日本共産党の田村智子副委員長は4日の参院予算委員会で、悪質マルチ企業「48(よつば)ホールディングス」の淡路明人社長(当時)が「桜を見る会」に参加していた問題を追及しました。
同社は、うその説明で仮想通貨「クローバーコイン」を販売し2017年、業務停止命令を受けました。淡路氏は16年の「桜を見る会」に参加。安倍首相は同氏の参加について国会で「(自身も妻の昭恵氏も)存じ上げない」と答弁していましたが、昭恵氏が運営会社の取締役を務める複合施設「UZU(ウズ)ハウス」に淡路氏が出資していたことが「赤旗」日曜版のスクープで明らかになりました。
田村氏は、淡路氏と安倍首相が写った写真を示し、山口県の関門海峡花火大会にあわせ「UZUハウス」出資者を特別に招待した「昭恵さんと花火を見る会」で撮影したものだと追及。安倍首相は「UZUハウスに移動した」と認めながら、不特定多数の人が参加できる「オープンなスペースだった」とごまかしました。
田村氏は「UZUハウスの代表者が外から人が紛れこむことはないと『赤旗』の取材に答えている。ごまかしだ」と反論。資金提供の“見返り”にUZUハウスに招待し記念撮影した結果、花火大会以降、同社の売り上げは7・5倍に拡大したと指摘し「首相との写真が利用されマルチ商法の被害が拡大した」と首相の道義的責任を追及しました。
安倍首相は「私自身は知人ではない」などと言い逃れました。
田村氏は、「赤旗」の取材で資金提供者のうち少なくとも34人の「桜を見る会」参加が判明したと指摘し、どういう人たちを招待したのか調べるべきだと述べ昭恵氏の参考人招致を要求しました。
2020年3月5日(木)しんぶん赤旗より
【2020年3月4日 予算委員会議事録】
○田村智子君 倉林議員の新型コロナ対策の質問に続きまして、私は、安倍総理の政治姿勢を問います。
総理が国民の疑問に真面目に答えていないという批判の声が強まっていると私は思いますが、総理にその自覚や反省はありますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 国民の皆様の声に耳を傾け、様々な御意見に真摯に向き合っていきたいと、このように考えております。
○田村智子君 衆議院の予算委員会で、悪質なマルチ商法をしていた48ホールディングスの役員が桜を見る会に招待されていたのではないかと議論になりました。この会社への行政処分について説明してください。
○政府参考人(小林渉君) お答えいたします。
48ホールディングスに対する行政処分でございますけれども、消費者庁は、平成二十九年十月二十七日、クローバーコインと称する電子的な情報の提供と管理の役務を提供する連鎖販売取引業者である48ホールディングスが、氏名等不明示、不実告知、概要書面不交付の違反行為を行っていたと認定し、特定商取引法に基づき、三か月の取引停止命令を行ったものでございます。
○田村智子君 これ、十倍に値上がりするなどのうその説明で仮想通貨クローバーコインを販売し、現在、損害賠償請求の訴訟は数十件に上っているんですね。(資料提示)
これは、その被害者の男性が、二〇一六年、48ホールディングス本社で壁に飾ってある写真を撮影したものなんです。赤旗日曜版の取材に、この写真を見て、これはすごい、期待が持てると確信したというんですね。
これ、桜をバックにして安倍総理夫妻との記念撮影。左端が淡路社長なんですけれども、当時の淡路社長なんですけど、総理、これ桜を見る会の写真じゃないですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私も妻も御指摘の人物は存じておりません。個人的な関係は一切ないことから分かりかねるわけでございまして、このしんぶん赤旗によれば、当該人物自身も、総理夫妻と一緒に写真を撮影したことがあるだけの関係にすぎず、会話らしい会話をしたこともなければ、知り合いですらないと、旨回答していると、このように承知をしております。
○田村智子君 桜を見る会全部見るという動画が、テレビ東京がネットで公開しているんですね。二〇一六年のものを私も全部見ました。総理夫妻の服装、参加者の胸のリボン、写真と同じです。
この動画では、総理が一般参加者の方と交流するときには黒山の人だかりで、こんな写真は撮れません。ということは、開門時間前にバスで入場した後援会の皆さんとの桜を見る会での記念撮影ではないんですか、これ。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この写真からどのような場面であったかということについては私も一概に申し上げることは困難でございますし、また、その人物がどのような形でそこにおられるのかということも、私はその人物自身を存じ上げませんので、ここでコメントすることは難しいということでございます。
○田村智子君 これ、安倍昭恵さんのフェイスブックで、二〇一六年、桜を見る会の写真を見ると、共通して写っている人もいるんですよ、同じ服装で。
総理、これ、桜を見る会の写真ですよね。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 写っている人が、ちょっと、それ、皆さん、顔が分からないものでございますから、私も一概に、ここで直ちにどうかということは申し上げられないわけでございます。
○田村智子君 それでは、加工を外した写真、お渡しすることできます。
これ、委員長、私、お渡ししたいので、委員会として、これが桜を見る会の写真なのかどうか、これ総理に確認していただくよう要請したいと思います。
○委員長(金子原二郎君) 後刻理事会で協議をさせていただきます。
○田村智子君 総理と淡路氏の写真はこれだけじゃないんですね。これ、衆議院でも問題にされたもので、これ、淡路氏ともう一人も48ホールディングスの役員なんですね。総理を挟んで並んでいます。
ある会社経営者は、知人からクローバーコインの購入の勧誘を受けたけれども、怪しい会社だと断った、すると、この写真がスマホに送られてきたと赤旗の取材に答えているんですよ。
これ、どういう写真ですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) どういう写真かと言われても、私も様々な機会に様々な方々と写真を撮るのでございますので、これがどういう写真かということについて、私、今ここで申し上げることは困難でございます。
○田村智子君 実は、同じ写真を示したときに、総理、これは、下関と九州の側から見る関門花火大会、そのときの写真じゃないかということを答弁されていまして、で、そのときの答弁、これ、二月十七日、衆議院予算委員会で答弁をこういうふうにしておられるわけなんですよ。ぞろぞろとその場所に歩いて移動していくと、で、かなりオープンなスペースであった、こういう答弁されていますよね、あの写真見て。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) どの場面かということについて、そのときのことは、言わば質問の中でこれはそうではないかというお話がございましたので、私から、それは関門の花火大会で、地元の人も含めて大勢の方々と写真を撮ったわけでございます。そういう方々がまた車で別の場所に移動され、歩いて移動されて、私の場合は車で移動したところでございますが、そして、その後撮ったかもしれないという話はしたわけでございますが、それを確定的にはお答えをさせていただくのは困難でございますが、確かにオープンなスペースではあったということは記憶をしているところでございます。
○田村智子君 そうしたら、もう一枚。
これ、安倍昭恵さんのフェイスブックで、その二〇一六年の関門花火大会について投稿がされているんですよね。これ、UZUハウスで撮られた写真だというふうに安倍昭恵さんは投稿されているんですけれども、違いますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私もよく覚えてはいないのでございますが、この右の写真、これはまさに関門花火大会の写真であろうと、こう思うわけでございますが、この関門花火大会に、関門花火大会自体に私が短時間参りまして、その後、車で移動したところでございますが、私と家内で参りまして、そしてそこから大勢の方々がこの場所に移動してこられて、たくさんの方々いる中において写真を撮ったということではないかと。
ですから、そういう記憶から先般そういう答弁をさせていただいたということではないかと思います。
○田村智子君 確認しますが、そうすると、その場所まで移動したと言っているんですね、その場所まで移動した、車を使って移動したとも先ほど言われた。
では、UZUハウスに移動されたんですよね。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私はそちらに、UZUハウスに移動をしたと、私と妻はですね。そしてまた、その際そこにおられた方々も、移動した方々もたくさんおられたと、こういうことではないかと思います。
○田村智子君 このUZUハウスというのは宿泊施設で、昭恵さんは運営会社の取締役なんですよ。
ここに、昨晩はクラウドファンディングで御支援いただいた皆さんとUZUハウスで花火を見ましたと。それであの集合写真なんですよ。ちょっとぼかしてありますけど、集合写真なんです。真ん中に安倍昭恵さんと安倍総理が写っておられるわけなんですよ。そういう場面の写真なんじゃないんでしょうか、これは、さっきの写真というのは。違いますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これ見て分かるように、これ物すごくたくさんおられますよね。その横の方におられる方は、この方々はそれぞれたくさん撮った、写真をまた個別にもたくさん撮っておりますから、私も多くの方々と撮っておりますから、一々それは覚えてはいないということでございます。
○田村智子君 いっぱいいると言うんですけど、ゲストって首から下げていますよね。何のゲストなんでしょう。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) それは私は分かりません。
○田村智子君 もう一度、昭恵さんの、何て書いてあるか。御支援いただいた皆さんとって書いてあるんですよ。これ、何の支援なんでしょうね。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) それは私に聞かれても分からないのでございますが、赤旗にも五、六十人そこにいたというふうに、五、六十人ということでございますから、五、六十人全員というか、ここにいた人は私ほとんどの方々存じ上げないわけでございますが、写真を撮ってくださいと言われれば写真を撮ると、こういうことではないかと思います。
○田村智子君 UZUハウスは、クラウドファンディングで資金の一部を集めて開設されました。その募集サイトには資金提供への見返りメニューがありまして、その一つ、限定十名、昭恵さんも参加するUZUハウスメンバーと海峡花火大会を屋上で観賞できます、十万円、完売と書かれているんですね。
つまりは、資金提供者への特典として、言わば昭恵さんと花火を見る会が行われ、淡路氏はここに招待された。問題の写真はそのときに撮影されたものではないんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) それは断定的に申し上げることはできませんが、クラウドファンディングでありますから、誰でもその趣旨に言わば賛同する、あるいは参加しようとすれば、それは参加できるわけなんだろうと、このように思います。
○田村智子君 いや、UZUハウスの代表の方は、運営会社の代表の方は、支援いただいた人やスタッフのほかに、スタッフの友人が参加した可能性はあるが、外から人が紛れ込んだということはないと、必ずゲストかスタッフというカードが配られたということなんですよね。
だから、オープンなスペースなんですか、これが。誰もが行かれたような場所なんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) オープンなスペースと言ったのは、これは私の地元でやっておりますから、私も途中まで、途中までは歩いていたんですね。で、そこで、これは共産党ではそれはないのかもしれませんが、我々、普通、地元で何か、たとえある程度限られたところであっても、たくさんの人たちがそこに来られたら、当然それは受け入れるということでございますので、オープンな場所ということで申し上げたわけでございます。
その間、私も歩いているときに、どこへ行くんですかと言われたので、ここに行きますよと言ったら、行ってもいいですかと言われれば、それは行ってもいいということになるわけでございますし、これはですね、これは……(発言する者あり)いや、それは、私の地元においては、それは私のSPといえども、私の後援会等々に行く場合には、その後援会の人たちがたくさんの方々を連れてこられた場合は、当然、中には入れるということでございます。
○田村智子君 UZUハウスの屋上がオープンなスペースなんて言い方だったら、空に向かってオープンなだけじゃないですか。外からなんか入ってこられないですよ。入ってこられない。代表者が、外から人が紛れ込んだということはないって答えているんですよ。全然ごまかしじゃないですか。
実は、淡路氏の代理人弁護士は赤旗の取材に、淡路氏がUZUハウスに資金提供したことを認めています。で、こうやって資金提供の見返りにUZUハウスに招待されて、安倍総理との記念撮影までできたと。これが何をもたらしたか。
民間調査会社などによると、二〇一六年から、九月、行政処分までの十か月間で48ホールディングスの売上げは百九十二億円を超えました。前年九月からの一年間は二十五億六千万円。花火大会後、売上げは七・五倍なんですよ。
総理との写真が被害を拡大した、間違いないんじゃないですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 何度も申し上げておりますが、私自身は彼と言わば知人であるということでは全くないわけでございますし、先ほども申し上げましたが、まさにしんぶん赤旗の取材に対しても、当該人物は、総理夫妻と一緒に写真を撮影したことがあるだけの関係にすぎず、会話らしい会話をしたこともなければ、知り合いですらないと、旨回答したと承知をしております。
また、クラウドファンディングというのは、誰もがそれはネット等を通じても参加できるものではないかと、このように承知をしております。
○田村智子君 これ、クラウドファンディングの呼びかけは昭恵さん自身が動画を使って行っているんですね。三千万、大変厳しい金額ですけれども、どうか皆様の御支援で達成できますようによろしくお願いいたします。結果、三千万じゃない、四千四百四十万円超える資金が実際に集まりました。淡路氏はUZUハウスに招待をされました。そこにわざわざ安倍総理は出かけていって記念撮影までやってあげました。
○委員長(金子原二郎君) 時間、時間が来ています。
○田村智子君 それだけじゃない。資金提供者のうち、少なくとも三十四人が桜を見る会に参加をしていたことを赤旗は確認をしています。
これ、是非、安倍昭恵さんに来ていただいて、一体どういう桜を見る会への招待、推薦があったのか調べていただきたい。要求いたします。
○委員長(金子原二郎君) 後刻理事会で協議をさせていただきます。