科会におられるメンバー、それから対策調整会議のメンバーも含まれている助言をいただくための専門家ラウンドテーブルというのをやっておりまして、実際に現場の情報を伝えながら御意見を聞いていただいております。ここでの議論ということをまずしっかり踏まえた上で、私どもとしても必要な場合には専門家の皆さんにお話を伺っていくようにしたいと考えております。
○田村智子君 スポンサー企業は人を集めたいでしょう、そのためのスポンサーですから。それで、数万人規模で外国から東京を訪れる、国内でもボランティアとか日本の関係者がどんどん集まる、宣言解除後の解放感もある、オリンピックのキャンペーンが始まる、それらが何をもたらすかなんですよ。国民が何よりも望んでいるのは、感染の波を起こさないでくれってことなんですよ。それとの矛盾でしょう。このことを本当に分科会に早く諮問してください。
改めて要求して、次の質問に移りますので、丸川大臣、尾身会長、御退席いただいて構いません。
六月二十日まで緊急事態宣言が延長されました。感染の波が繰り返されることに、国民の中にはもう限界という声が起きています。
そうすると、この解除後の対策が今から問われると思います。ワクチン接種が若年層に普及するまでには時間が掛かります。人流の抑制など、どのような対策が解除後求められるか、尾身会長、お願いいたします。
○参考人(尾身茂君) 委員御指摘のように、今、人々の人流の制限、行動変容というのが難しくなっていますよね。実際、東京でもまだ緊急事態宣言発出期間中に今人流が増えているということもございまして、さらに、感染者が少し減ってくるとその情報効果ということでまた人出が増えるというようなことがあって、これから非常にこの感染の防御対策というのが今まで以上に難しくなってきていると思います。
そういう意味では私は、これからは、人々に行動変容をこれからもお願いする必要があると思いますけど、もっと納得感のある対策というものが非常に重要で、これから私は、一つのキーワードとしてはサイエンスとテクノロジー、科学と技術ですね、これを十分フルに活用して感染対策を行うということで人々の協力を納得して得ていただくということが重要で、その一つがワクチンですよね。
それに加えて、今、政府の方も本腰を入れてやってくれることになりましたが、抗原定性キットなんかの活用ということと、それから、実はこれもう私ども、都心部で感染の源というか、感染がどこで起きているかということがなかなか分かりにくい、都会のいわゆる匿名性ということで申し上げ、このことがずっと長年課題になっているのに解決されなかったということが一つあって、これについては、もうそろそろいろんな技術、QRコードなんかのようなIT技術を活用して、感染がどこで起きているかというのを早期に探知するということも必要だと思います。
それから、これは私のまだ私見ですけれども、いろんな技術ができて、下水を調査することによってウイルスの排出というのがその地域ということが、かなりいい技術ができているということになっているので、これも使うということ。それから、飲食店なんかでは二酸化炭素のモニターをしっかりする。
以上申し上げたようなことを含めて、私は、今までもこういう努力はありましたけど、本格的にやるということがなかったので、ここに来て私は、このIT技術、テクノロジーをフルに活用して一般の人に納得してもらう、そういうステージに来て、これをもうそれこそ官民学挙げてやる時期に来ていると私は思います。
○田村智子君 尾身会長、もう一点、今の人流のことについてなんですけれども、今も期間中、宣言期間中だけど増えてきていることに危惧を、懸念を示されたと思うんですけれども、解除後、これらの技術を行っていけば人出は元に戻していいという判断にはならないんじゃないかと思うんですけど、いかがでしょうか。
○参考人(尾身茂君) 今申し上げた技術は必要条件で、それだけやれば十分ということはないので、私は、前から申し上げていますように、一般の人は、やっぱり国や自治体が本当の意味で汗をかいているということを示して、なるほど、それなら我々も努力しても、行動変容ですね、ということですので、これは今言ったITの技術なんかを使うということが必要で、そうしたことをしっかりやるから、一般の人にもこれとこれはこれまで、で、変異株の問題がありますから今まで以上にマスクの活用等々は必要になってくるので、そういった一体感のあるメッセージを出さないと、ただ人々に行動変容してくれということでは私は難しいと思うので、そういう意味で、国、自治体、民間の方はIT技術等々を使った、テクノロジー使ったことをする。
したがって、それだけでは不十分なので、しばらくは、それこそワクチンがみんなに行き渡るまでは、特に高齢者に行くまでの間は、しばらく必要な対策はある意味でこれまで以上のところもあると思うんですけど、そういうことが必要。人流の抑制も、人流の抑制というよりも感染に至るような接触機会を減らすということは重要だと思います。
○田村智子君 テクノロジーという点で、私たちも検査はもっとできるはずだということを言い続けてきましたし、換気、CO2の問題というのも求めてきましたので、本当にそういう一体感のある取組を本気でやって感染の波を抑えていくことが求められていくと思います。
そうすると、どうしたって矛盾するのはやっぱり東京五輪なんですよ。それでも開催するというのなら、入国者数をどこまで減らすのか、競技ごとの観客数、パブリックビューイングの規模、一刻も早く示すべきなんですよ。人流に伴う感染拡大がどうなるのか、専門家の計測を責任を持って仰ぐべきではないんですか。いかがですか、丸川大臣。
○国務大臣(丸川珠代君) 今、尾身会長がおっしゃった国民の納得感というのは非常に重要だなということを私も感じております。
田村先生の御意見も真摯に受け止めさせていただきたいと思います。
○田村智子君 答えてないですよ。
だから、一刻も早く規模を示して、これで感染がどうなるか、計測を仰ぐべきじゃないかと聞いているんです。
○国務大臣(丸川珠代君) 済みません、真摯に受け止めるのが不十分でしたら、私、何と答えていいのか難しいんですが。
まず、パブリックビューイングというのは実は何種類かありまして、ライブサイトというのは東京都が実施をします。それ以外に、自治体でやるライブサイト、コミュニティライブサイトというのがありまして、これは締切りが終わっているので、今から自治体に御相談すると大体どういうふうにやっていくのかということは把握ができます。
一方のパブリックビューイングというのは、実はこれから受付をいたしますので、今すぐ直ちに数を把握するというのはちょっと難しい状況でありますので、それはこれから努力をしたいと思います。
この在り方については、組織委員会に慎重に御判断をいただくように私どもからも御相談申し上げたいと思っております。
また、競技ごとの観客数ということでございますが、競技場にどのぐらいまずそもそも座席があるかというのはこれは大まかに分かっているわけでございますが、まさにそれをどれだけ入れていくかという議論をする中で、そもそも国のイベントごとのその入場制限のものというのは、国が決める標準以外に知事の判断というのもありますということ、これはIOCの方にもお伝えをしておりまして、十分地域ごとの状況を踏まえなければいけないし、何より知事が判断をすることにきちんと情報提供すること必要だということを申し上げておりますので、ここはここからの調整の中でしっかり把握をしていきたいと思っております。
また、人流についてはまさに、あっ、ごめんなさい、入国者数は七・九万人から更に削る作業今やっておりまして、精査をしておりますので、お伝えできるタイミングを早くしたいと思っております。
○田村智子君 分科会に諮問すべきですよ。全然これじゃ東京オリンピック開いたらどうなるのかって分からないじゃないですか。余りに無責任ですよ、それは。いまだに人数も分からない、規模がどうなるかも分からない。
分科会に諮問するつもりありますか、規模が出てきたときに。
○国務大臣(丸川珠代君) 済みません、私、先ほど関係者の数七・九万と言ったみたいですが、七・八万の間違いでした。済みません。
それで、まず、組織委員会が、分科会におられるメンバー、それから対策調整会議のメンバーも含まれている助言をいただくための専門家ラウンドテーブルというのをやっておりまして、実際に現場の情報を伝えながら御意見を聞いていただいております。ここでの議論ということをまずしっかり踏まえた上で、私どもとしても必要な場合には専門家の皆さんにお話を伺っていくようにしたいと考えております。
○田村智子君 スポンサー企業は人を集めたいでしょう、そのためのスポンサーですから。それで、数万人規模で外国から東京を訪れる、国内でもボランティアとか日本の関係者がどんどん集まる、宣言解除後の解放感もある、オリンピックのキャンペーンが始まる、それらが何をもたらすかなんですよ。国民が何よりも望んでいるのは、感染の波を起こさないでくれってことなんですよ。それとの矛盾でしょう。このことを本当に分科会に早く諮問してください。
改めて要求して、次の質問に移りますので、丸川大臣、尾身会長、御退席いただいて構いません。
| 低所得層に支援要る/児童手当めぐり参考人陳述第204回国会 参議院 内閣委員会質問 (2021年6月3日)