(写真)ジェンダー問題について話す(左から)田村、戒能、浅倉各氏=22日、東京都渋谷区
男女格差や性暴力、あらゆるハラスメントの被害をなくし、誰もが自分らしく生きられる社会を―。ジェンダー平等の実現を考えるシンポジウムが22日、東京都内で開かれ、市民ら約120人が参加しました。「政治革新めざすオール早稲田の会」が主催。日本共産党の田村智子副委員長がパネリストとして参加しました。
労働分野における男女平等の問題などに詳しい早稲田大学の浅倉むつ子名誉教授は、日本の男女賃金格差について「非正規労働者の7割は女性。給与所得者の平均給与は287万円と男性の54%にすぎない」と遅れていることを指摘。ジェンダー平等を国際基準にするには「日本が女性差別撤廃条約の実効性を高める選択議定書に批准することが必要だ」とのべました。
女性に対する暴力問題に詳しいお茶の水女子大学の戒能(かいのう)民江名誉教授は、「児童虐待の背景にはDV(家庭内暴力)がある。裁判や報道に関わる人たちがDVの支配など構造的な視点を持っているかどうかで社会の受け止め方も大きく違ってくる」と千葉県野田市の女児虐待死事件の判決に触れ、DVや貧困、孤立など複合的な困難を抱える女性たちを支援する法制度制定の必要性を訴えました。
田村氏は、日本のジェンダーギャップを下げている要因の一つに政治分野を挙げ、「ジェンダー平等社会はたくさんの人たちの力を生かす社会。男性や女性、LGBT(性的少数者)を含めてみんなが生きやすい社会になれば、経済も含めてもっと成長する社会になる」と話しました。
2020年2月23日(日)しんぶん赤旗より
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