国会会議録

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マルチ商法大手 「桜」宣伝に利用 田村智子議員「誰がなぜ招待」

 

 日本共産党の田村智子議員は25日の参院行政監視委員会で、マルチ商法大手の「ジャパンライフ」(東京都千代田区、山口隆祥会長)が、2015年に安倍晋三首相主催の「桜を見る会」に招待されたことを宣伝に利用していたとして、「誰が、なぜ山口会長を招待したのか」と追及しました。

 

(写真)田村議員が質疑で示したジャパンライフの説明会資料

 ジャパンライフは、高齢者を標的にマルチ商法を展開し、4回にわたって行政処分を受け、18年に破産。19年に警視庁など6都県警が特定商取引法違反容疑で捜査に乗り出しています。

 田村氏は、共産党の大門実紀史参院議員事務所に寄せられた内部告発を基に、同社が出資者や顧客獲得のための説明会で、招待状や受付票の画像を添付し、「山口会長に『桜を見る会』のご招待状が届きました」とうたった資料を使っていたと指摘。「14年にはすでに消費者庁から行政指導を受けていた同社の会長が、15年の桜を見る会に招待され、招待状が同社の『信用』を示す資料として利用されていた」と強調し、「誰が、なぜ招待したのか」と迫りました。

 岡田直樹官房副長官は、「個人に関する情報だ」と答弁を拒否。調査も拒みました。

 田村氏は、安倍首相や自民党による「桜を見る会」への推薦者は、政府の決裁行為なしに事実上、チェックなしに招待されていたと強調。「この野放図な招待により、複数回にわたる行政処分を無視して被害を拡大してきた極めて悪質な会社の会長までが招待されている」と厳しく指摘し、徹底調査を重ねて求めました。

2019年11月26日(火)しんぶん赤旗より

 

【11月25日 参議院行政監視委員会議事録より】

○田村智子君 日本共産党の田村智子です。
 桜を見る会について質問いたしますが、大変残念なことに菅官房長官の記者会見の時間と丸かぶりになりまして、質問の順番を変えるのも難しかったということで、今日は官房副長官にお越しいただいて質問いたします。
 これまでの内閣委員会での質問、また野党追及チームへの説明で、総理などからの推薦名簿は、内閣官房、内閣府とも決裁行為をしていない、つまりはノーチェックだったということがもはや明らかになっていると私は思います。この野方図な正体が何をもたらしているのか。
 今日は資料として一枚配付いたしました。これは、我が党の大門実紀史参議院議員に内部告発の文書として送られてきていたものなんです。東京都千代田区のジャパンライフ株式会社山口会長宛てに、平成二十七年、二〇一五年、桜を見る会招待状が送られていた。ジャパンライフは出資者や顧客獲得のためにこの招待状や封筒の画像を説明会資料に使っていたんだということを示す文書なんですね。
 これ、昨年の予算委員会、衆議院の方でも大西健介議員が取り上げて質問もされています。大門議員も繰り返しこのジャパンライフは国会で取り上げているんですよ。高齢者を対象に磁気ネックレスなどのマルチ商法を繰り返してきた極めて悪質な会社です。二〇一四年には既に消費者庁から行政処分も出されていました。
 その代表取締役会長が二〇一五年の桜を見る会に招待をされ、その招待状がジャパンライフへの信用を示す資料として業務に利用をされていた、これ大変重大な問題だと思います。
 誰がなぜ招待をしたのか調査をすべきだと思いますが、副長官、いかがですか。

○内閣官房副長官(岡田直樹君) お答え申し上げます。
 桜を見る会につきましては、各省庁からの意見等を踏まえて、各界において功績、功労のあった方々などを幅広く招待しており、招待者については内閣官房及び内閣府において最終的に取りまとめているものと認識をしております。
 個々の招待者について、これは、招待されたかどうかも含めて個人に関する情報でございますので、従来から回答を差し控えさせていただいているものと認識をしております。
 一方で、この桜を見る会については、招待者の選定基準が曖昧である等の御指摘をいただいておりますところであります。今後、招待基準の明確化や招待プロセスの透明化を検討をし、予算や招待人数も含めて全般的な見直しを幅広く御意見を伺いながら行ってまいりたいと存じます。

○田村智子君 これ、大変信憑性のある資料をジャパンライフは使っているんですよ。これ私、調査すべきだと思うんですね。
 この資料でお配りしたものの右側を見てください。平成二十七年桜を見る会受付票、左の下に六〇―二三五七と番号が振ってあります。これは、招待者一人一人への言わばナンバリングとして、まあこの資料でなくてもいいですよ、この受付票というものには恐らくナンバリングしてあるんだと思うんですね。
 このナンバリングって、一人一人に対するものなんではないんですか。内閣府。

○政府参考人(大塚幸寛君) 受付票には確かにナンバーを振ってあるというふうに承知をしております。

○田村智子君 これを見て、それからまた二十二日金曜日の日に、桜を見る会招待者名簿、予算委員会の理事懇談会に提出をされまして、私も見ました。この名簿には受付票番号を示す欄があるんです。内閣府はその番号を消していますけれども、防衛省とか国交省とか、私、その前日に名簿を受け取っていましたので見てみたら、これ幾つもの省庁が番号をそのままにしていたので見てみますと、この最初の二桁の番号というのは属性を示しているんですね。各省共通しているんですよ。公務員は二十なんです。で、審議会の会長さん、議長さんとかが四十。功績者と言われる方々は五十番台。これ全部統一されているんですね。
 二点確認します。
 一つ目は、名簿にある受付票番号というのは、名簿の受付票番号、開示もされている受付票番号、これは招待者に送付される受付票に記された番号で間違いありませんか。
 もう一つ、じゃ、六十という招待区分はどういう区分に当たるんでしょうか。

○政府参考人(大塚幸寛君) 申し訳ございません、今の二点の御質問は、ちょっと事前に通告をいただいたと認識してございません。ちょっと細かな事実に関することでございますので、今、直ちにちょっとお答えできるだけの情報を持ち合わせてございません。申し訳ございません。

○田村智子君 いや、もうこれ符合していきますんでね。それじゃ後で、私の質問の指摘したことが、これから指摘することが本当かどうか是非御確認いただきたいんですけれども。
 内閣府は、この桜を見る会の招待状について、封筒に案内状その他の書類を入れる作業、これ民間の業者に発注をしています。実は私は、八日の予算委員会の質問準備の過程で、じゃ、どういう契約で発注しているのかということを確かめるため、契約書等の文書を一式いただきました。二〇一五年から今年のものまでいただきました。二〇一五年の仕様書、これは業者に対する作業指示書、これを見ますと、この封筒入れの作業というのは実に厳密に細かく決められているんですね。
 これ、例えば招待者の方が公用車を使うことが想定される方であれば、やっぱり車の通行証を入れなきゃいけない。運転者の方への注意事項の文書も必要になってくる。また、車が一か所に集中しないように、この方はこちらの門から、この方はこちらの門からという別々の案内書を入れているということが分かるんですよ、仕様書を見ますとね。これを間違いなくやるためには、まず、この方が、この招待者がどういう属性であるかということを二桁の番号でずっと区分しているんです。ずっと区分しているんです。そこに公務員の方が二十というのが分かるような資料が全部あるんですね。
 これね、また、それだけじゃないんですね。この仕様書、つまり、こういう作業をしてくださいというのを見ますと、封をするときにもシールを貼るか貼らないかの違いがあるんだと。各党代表、叙勲者、文化勲章者、総理・長官等推薦者、与党推薦者に限り、封筒の蓋に添付してあるシールで封をすることということも指示がされているんです。
 この招待区分の表がもうできています。二〇一五年のものには載っています。これを見ますと、両院議長、各党代表、国会議員、これ十なんですね。最高裁などの長官や行政、議会の幹部、知事などが二十。与党推薦者は六十四、六十五。これ、自民党と公明党に分かれているのかなというふうに思いますけれども。総理・長官等推薦者が六十から六十三というナンバリングが振り分けられています。この順番で考えれば、私は六十というのは総理が推薦している方の招待区分ではないのかというふうに思います。
 こういう仕様書を出しているから、内閣府、確かにここまで細かい通告はしませんでしたが、これよく御存じのことだと思います。いかがですか、六十というのは総理の招待区分を示す数字ではありませんか。

○政府参考人(大塚幸寛君) 繰り返しで恐縮でございます。今お尋ねのものも含めまして、個別に答えられるだけのものを持ち合わせてございません。お答えを差し控えさせていただきたいと思います。

○田村智子君 これも、後で私、質問の後に公開もしますけれども、二〇一五年の仕様書には見事にそう書かれているんです。六十から六十三が総理・長官等推薦者となっているんですね。
 これ、本当に調べてほしいんです。だって、ジャパンライフのマルチ商法の被害者は本当に多くが高齢者ですよ。二〇一四年から四回にわたって行政処分を受けている。一部業務停止命令まで受けている。ところが、それを無視して業務をやって被害を拡大してきたような極めて悪質な会社なんですよ。この会社宛てに、その代表取締役宛てに招待状が送られているんですよ。
 区分は六十で間違いないでしょう。調べていただきたい。副長官、お約束ください。

○内閣官房副長官(岡田直樹君) ただいまのお尋ね、かなり専門的な、細目にわたるものと思いますし、なかなか私は今その区分番号等について承知をいたしておらないわけでございますので、恐縮でございますけれども、やはり個々の招待者については、招待されたかどうかも含めて、これは個人に関する情報であることに鑑みて、従来から回答を差し控えさせていただいておるところでございます。

○田村智子君 これね、全くふさわしくない人が招待されたということなんですよ。それさえ調べないなんということはあり得ない。
 ちょっと時間がないので、もう一点指摘したい。
 この二〇一五年の仕様書の招待区分には、実は前年実績が記載されています。これを見ますと、二〇一四年の実績、与党二千九百人、総理、長官等は三千四百人とあります。二〇一四年、三千四百人。
 菅官房長官は、総理からの推薦は約千人、副総理、官房長官、官房副長官で約千人、つまり、総理、長官等で約二千人と答弁をしていますが、二〇一四年の時点で三千四百人なんですよ。これより減ったということは私はあり得ないというふうに思うんですね。
 安倍晋三後援会が桜を見る会とセットで毎年行っている前夜祭、懇親会。友田県議、山口県の友田県議のブログでは、二〇一四年、この懇親会には約四百人なんですよ、前日の夕食会、四百人。でも、今年は安倍総理自身が八百人規模だと認められたんですよ。前夜祭で倍なんですね、前夜祭で倍。なのに、桜を見る会で二〇一四年よりも総理の枠の招待者、総理や長官等々の招待者の枠が減る。私、これ、おおよそ考えられないことで、総理千というのは過少な数字ではないかと思うんですが、いかがですか。

○政府参考人(大西証史君) お答え申し上げます。
 推薦者なり招待者なりの名簿につきましては、それぞれ、内閣官房内閣総務官室からの推薦者名簿及び内閣府からの招待者名簿につきましては、それぞれ一年未満の保存期限ということで廃棄を差し上げております。そういった名簿のない中で、国会からの、先生方からの御要請に基づきまして、長官が事務方に聞き取りをいただきましてまとめさせていただいた概数でございますけれども、それを先般、官房長官、説明をさせていただいております。
 その中では、招待人数の概数は、各省庁推薦、各界功労者、各国大使館、国会議員、勲章受章者など約六千人程度、上記以外の者、このうち自民党関係者約六千人程度、国際貢献、芸術文化等の特別招待者、報道関係者、公明党関係者、元国会議員の先生方約千人程度、総理大臣約千人程度、副総理、官房長官、官房副長官約千人程度という御報告を基本的に事務方に対する聞き取りを基に差し上げたところでございます。

○田村智子君 それ、もう根拠ないんですよ。総理千、根拠ないですよ。
 あのね、もう分かったんですよ。皆さんは、封筒に入れる作業は極めて厳密で、招待区分もしているというのはこれもう事実です、内閣府の資料に書かれています。そうすると、じゃ、そのシールを何枚用意したんだと。そこからですよ、名簿で明らかになっている功績、功労の中で叙勲者の方とか各党の代表とか、これ引いていけば数字も分かるでしょう。皆さんがその封に入れる作業の中で、招待六十、招待区分六十を一体各年何人ずつやってきたのか、調べれば分かると思うんですね。
 これ、是非お調べいただきたい。お調べいただきたいと思いますが、いかがですか。

○政府参考人(大塚幸寛君) それぞれ文書ごとに保存期限の問題もございます。今時点でちょっとその、どこまでどう調べることが可能か、ちょっとお答えをきちんと申し上げることができません。お答えを差し控えさせていただきます。

○田村智子君 名簿はなくても調べるすべが分かってきたんですよ。分かってきたんです。どういう作業をしたのかということで分かってきたんです。
 これ是非お調べいただきたいし、是非この委員会に報告を求めたいと思いますので、お取扱いをお願いします。

○委員長(川田龍平君) ただいまの件につきましては、後刻理事会において協議いたします。

○田村智子君 これ、与党は二〇一四年に二千九百人なんですよ。これ、自民党だけじゃないんですよ、与党で二千九百人。それが今年自民党だけで約六千になりますか。私、総理がその中に自分の分を入れ込んでいるんじゃないのかということまで考えてしまうんですよ。
 例えば、自民党の中の文書として報道もされている今年の桜を見る会は、参議院の改選組は四組。これ、招待状四枚という意味でしょう、一枚で御夫妻で招待できるので、四枚。それで、非改選の方は二枚。これで考えていったって、総理などを除いた自民党の国会議員衆参合わせて三百九十二人でしょう。単純計算すると一人十五枚は配れることになるんですよ、六千だと。全然数字が合わないんですよね。
 これね、官房長官が発表した総理約千、これすらもうそであったという可能性が極めて高い問題です。どこまでうそを重ねるのかと、どこまで総理の政治の私物化や、あるいはもう選挙の買収の疑いですから、それをごまかそうというのか。こんなことは許されません。
 ジャパンライフの問題も含めて徹底的に調べていただきたい、このことを重ねて要求して、質問を終わります。


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