国会会議録

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広報費に巨額の予算 田村智子氏、補正予算案ただす


(写真)田村智子議員

 日本共産党の田村智子議員は16日の参院内閣委員会で、政府が提出を予定している新型コロナウイルス感染症対策のための補正予算案に組み込まれている広報費について内閣府と内閣官房に巨額の予算が組まれていることをただしました。

 広報活動に関わる費用は、厚生労働省に35億円が計上されている一方で、内閣府と内閣官房には104億6000万円もの予算が計上されています。

 厚労省予算の3倍もの予算について、田中愛智朗政府広報室長は「大規模な広報の実施に必要だ」と正当化。田村氏は、内閣府政府広報室全体の当初予算は約85億円なのになぜ補正で100億円を超えるのかと指摘し、「メディアを監視・批判するような広報を内閣府がやっていることが問題になった。そのために計上しているのならとんでもない」と追及しました。

2020年4月23日(木)しんぶん赤旗より

【2020年4月16日 参議院内閣委員会議事録】

○田村智子君 では次に、補正予算に組まれている広報関係の予算についてお聞きします。
 資料の一ページ目、広報活動に関わる補正予算、これ、幾つもの府省にまたがっているものを取り出しました。雇用や社会保障全般の施策について厚労省が三十五億円を積んでいます。これは、窓口を置くとともに広報を充実させるという予算になっているんですね。これ、私、当然だと思います。一方で、内閣府と内閣官房、合わせて百四億六千万円という巨額の予算が組まれているんですけれども、窓口設置を含む厚労省予算の三倍もの予算がなぜ必要なんですか。

○政府参考人(田中愛智朗君) お答えいたします。
 まだ補正予算案提出前で、予断を持って申し上げられないところではございますけれども、新型コロナウイルス感染症につきましては、国内外で感染が拡大しているというところで、その重大性に鑑みまして、政府広報室におきましては、多数の事項に、失礼、政府広報室におきましては、感染症対策や経済対策に基づく各府省の政策につきまして、多数の事項に関して大規模な広報の実施が必要になり得るというふうに考えているところでございます。
 具体的には、テレビCMなどの多様な媒体を用いて国民に広く広報するということでございますが、そうした場合には多額の費用が掛かることもございますので、そういった場合にも対応できるように計上しているというところでございます。

○田村智子君 これね、当初予算の広報費は約八十五億円なんですよ。印刷も発送も深夜タクシー代も、テレビ番組作成、放送、テレビスポット、広告制作、掲載、通信機器の保守管理、職員の海外出張、全部含めて八十五億ですよ。何で補正で百億超えるのか。この間、この委員会でも、いろんなメディアをチェックして、それで批判するような広報を内閣府やっているということ問題になりましたけどね、私、そんなようなことに使うことも含めて積んでいるんだったらとんでもないと思います。
 それから、第二フェーズも含めて見てみますとね、これはゴー・ツー・キャンペーンの広報活動、巨額に積まれているんですよ、観光需要を促そう。でもね、宮下副大臣、感染症対策とこれ、両立し得ないと思います。一旦感染拡大が止まったとしても、国民がどれだけ免疫持っているか分からない。そのときに、観光に行こう、旅行に行こう、海外にも広報活動やって呼び寄せよう、こんなことが今年度できるという、そういう立場に立っておられるんでしょうか、政府は。

○副大臣(宮下一郎君) 御指摘でございますけれども、今回の補正予算ですね、もちろん一番大事なのはこのコロナの感染を抑え込むこと、そして、その間、事業の継続であるとか雇用の維持を図ること、ここに全力投球した予算になっておりますし、重点は一番そこに置かれているというふうに理解しております。
 その上で、委員御指摘の終息後の経済のV字回復に向けた施策、これも盛り込まれておりまして、御指摘のように、実行そのものは終息後に行うべきものではありますけれども、特に観光とか運輸とか飲食、イベント等、今回最も甚大な影響を受けている分野であります。こういった分野で需要をしっかり喚起をしていく、そのための広報だとか、インバウンド復活に向けた訪日外国人の受入れ整備環境の準備、プロモーション等、こういったことも終息後の段階で一気に実行できるように今からその準備をしていただくということで、感染症流行の終息状況を見極めつつということはもちろん前提でありますけれども、こうした準備のためにも予算をしっかり確保して、足下からそうした準備を進めていただくということは重要だと考えております。
 これらにつきましては、三月に集中ヒアリングを実施いたしましたけれども、こうした業種の多くの皆様からもしっかりこうしたV字回復時に向けた支援を盛り込んでほしいと、こういった御意見をいただいたところでありまして、こうしたこと、こうした皆様に期待を持っていただけることにもつながる予算にしようと、そういうことでこういう予算が組まれているということであります。

○田村智子君 時間が来ましたので、終わります。


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