日本共産党の田村智子政策委員長は1日、NHK「日曜討論」に出席し、臨時国会の焦点をめぐり与野党の政策責任者と討論しました。田村氏は日本学術会議のあり方をめぐり、菅義偉首相や自民党議員が学術会議への誤解偏見をまき散らす発言を行っていることを批判し、「撤回・謝罪すべきだ」と主張しました。(詳報)
田村氏は、菅首相が学術会議候補6人を任命拒否した問題で菅首相が答弁すればするほど「支離滅裂」になっていると指摘。首相による任命は「形式的」だとしてきた条文解釈が国会で示されているもとでの任命拒否は「違法行為」だと述べ、予算委員会でも厳しく追及すると表明しました。
そのうえで学術会議のあり方について菅首相が現在の会員が自分の後任を指名できる仕組みとなっているなどと事実に反した発言をし、中国の科学者招請事業に参加しているなど学術会議をおとしめる発言が自民党議員から次々と行われていることを示して、「すべては6人の任命拒否から始まっている。反省して謝罪していただきたい」と語りました。
新型コロナ感染拡大問題で田村氏は、検査体制の拡充と医療機関への減収補てんを求め、特に陽性者保護と接触者追跡のために保健所の恒常的な人員増が必要だと述べました。また、雇い止めと廃業、倒産の連鎖で大不況を起こさないために、12月末が期限となっている雇用調整助成金の特例措置や持続化給付金の延長を求めました。
菅首相が打ち出した2050年までに温室効果ガスをゼロにするという目標について田村氏は「世界から大きく出遅れた」と指摘。最初の10年間で4割以上削減など思い切った目標を掲げるとともに、石炭火力発電所の増設中止・廃止を宣言すべきだと語りました。
また、自民党の後藤茂之政調会長代理が原子力発電も選択肢だとして再稼働を進めていくと述べたのに対し、田村氏は「原発にまだしがみつくのか」と批判。原発・石炭ではなく、再生可能エネルギーをベースロード電源に位置付け、思い切って増やすことを主張しました。
しんぶん赤旗 2020年11月2日