日本共産党の田村智子政策委員長は7日、NHK「日曜討論」に出席し、8日から審議入りする第2次補正予算案(一般会計総額約32兆円)について、医療機関などへの財政支援が不十分な一方で使い道が明確でない10兆円もの予備費を積み上げていることなどを批判し、第2波第3波に備えるためにも医療機関の減収補填(ほてん)が急務だと主張しました。(詳報)
田村氏は、第2次補正予算案に国民や野党の要求が盛り込まれている点を評価すると同時に、家賃支援や中小企業への持続化給付金など「必要な支援を迅速に届けるという点で課題が大きい」と指摘。「とりわけ医療機関の赤字補填などすでに予算が足りないことが分かっているところにさえ予算を積んでいない。このままでは医療機関が給料やボーナスを支払えない、カットしなくてはいけないということが起こり得るのに、予備費で10兆円を積んでおくことは本当に大きな問題だ」と批判しました。
さらに、新型コロナウイルス感染拡大の第2波第3波の備えが求められているにもかかわらず、医療関係者が「このままでは経済的な医療崩壊が起きてしまう」と声をあげている現状を強調。第2次補正予算案で新型コロナ感染者を受け入れた病院には一定の財政支援を行うとしているものの、それ以外の医療機関も手術の延期や健康診断の中止などで激しい減収となっていると述べました。
そして、コロナ患者受け入れ病院とその他の救急対応をする病院との機能分化や、地域の診療所の医師もPCR検査センターの当番に出るなど地域全体で医療連携をしなければならないことを挙げ、「赤字補填を今すぐやらなければ第2波第3波の備えにならない」と主張しました。
田村氏は、世論調査で新型コロナに対する安倍政権の対応を「評価しない」が約6割に上っていると述べ、「その根っこには、自粛・休業要請と一体に補償を行うべきだという国民の圧倒的な声を政府が否定してしまったことがある」と指摘。政府が求める「新しい生活様式」も新しい自粛要請であり、「それに対してしっかり支援していくことを求めたい」と力を込めました。
2020年6月8日(月)しんぶん赤旗より