国会会議録

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学童へマスク費補助 担当相 追加受け付け表明 伊藤・田村氏指摘


(写真)質問する伊藤岳議員=18日、参院総務委

 内閣府の衛藤晟一少子化担当相は18日の参院内閣委員会で、新型コロナウイルス感染症対策として政府が打ち出した放課後児童クラブ(学童保育)などに対するマスク、アルコール消毒液などの購入費用補助にかかわる国への申請について、17日を締め切りとせず、追加申請を受け付けると表明しました。同府の藤原朋子審議官は、追加申請に関する連絡を「18日に発出する」と明言しました。

 日本共産党の伊藤岳、田村智子両議員がそれぞれ、参院総務、内閣両委員会で質問に立ちました。両氏は、費用補助に関する国への申請が、10日に「連絡」が出され、13日午後5時がメールでの申請書提出締め切り、17日が文書による申請締め切りになっていたことを指摘。「さいたま市では56クラブ中16クラブしか申請が間に合わなかった」(伊藤氏)、「メールに気づかなかったり、まったく知らされていなかったりと、とても申請が適切にできた状況ではない」(田村氏)と現場の実態を紹介しました。

 


(写真)質問する田村智子議員=18日、参院内閣委

 「むちゃくちゃなスケジュールのもとで、申請していないから補助金を出せないというのではだめだ」と迫った田村氏に、衛藤氏は「追加申請を受け付けることを決めた」と明言。伊藤氏が「『一律休校要請』の受け皿となっている放課後児童クラブにつらい思いをさせないでほしい」と求めたのに対し、藤原氏は「本日(18日)、事務連絡を発出して、追加の申請を受け付けていく旨を周知する」と述べました。

 伊藤、田村両氏は短期間の申請締め切りとなった背景に、今年度予算の予備費の範囲内での対策だという問題があることを指摘。抜本的な対策をとり、来年度以降も公費での支援を求めました。

2020年3月19日(木)しんぶん赤旗より

 

【2020年3月18日 参議院内閣委員会議事録】

○田村智子君 日本共産党の田村智子です。
 新型コロナウイルスへの緊急対応策第二弾で、保育所、学童クラブ、障害者施設、高齢者施設などに、感染拡大防止に必要なマスク、アルコール消毒液などの購入、これ費用補助を行うということが決まりました。
 内閣府が学童保育に関わる要綱を改正したのが三月十日、国への補助申請の締切りは、まずメールでの回答が十三日締切り、正式な文書によるものは十七日が締切り、そして本日十八日より都道府県に交付決定通知が行われるというスケジュールだとお聞きしています。
 ある自治体は、この改正された要綱と補助申請についての通知を受け取ったのが十一日、学童保育クラブに申請してくださいという自治体からのメールが送信されたのが十二日十四時頃、同じ日の十七時までに自治体に回答しなければ補助金を出すのは難しいと言われて慌てて対応したということを聞いております。また、別の学童クラブは気が付かずに締切りに間に合わなかった、また、別の自治体の学童クラブでは全くいまだに知らされていなかったという、こういうとても申請が適切にはできたと言えない状態で締め切られているんですね。
 大臣、これむちゃくちゃなスケジュールで、これ申請していないから補助金出せないというのは駄目だと思うんですね。これからの申請も認めるべきだと思いますが、いかがですか。

○国務大臣(衛藤晟一君) むちゃくちゃといいましても、やっぱりこういう緊急時ですから、是非、しかもこの学童保育に関しては大変な力を入れてやっているところでございまして、そういう中で、このことにつきましては、私どもは保護者負担を求めないということと、それから国庫負担を十分の十とすることでございますので、引き続き、十七日が全体の締切りではなくて、今後とも改めて追加申請を受け付けてまいるということを決定いたしておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

○田村智子君 当然のことだと思うんです。
 それで、現場混乱していますので、そのことを本当に知らせてほしいんですけれども、ただ、今回の補助は、マスク、アルコール消毒液などを年度内に購入したら対象となるということなんですけれども、これはお店にないので購入できないですよねということを私も事務所の方から内閣府の方に問合せをいたしましたら、年度内の発注でもいいという回答なんですよ。ただ、これも、店の方もいつ入荷するか分からない状態で果たして発注を受け付けてもらえるのかと、受け付けていないのが実情なんですね。
 また、これ、今、休校要請によって学童クラブというのは本当に人の手配に大変な御苦労をされながら朝から夕方までやっているわけで、購入しようと思ったらお店に長時間並ばなきゃいけないわけですよ。
 それで、厚生労働省は、保育所等への補助事業について、市町村がまとめて購入をして保育所等に配布することを前提としてこの補助制度を使おうとしているようなんですね。これ、学童クラブも同じようなやり方を検討すべきではないですか。

○政府参考人(嶋田裕光君) お答えいたします。
 新型コロナウイルスの感染拡大防止を図る事業といたしまして、市町村が子供用マスクや消毒液等を一括購入して放課後児童クラブ等の事業所に配布するための費用や、事業所において体温計や空気清浄機等を購入する費用を補助することとしております。
 当該事業によるマスクの配布につきましてでございますけれども、市町村の一括購入を前提としていることは三月十日付けの事務連絡、交付要綱等においてもお示しをさせていただいているところでございます。

○田村智子君 分かりました。
 そうしたら、自治体の方がとにかく、今お聞きしましたら、通知が山のように届いていて、これを読み解いて理解して正しく学童クラブに通知することに恐らくいろんな支障が生じているんだと思いますね。これちょっと全体、各省庁にわたってこういう通知の山という状態をどうするのかというのは今後解決求められていくと思いますけれども、私の方からも、これ一括購入で配布ができるんだから、自治体落ち着いてやりなさいよと、締切りもまだ締め切っていないよと、受け付けるよということも徹底したいと思います。
 ただ、やっぱり、そもそもが今年度の予算の予備費の範囲でこの対応策やっていると、これがいろんな無理を生じさせている理由になっていると私は思うんですね。本来は、私たち野党は、来年度の予算の修正や組替え、これを行うべきだというふうに求めてきているんですが、そのことにお応えいただけないまま、もう年度末に向かっているわけなんですよ。
 ただ、当然、この年度が替わっても感染予防というのは引き続き必要になってくるというふうに思います。是非、自治体が取りまとめて購入して、保育所も学童も行き渡るようにということを徹底していただきたいというふうに思いますし、これ遡って、自治体の方がもう先にやっていたというようなところがありましたら、これは三月十日以前の購入についても国からのお金出しますよということも行っていただきたいと思いますが、いかがでしょう。

○政府参考人(嶋田裕光君) 遡りの件でございますけれども、今回の財政措置につきましては、小学校の休業要請を受けて対応した放課後児童クラブがまず補助対象となるよう、小学校の休業が始まった三月二日に遡及して適用することとしておりますけれども、マスク等の購入費用等の補助につきましては、国内で最初の感染者の確認が公表されました一月十六日に遡及して適用することとしております。

○田村智子君 じゃ、その点も含めて、私どもの方も通知していきたいと思います。
 また、休校要請によって、実は、子供は家にいるべきだという誤ったメッセージが強烈に今、国民的に普及してしまっているんですね。そうすると、学童クラブまで自粛という自治体が現にあるんだというふうにお聞きをしているんです。そうすると、どうなるかというと、三月分の利用料を保護者に返還すると。こうなると事業所の減収は非常に深刻な問題で、これは答弁求めませんが、是非、ここへの対応ということも検討いただきたいというふうに思います。
 


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