国会会議録

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パラリンピック 医師・看護師270人 1日最大/ 大会中止 田村氏迫る/参院内閣委
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(写真)質問する田村智子議員=19日、参院内閣委

 丸川珠代五輪・パラリンピック担当相は19日の参院内閣委員会で、東京パラリンピックの医療体制について、競技数が最も多い日で医師120人、看護師150人を想定していると明らかにしました。日本共産党の田村智子議員への答弁。田村氏は、新型コロナウイルスの感染爆発のもと医師・看護師の確保が困難を極めるなかで、「これだけいたら、どれだけの命が救えるか」と述べ、パラリンピック中止を迫りました。

 丸川担当相は、「地域医療に支障を生じさせず確保できるよう準備を進める」と強弁。田村氏は、「東京都は医療非常事態を宣言し、すでに救える命が救えなくなっている。全国どこでも医療体制を構える必要がある。このもとでパラリンピックを開催するのか」と批判し、「政府対策本部や関係閣僚会議でどういう検討をしたのか」とただしました。

 西村康稔経済再生担当相は正面から答えませんでした。

 田村氏は、子どもを動員する学校連携観戦についても、自治体や学校、保護者の判断に委ねるという政府、東京都、大会組織委員会、国際パラリンピック委員会の決定を「あまりに無責任だ」と指摘。「政府対策本部が中止を呼びかけるべきだ」と迫りました。

 丸川担当相は、「自治体から強い要望もあった。保護者の意向も踏まえ自治体や学校設置者が希望する場合は実施できるよう、主催者において判断された」と責任転嫁に終始。三谷英弘文科政務官も、「4者協議の決定を尊重したい」と追随しました。

 田村氏は「保護者に責任を押し付けている。今やるべきは、夏休み後の子どもの感染防止対策だ」と批判し、重ねて中止を求めました。



 2021年8月20日(金)しんぶん赤旗
 

【第204回国会 参議院 内閣委員会 閉会後第3号 令和3年8月19日】

○田村智子君 日本共産党の田村智子です。
 七月十五日の内閣委員会で、私は、デルタ株蔓延の危険性を指摘しました。二十九日には、このまま新規感染者急増を続ければ、酸素吸入が必要な中等症の患者が入院できない事態になると指摘をいたしました。そして、五輪を中止し、政府が強い危機感を示してコロナ対策に集中するようにと繰り返し求めましたが、こうした警鐘乱打が無視をされて、制御不能とまで言われるような感染拡大となってしまったことが本当に悔しいです。怒りを抑えられません。
 この一か月、政府も東京都も人出を抑えるよりも五輪を優先したと言わざるを得ません。ブルーインパルスの展示飛行、菅首相の連日の金メダルおめでとうツイート、バッハ会長の銀座観光も、不要不急の判断は個人の判断だと批判さえしない。これらのことが象徴していますよ。
 今、厚生労働省のアドバイザリーボードに提出された数理モデルも超えているんですよね。普通、最悪を想定して試算するのに、その予想を上回る感染爆発。大阪大学の忽那医師は、モデルを超えることは余り見たことがありませんが、普通じゃなかったということでしょうと述べられているんです。
 改めてお聞きします。
 東京都は医療非常事態を宣言しています。既に救える命が救えなくなっています。この下でパラリンピックを開催するのでしょうか。パラリンピックのためにどれだけの医師、看護師を配置することになるんですか。
○国務大臣(丸川珠代君) 安全、安心な東京大会の実現に向けて、地域医療に支障を生じさせずに必要な医療体制を確保することを念頭に置きつつ、これまで関係者と丁寧に調整を進めてきたところです。
 委員御指摘のパラリンピックに従事する医療スタッフの必要数については、コロナ対応に従事していないスポーツドクターや潜在看護師を中心に、競技数がピークとなる八月二十八日では、医師は百二十人程度、看護師は百五十人程度を想定しておりますが、現下の感染状況を考慮しつつ、現在、組織委員会において最終的な検討がなされていると承知をしております。
 政府としては、パラリンピックにおいても必要な医療体制を地域医療に支障を生じさせずに確保できるように、引き続き関係者と連携を図りながら準備を進めてまいります。
○田村智子君 ピークの一日だけで医師百二十人、看護師百五十人、これだけいたらどれだけの命が救えるかということですよね。
 選手とコーチだけで一万人が海外から来ます。IPCや競技団体役員など関係者一万二千人、国内ではボランティアだけで二万四千人超えます。これらの方は、ふだん会わない人と会い、先ほど西村大臣言いました、それやめてくれって、多くの人と接触するでしょう。人との接触五割減、県境を越える移動をしないでと発信しながら、パラリンピックは別だ、気を付ければできるという、これが統一性のないメッセージそのものなんですよ。
 病床確保も宿泊療養施設も増やしたくとも、医師、看護師の確保が困難を極めている。今の感染状況では、全国どこでも医療体制を構える必要があるんですよ。首都圏以外から集めるわけにもいかないんですよ。
 西村大臣、私、五輪のときにも政府対策本部で中止の検討してくれと二十九日の委員会にも求めました。そのときと比べても感染状況桁違いだとさっきも大臣自身が言われた。じゃ、パラリンピックできるのか、対策本部や関係閣僚会議で検討をすべきなんじゃないんですか。どういう検討をしているんですか。いかがでしょう。
○国務大臣(西村康稔君) これまでの会議の中でも、これはオリンピック、パラリンピック共通でありますが、その期間の都心を中心とした人流を下げるということで、首都高における期間中の千円値上げを引き続き継続するというふうなこと。
 それから、私も繰り返し発信をさせていただいておりますけれども、今御指摘があったように、自宅で、テレビで、家族かあるいは親しい仲間と、ふだんいる仲間と少人数で感動を分かち合っていただきたいと。その感動のままで外で何か、じゃ、みんなで打ち上げやろうみたいなことは是非控えていただくようにお願いをしているところであります。
 いずれにしましても、そうしたことも含め、これまで様々議論をし、そして最終的には、今、丸川大臣からありましたように、IPCに権限があり、そして四者協議の中で様々な対策も決められていると、決定されているというふうに承知をしております。
○田村智子君 本当に統一したメッセージじゃないんですよ。これで人出を五割減ってどうしてできるのかということになっちゃいますよね。
 五輪で警備やった方が東京から地元に戻って、警察官の方、地元で感染広がっている、こういう事例だって報告されているんですよ。まさに県境を移動して、こういうことが感染広げるということを示しちゃっていますよね。
 しかも、無観客なのに学校連携観戦は別だという。自治体や学校の判断だ、参加させるかは保護者の判断だと、余りにも無責任ですよね。
 オリンピックのときに、学校連携観戦が中止になる前、都内の保護者からは、子供を参加させれば感染リスクを考えない親だと思われてしまうんじゃないか、参加させないということにしたら、友達は行くのになぜ自分は行かれないの、子供に聞かれてどう答えたらいいのか、こういう声いっぱい寄せられました。
 多様性、共生社会への理解、パラアスリートから学ぶことがたくさんある、そのとおりですよ。でも、それは様々な教育実践で可能です。パラリンピックのときだけでなく求められています。今問われているのは、感染拡大を抑えるためにどうするのか、この一点です。
 十代以下の子供が感染し、発症する、子供から家庭内感染が広がる、在宅死の悲しいニュースが相次ぐ。これまでにない事態に直面しているさなかに、せめて、人との接触五割減がどうしても必要だからやっぱり学校連携観戦はやめてほしいと、私は、政府対策本部はこれぐらいのこと呼びかけなきゃ駄目だと思いますよ。いかがでしょうか。
○国務大臣(丸川珠代君) 学校連携観戦のことでございますので私からも答弁させていただきますが、全ての競技について無観客というのは、まさに緊急事態宣言下における政府のイベント規制よりもより厳しい措置をとるということの中でございます。加えて、この学校連携観戦については、競技が行われる地元自治体から大変強い御要望もございました。
 いろいろな意見があるということは承知をしてございますが、保護者の意向も踏まえて、自治体や学校設置者が希望をする場合には、安全対策をしっかり講じた上で実施できるようにということを主催者において判断をされたものでございます。
 学校連携の実施に当たっては、児童生徒の感染防止対策として、会場内でのフィジカルディスタンスの確保、会場への往復時の安全対策や円滑なアクセス手段の確保などに加え、熱中症対策に係る必要な措置についても、組織委員会が関係自治体としっかり連携をしながら万全の対策を講じていただくということで、今熱心な調整を行っていただいているところでございます。
○田村智子君 それが、気を付ければ集まってもいい、出かけていいということになっちゃうということですよね。
 昨日、東京都教育委員会、このこと検討しています。出席した四人の教育委員全員が感染リスクと熱中症のリスクから反対したんですよ。ところが、教育長が、現場から強い要求がある、これで実施の準備に入ることを宣言した。
 文科省にお聞きしたい。
 我が党、吉良議員が六月八日の質問で文科大臣に尋ねたら、大臣は五輪について、観客を入れないという大会になれば子供たちも行くことはできないというのは当然のことと答弁されました。また、都教委の会議では委員全員が反対なんですよ。それでも、教育長の判断で中止の判断にならない。
 私、これ異常な事態だと思いますが、いかがですか。
○大臣政務官(三谷英弘君) お答えいたします。
 今、丸川大臣も答弁していただいたとおり、この八月十六日の協議におきまして、保護者等の意向を踏まえて自治体や学校設置者が希望する場合には、安全対策を講じた上でこの学校連携観戦については実施できるようにするというふうに示されたところでございます。
 そして、今御質問いただきました文部科学省の見解でございますけれども、本年六月八日の参議院文教科学委員会におきまして、文部科学大臣より、仮に無観客で開催するということになったら児童生徒のみ連れていくことは考えられない旨を答弁させていただいたところではございますけれども、その後、東京オリンピック競技大会開催中にも、学校連携観戦の判断への主体である一部の自治体から、緊急事態宣言下でも子供たちに競技を見せたいという声が上がったり、また、一都三県の知事においても、パラリンピックの学校連携観戦の実現に向けて強い要望があったと承知をしております。
 こうした学校連携観戦の参加の判断主体である自治体の声を受けまして、四者協議におきましては、共生社会の実現に向けた教育的要素が大きいとの形でパラリンピックにおける学校連携観戦の教育的意義が明示され、また、児童生徒の都や県の境を越えた観戦は実施されず、また、教員等による行動管理というものが厳格になされていること、さらには、実施の判断が自治体や学校設置者に委ねられている、こういった点を踏まえまして、無観客の中でも保護者等の意向を踏まえながら自治体や学校設置者が判断できることとすることにより学校連携観戦を実施可能なものとすることが決定されたと承知をしております。
 以上の点を踏まえまして、文部科学省としても、徹底した感染症対策を講じていただくことを前提として、児童生徒の観戦機会を提供する今回の四者協議の決定について尊重したいというふうに考えております。
 今委員の方から御質問いただきました東京都教育委員会の姿勢についてでございますけれども、もちろんこの状況というのは承知をしております。この先ほど申し上げた四者共同ステートメントにおきまして、自治体ですとか学校設置者が希望する場合には安全対策を講じた上で実施できるようにするというふうにされておりますけれども、自治体や学校設置者で判断することになりますけれども、引き続き状況を注視してまいりたいと考えております。
 以上です。
○田村智子君 これ、保護者に最終責任を押し付けると。もう責任放棄ですよ、子供の感染どう抑えるかということへの。それに、教育委員会や学校が今やるべきは、夏休み後どうするかということでしょう。これだけ十代の中で、十代以下で感染が広がっている。夏休みの後、どうするかですよ。コロナの下で子供たちが様々な苦労、苦難を抱えている、その一人一人にどうやって対処するか、そういうことこそ今検討しなくちゃいけないんですよ。本当に責任放棄ですよ、文科省も。
 これ、オリンピック、パラリンピックも、それからこの学校観戦も、私は、感染症のリスク、その一点だけで本当に中止の判断してほしい、このことを重ねて要求しておきます。


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