日本共産党の田村智子議員は20日の参院内閣委員会で、医薬品や医療機器、再生医療の実用化に向けた研究開発を国策で進める健康医療戦略推進法案について、地域医療や医療研究に悪影響を与えると批判しました。
田村氏は、推進法案を先取りした医療産業都市づくりを行っている神戸市が「高度専門病院群の集積」と称し、中央市民病院や子ども病院などを市中心部から離れた場所に移転して利便性を低下させ、病床数を削減して救急医療機能まで低下させていることを指摘。「推進法案によって、同じように地域医療が犠牲になりかねない」と述べました。
菅義偉官房長官は「地域の医療提供体制に特段影響するものではない」と答弁しました。
田村氏は、医療産業都市では進出企業の撤退が相次ぐなど経済効果も上がっていないとして、自治体の財政負担も増加すると批判しました。
田村氏はまた、推進法案が大学、研究開発法人に期限を切って成果を出すことを求めていることを批判。「つねに成果をあげなければ次のポストがなくなるという体制を改めなければ、研究開発能力はむしろ弱くなっていく」と述べました。
菅官房長官は「適材適所で安心して働ける体制をつくることが大事だ」と答えました。