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衆参両院の議院運営委員会は9日、緊急事態宣言の延長などにあたって政府から報告を受け、質疑しました。日本共産党から塩川鉄也衆院議員、田村智子参院議員が質問。菅義偉首相は今回も出席しませんでした。
塩川氏は、菅首相は「コロナ対策に専念する」と自民党総裁選への不出馬を表明したのに、「なぜ今日の質疑には出てこないのか」と批判。菅首相が今月下旬に訪米するという報道があると指摘し、「バイデン大統領に説明する時ではない。国民、国会に説明すべき時だ」とただすと、西村康稔経済再生担当相は、「特措法の責任者は私だ」と述べるだけでした。
塩川氏は、医療のひっ迫は深刻であり、菅首相による「あかりは見え始めている」発言や、麻生太郎副総理による「まがりなりにも収束」発言は、国民への誤ったメッセージになると強調。「菅総理が自らの言葉で説明し、必要な対策を行うために、9月にただちに臨時国会を開け。コロナ対策に全力をあげよ」と主張しました。
田村氏は、6月の党首討論から3カ月国会審議に出てこない菅首相の姿勢を批判。自民党総裁選の候補者が持続化給付金、家賃支援給付金の再支給を公約に掲げたことについても、「これらは昨年から野党が求め続けてきた。ただちに政府方針として具体化すべきだ」と迫りました。
田村氏は、子どもの感染急増で、保育園や学校が休園、休校する新たな局面が生まれていることをあげ、「『保護者を休ませることが感染症対策になる』と、政府が全面的な協力を経済界、業界に求めるべきだ」と強調。さらに、濃厚接触者になり、自宅待機を求められた場合なども所得保障が受けられるよう「助成金が個人申請で、個人に確実に届くようにすべきだ」と迫りました。
2021年9月10日(金)しんぶん赤旗
【第204回国会 参議院 議院運営委員会 閉会後第7号 令和3年9月9日】
○田村智子君 日本共産党の田村智子です。
菅首相は、先週三日、コロナ対策に集中するため総裁選には出ないというふうに言われました。ところが、またも国会審議に出てこない。衆議院でも議論あったのでお聞きしたいんですけどね、今どこで、どんなコロナ対策を菅首相はやられているんですか。
○国務大臣(西村康稔君) 連日のように私からも、また関係大臣からも、感染の状況あるいは病床の状況など、あるいはワクチン接種の状況など御報告をし、説明をしているところであります。こうした今の状況については、総理も理解をされ、危機感を共有しているところでございます。
○田村智子君 いや、今ここにも出てこないでどこにいるのかって聞いているんですけど、お答えできないんですか。できないようですね。
緊急事態宣言の発令、延長、解除など、菅総理になってから議運委員会での審議は今日で二十二回目です。そのうち、菅首相が出席したのは僅か二回です。国会での対総理質疑、これは六月九日の短時間の党首討論が最後でした。それから三か月ですよ。その間に何が起きましたか。デルタ株の蔓延、感染爆発、医療崩壊、入院規制、肺炎でも自宅にとどめて治療を受けられないまま亡くなる方が相次ぐ。これほどの危機のときに、政府対策本部長が、国会っていうのは国民が直接選んだ議員なんですよ、だから、国会で説明するっていうのは直接国民に説明するってことですよ。これだけの危機の三か月間に一度も説明しない、批判も聞かない、提案も受け付けない。最悪の強権政治ですよ。
総裁選の前に臨時国会やるつもりもないと自民党の方々言われる。その自民党総裁選に真っ先に名のりを上げた岸田さんは、持続化給付金、家賃支援給付金、その支給を総裁選の公約に掲げた。こんなの野党が去年からずうっと言っていることじゃないですか。直ちに政府がどうするのか検討して具体化して提案する、議論する、それこそが求められているんじゃないですか、大臣。
○国務大臣(西村康稔君) この議運委員会では、今も御説明もありましたけれども、私が特措法の責任者として、緊急事態宣言などの延長あるいは区域のことにつきましては、その担当する責任者としてできる限り丁寧に御説明申し上げ、御理解いただけるように対応してきているところでありますし、本日もできる限り丁寧に御説明をしているところでございます。
また、これまでも閉会中に厚労委員会も開かれておりまして、田村大臣からも、医療の状況など、質疑の中で丁寧に説明がなされてきているものというふうに理解をしております。
そして、御指摘の持続化給付金などについてでありますけれども、これまで月次支援金で月二十万円、最大の支援、これ九月まで、一月から支援金と合わせると最大で百八十万円の支援となりますので、これを是非御活用いただければと思いますし、地方創生臨時交付金、先般三千億円配分をいたしました、合計ですね。そして、三十八の都道府県でこの月次支援金、月額二十万円の金額に対しての上乗せあるいは要件の緩和なども行われておりますので、こうしたものも含めて活用いただいて、何とか厳しい状況を乗り越えていただければと思いますし、いずれにしましても、まだ予備費も二・六兆円ありますので、必要な対策、この緊急事態の延長も目配りを、影響も目配りしながら、必要な対策は機動的に講じていきたいというふうに考えております。
○田村智子君 現行の支援金では足りないから、自民党内で持続化給付金って話になっているんでしょう。そんなの九月丸々掛けて党内で議論している場合じゃないんですよ。直ちに実行していかないでどうするかということですよね。
東京商工リサーチの調査では、飲食・宿泊業だけでなくて、アパレルや生活品の小売業、四割近くが廃業を検討する可能性ありと、こう答えていますよ。現行制度は余りに細切れで、余りに足りなくて、だって、七月、八月分のだって九月十三日から協力金は申請開始ですよ、東京都。もう本当に事業者このままどうなっちゃうかって事態なんです。
それから、全国知事会、事業や医療など自治体独自の支援のためには地方創生臨時交付金がもう足りないと、二・二兆円規模で要求しています。ところが、八月末に政府が示したのは三千億円だけなんですよ。もう本当にこの足りないところを国会で議論して直ちに実施をしてほしい。党内の事情を優先させないでほしい。真面目に考えてくださいよ、国民のことを。改めて要求します。
それで、子供の問題についてもお聞きしたいんです。
学校、保育園などで子供の感染が広がるという新たな局面になっています。臨時休校、学級閉鎖、休園、保育園の休園ですね、こういう措置は感染抑制のために必要です。
問題は、保護者が仕事を休めるか。これまでも、休めないと、これ非正規の雇用のところは本当に深刻な声が上がっています。申請すると、休みたいというふうに申請すると嫌がらせに遭うという声も後を絶たないわけですね。まして、子供が感染した場合だけじゃないんですよ。濃厚接触とか学級閉鎖とかですからね。だから、本人、子供さんは感染していない、だけど親も休まなきゃいけないという、これがどんどん広がっていく事態なんですね。
そうすると、これは新たな局面なんだと。社会全体に対して、保護者が休めるということが感染抑制に決定的なんだと強調することが必要だと思います。休んだときの所得保障も必要です。
是非、学校や保育所を通じて全家庭に、小学校休業等対応助成金、このお知らせ配布する、全家庭に、休めますよと、所得保障もありますよと知らせる。そして、保護者を休ませることが感染症対策なんですよと、全面的に協力をと政府が経済界、業界に強力に求めるべきだと思います。いかがですか。
○国務大臣(西村康稔君) 新学期が始まって、子供たちへの感染、これを最大限警戒しなきゃいけないという点につきましては全く御指摘のとおりで、専門家からも私どもそうした提言を受け、文科省を中心に対応してきているところであります。学校での先生方への検査なども含めて充実をさせているところであります。
他方、御指摘のように休まなければならない保護者が出てくるわけでありまして、そうした方々への小学校休業等対応助成金・支援金、これを行うと、制度を新たにまた実施をするということで厚労大臣から表明されているところでありますが、具体的内容を現在、詳細を詰めているところというふうに聞いております。
いずれにしても、御指摘のように、保護者の方々がこうしたものを活用して安心して休める、こうした仕組みを一刻も早くつくることが大事だと思いますし、こうした周知の徹底を図っていきたいというふうに考えております。
○田村智子君 あわせて、これが、個人が申請して個人にちゃんと給付金が届くというふうにならないと駄目なんです。
さっき濃厚接触者の方も休業支援金使えるというふうに言ったんですけれども、答弁ありましたけれども、これ、現場から起きている声は、休業支援金も、それからこの助成金も、申請すると、まず労働局が会社の側に確認をするでしょう。それやると、会社の側が何でそれ申請したんだと言うわけですよ。それは、労働局は、まず有休が取れませんかとか、休業手当を会社として払えないですかとか、テレワークができないんですかと、こういうことをまず言いますから。そうすると、会社の側は、そういう対応をしていないということについて労働局から指導されたというふうにも受け止める。だから、労働者に対して何でこんな申請出したんだと。これが幾つも幾つも起こっているんですよ、ずっとこの間、一年にわたって。
だから、もうテレワークもできないし、休業手当も有休も無理だから個人が申請しているんです。その個人の申請にちゃんともう給付すると、こういう制度にしてほしい、求めて終わります。
ありがとうございました。