国会会議録

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保育労働 過酷な現場 参院委で田村智子議員 配置基準見直せ

(写真)質問する田村智子議員=27日、参院内閣委

 日本共産党の田村智子議員は27日の参院内閣委員会で、来年10月からの保育無償化に向け課題となっている保育士不足の解消について、過酷な保育労働の実態を突き付けて職員配置基準の改善を主張しました。

 田村氏は、保育士の賃金が、他の労働者と比べてかなり低いことを示し(表)、「今の施策では全く足りない。抜本的な処遇改善に踏み出さなければ保育士不足の問題は解決できない」と迫りました。

 国は、保育士配置基準を定め(例・0歳児3人に保育士1人以上)、これを踏まえて、子ども1人当たりの保育費用=「公定価格」を算出し、行政から保育園に給付される費用も決まります。ただ国の配置基準通りの施設運営では実際の現場は保育士が足りず、時間外労働などが恒常化しています。

 

田村氏は、名城大学の蓑輪明子准教授らが今年発表した調査(1万人超の労働者が回答)では「仕事と家庭の両立は困難」と考えている人が8割を超え、「今の職場で働き続けたい」と答えた人が5割を切っていることを紹介。一方で、仕事のやりがいを感じている人は95%もいることをあげて「やるべきことは明らかだ」と強調し、実態に合わせた職員配置基準と公定価格の見直しを求めました。

 内閣府の子ども・子育て本部・小野田壮統括官は「より実態が把握できるような経営実態調査を今後検討しているところ」と述べるにとどまりました。

 

2018年11月28日(水)しんぶん赤旗より

 

【11月27日参議院内閣委員会 議事録】

○田村智子君 日本共産党の田村智子です。
 私も、省庁での障害者雇用の問題について聞きたいことはたくさんあるんですけれども、前回の委員会で積み残した非正規雇用の問題に絞ってお聞きをいたします。
 来年二月、障害者選考試験を省庁は行うということになりましたけれども、障害の状況によっては勤務時間や勤務日数を短くすることも必要となりますから、本人の意向を確認の上、期間業務職員として採用する場合もあるというふうにお聞きをしています。
 現在も、国の行政機関で働く障害者の方のうち、三分の一が非常勤で働いておられます。期間業務職員というのは、一年ごとに任用を更新し、三年目には必ず一旦雇い止めにしてその方の職を公募にかけるという仕組みです。これで障害者の雇用促進になるのかどうか、見直しが必要だと思いますが、いかがでしょうか。人事院。

○政府参考人(鈴木英司君) お答え申し上げます。
 人事院といたしましても、障害のある方の雇用に当たり、障害特性に応じて雇用の安定確保を図ることが重要であると認識しております。
 三年公募で雇い止めとの御指摘でございますけれども、先生今おっしゃいましたが、既に二回、公募によらず採用されたことがある期間業務職員につきましても、公募及び能力実証を経た結果、引き続き採用されることは制度上可能となっております。
 あわせまして、公務部門における障害者雇用に関する基本方針に掲げられております非常勤職員についての雇用の安定確保等に関する運用方針やステップアップ制度につきまして、非常勤職員制度の趣旨を踏まえつつ、内閣人事局と連携協力して速やかに検討を進めてまいりたいと考えてございます。

○田村智子君 公募に応募すれば引き続き働けるということなんですけれども、私も、友人で精神障害の方がある自治体で勤務をしておりました。ところが、非常勤で規則上更新はもうできないと言われて、これで病状悪化してしまう、働けなくなるような事態が生じることもあり得るわけですよね。
 この期間業務職員の三年雇い止めの問題というのは、これまで私、この委員会で何度か取り上げてまいりましたが、やはり障害者の方さえ三年で一旦切ると、これが規則なんだというのは使い捨てだという批判を免れないというふうに思うわけです。
 一方で、御説明のあったとおり、今働いている非常勤の障害者の方を新たな試験を行わず選考によって常勤化するステップアップ雇用を実施するというふうにしているわけですから、これはやる気になれば、期間業務職員の三年雇い止めの問題、これは解決することできるはずなんですよ。是非、真剣に制度の在り方を考えていただきたいと思います。
 もう一点、お聞きします。この選考による障害者枠での常勤採用、これは新たな定員として措置をするというふうに説明を受けています。それでは、この障害者の方の枠も総定員法で削減が義務付けられる定員の枠ということになるんでしょうか。

○政府参考人(長屋聡君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のように、常勤で採用するに当たって定員措置が必要となる場合には適切に措置してまいりたいと思っているところでございます。
 その上で、国家公務員の定員管理でございますけれども、閣議決定しております、国の行政機関の機構・定員管理に関する方針に基づきまして、毎年二%、五年で一〇%以上の合理化を行う、その一方で、その合理化減を活用して内閣の重要政策に対応した戦略的な定員配置を実現することとしているところでございます。
 定員合理化の具体的な取組につきましては、一義的には各府省がそれぞれ判断するということになるわけでございますけれども、今回の定員措置というのは、この度策定されました基本方針の趣旨に沿って、また、障害者の方々の雇用の安定を図る、また障害者の方々に安定的な雇用環境を提供するということを目的として定員措置を行うものでございますので、当然その趣旨は踏まえられるものと考えているところでございます。

○田村智子君 これ、総定員法による定員削減というのは障害者の雇用促進とも本当に矛盾するんですよ。
 今のお話をお聞きしますと、障害者の方は切らないよというふうに、削減の対象の枠から外すということもあり得るかのように聞こえもするんですけれども、それじゃほかの方の削減が進む、業務の合理化だと。これ、障害者の方も含めて結局は労働強化になっちゃうんですよ、人が減るということになっていけば。大変な矛盾になってしまうわけですから、やはりこの総定員法、あるいはその非正規雇用の在り方、抜本的な見直しを、今度の問題も受けて踏み出すことを強く求めておきたいというふうに思います。
 次に、私も幼児教育の無償化についてお聞きします。
 来年十月からの三から五歳児での幼児教育の無償化、これ行いますと、私は、経済的な理由でこれまでおじいちゃん、おばあちゃんに見てもらったという方などが保育園や幼稚園を利用するということ、これあり得ると思うんですよ。第二子以降の無料化を二〇一六年から実施をした明石市では、保育所の入所希望者が急増して、予算を三倍化してもなお待機児童が全国最多となってしまったわけです。
 三歳児の待機児童は既に都市部では問題となっております。全国的に明石市と同様の事態が起こりかねません。無償化に伴う新たな需要増を見込んだ施設整備の目標、保育士不足の対策となる処遇改善、これ何ら示されていません。先ほども御答弁あったんですけど、保育需要増大をどう見込んで、どういう施策を講じようとしているのか、もう一度お願いいたします。厚労省。

○政府参考人(本多則惠君) お答えいたします。
 今回の幼児教育の無償化は、生涯にわたる人格形成の基礎を培う幼児教育、保育の役割の重要性と、また、子育てや教育に係る費用負担の軽減を図るといった少子化対策の観点から実施をするものでございます。
 保育ニーズとの関係につきましてですが、まず、基本的に、既に三歳から五歳児につきましてはほとんどのお子さんが認可施設を利用できているということ、また、ゼロ歳から二歳児につきましては住民税非課税世帯に限定していること、以上のことから、無償化をしてもニーズへの影響というのは限定的ではないかと考えております。
 待機児童対策については最重要課題の一つでございますので、待機児童の解消を図るとともに、女性の就業率八割に対応できるような受皿の確保を二〇二〇年度末までに取り組んでいく所存でございます。

○田村智子君 今、施設整備の目標というのは国は持たなくなっちゃったんですね。地方の目標の積み上げだけなんですよ。その地方の目標というのは無償化が示される前に立てられているんですね。大丈夫論で本当に大丈夫なのかという、本当、危惧を感じます。
 保育の質についても懸念があります。骨太の方針では、認可外保育施設への入所をした場合でも保育料の全国平均相当額を支援する、実質の無償化に対応するということになるわけですけれども、認可外保育施設指導監督基準を満たしていない施設であっても、五年間、支援の対象にするというんですね。
 保育所での事故報告、死亡事故は圧倒的に認可外保育施設で起こっています。直前の立入りで違反を指摘されて是正指導を受けた、それでも改善しなかった、そういう施設での死亡事故が起きているケースも多いです。子供さんを亡くされた保護者の方から、私、何人もお話聞いてまいりました。そんな施設だと分かっていたら預けなかった、皆さん、そうおっしゃるわけですよ。
 国の支援対象というふうになれば、これは保護者にとっては安心できる保育施設だというメッセージになります。ところが、実態は認可外の基準にも違反している。これでは安全が保証されているか怪しいところも言わば政府がお墨付きを与えることになってしまうと思いますが、いかがですか。

○大臣政務官(新谷正義君) 認可外保育施設に関しましては、待機児童問題によりまして認可保育所に入りたくても入れず、やむを得ず認可外保育施設を利用せざるを得ない方がいることから、代替的な措置としまして、今回、幼児教育無償化の対象としたところでございます。原則、認可外保育施設の指導監督基準を満たす施設がこれは対象となるところでございますけれども、指導監督基準を満たさない認可外保育施設、これに関しまして、基準を満たすために、委員御指摘のように五年間の猶予措置を設けることにしたところでございます。
 認可外保育施設が指導監督基準に適合するようにしっかりとこれは支援をし、さらに認可保育所等に移行できるように支援していくことは、質を確保し、向上していく観点からも非常に重要であると、そのように考えております。
 今回、このため、平成三十一年度概算要求におきまして、認可外保育施設が守るべき基準の内容についての助言を行う巡回支援指導員、この配置の支援や、認可保育所等に移行を希望する施設への運営費の補助、これらの予算を計上しているところでございます。
 さらに、来年十月から幼児教育無償化の施行に向けて、都道府県等による指導監督に加えまして、市町村がどのように関わっていくべきかなどについて、自治体の御意見も賜りながらしっかり検討してまいりたいと、そのように考えております。

○田村智子君 これ、五年間なんですよ。五年間是正指導がされていても、それが改善されていなくても、無償化の言わば対象にしちゃうということなんですよ。これ、どういうことかというと、保育士が一人もいなくてもいいということなんですよ。そんなことを施設は保護者に説明しないですよ。逆に、説明するのは、うちは国の支援対象ですよって説明するでしょう。
 事故が起きてからじゃ、遅いんですよ。悪質な事業者を排除できる仕組みが必要なんです。五年と閣議決定で決めたからと、そんなことじゃ駄目なんですよ。子供の命と閣議決定、どっちが重いのか、このことを真剣に受け止めて検討していただきたいと思います。
 もう一点、給食の材料費は無償化の対象から外すということを決めました。つまりは、給付の対象外にするということなんですね、給食材料費。
 自治体は、保育所に対して、給食の提供も含めた保育の運営を委託しています。ところが、給食の材料費は保護者から徴収しろということになります。給食は保育の一環、だから給食は義務なんです。それなのに、費用は私費負担。これ、仕組みとしておかしいと思います。低所得層への配慮をするといいますけれども、自治体によっては国の基準よりも保育料がかなり安いところもあるんです。そうすると、材料費徴収すると今の保育料よりも高くなるという逆転現象も起こり得るわけですよ。
 また、給食費の算定、徴収の事務、これを保育所がやることになります。学校給食でも未納への対応を学校がやるということが問題になっていますけれども、こうした事務負担増の手当てもしない、煩雑な事務を現場に押し付ける、これは大変問題です。
 給食費も含めた無償化を行うべきですし、現場に矛盾を押し付ける方向での無償化になぜ踏み切るのか、御答弁ください。

○国務大臣(宮腰光寛君) 食材料費につきましては、先週二十二日の子ども・子育て会議におきまして事務局としての方針案をお示しをし、御審議をいただいているところであります。
 具体的には、これまでも実費又は保育料の一部として保護者に負担をしていただいており、徴収方法は実費に統一されますが、引き続き保護者に御負担をいただき、低所得者世帯等に対しましては公定価格内で現物給付として免除を継続するとともに免除対象の拡充を検討するとの方向性を提案をいたしました。
 委員御指摘の施設や自治体の事務負担等につきましては、子ども・子育て会議で審議中でありまして、その議論も踏まえ、予算編成過程におきまして具体的な制度設計を行ってまいりたいというふうに考えております。

○田村智子君 これ、現場からも大変問題だというふうに指摘が上がっています。結局、消費税増税を国民に納得させるために突然、幼児教育無償化を持ち出した。政策の検討は後手後手になる、現場に矛盾と混乱をもたらす。こういうやり方じゃなくて、もっとまともな保育、幼児教育の充実を検討すべきだということを申し上げておきます。
 保育士不足の問題についても質問いたします。資料の一を見てください。これ、保育士の求人倍率の推移を、全国、それから東京、福岡を折れ線グラフで並べたものです。
 これ、全国的に四月、五月というのは求人倍率一を切ってきました、二〇一四年ぐらいまでは。調べてみると、それ、二〇一四年ぐらいまで一を四月、五月も超えるというのは、待機児童の多い東京と神奈川ぐらいなんですね。ところが、今や保育士不足は全国的な現象となっています。東京など大都市部は時給が高い、また自治体独自の処遇改善なども行われて地方から保育士が東京に動いてしまっているという指摘は、この委員会でたしか与党の議員の方からもなされていたと記憶をしています。
 安倍内閣は、保育士確保のための処遇改善などを進めたとおっしゃっていますけれども、結果として、保育士確保が進むどころか、むしろ地方にも保育士不足が広がっていると、これが現状だと思いますが、お認めになりますか。

○国務大臣(宮腰光寛君) 各地方自治体におきまして、独自に給与等の上乗せ補助を実施するなど、必要な保育人材の確保に懸命に努めておられることは承知をいたしております。
 国といたしましても、平成二十五年度以降、月額約三万五千円の処遇改善に加えまして、特に昨年度からは、全国一律に技能、経験に応じた月額最大四万円の処遇改善を実施をいたしております。さらに、この臨時国会で御審議中の給与法案が可決、成立した暁にはそれに準じた処遇改善を行う予定であるとともに、来年四月から更に一%の処遇改善を行うこととしております。
 引き続き、処遇改善に努めるとともに、資格取得や就業継続の支援などにも取り組み、国全体での保育人材の確保に総合的に取り組んでまいります。

○田村智子君 これも実態見れば、保育士不足はどんどん進んでいるというのはもう間違いのないことなんですね。
 もう一点指摘したい。資料二、保育士の所定内給与と女性の所定内給与の推移、それから全体の平均給与というのも示されているグラフになっているんですけれども、これ、保育士の給与を見ていただきますと、二〇〇〇年頃までは女性労働者の平均とほぼ同じ、あるいは若干高めで推移しています。ところが、二〇〇一年以降、女性労働者全体の賃金は上昇傾向にあるのに、保育士の給与は明確に下がり始めます。女性労働者全体の平均をも大きく下回るようになってしまいました。
 なぜ保育士の給与がこのように低下していったのか。官から民への掛け声で進められてきた一連の規制緩和があると思うんですね。ちょっと具体にもう指摘をしたいと思います。例えば、保育への企業参入を進め、そのために運用費の弾力的運用というのも認めてしまいました。自治体による公私間格差是正、これも廃止をされてしまいました。まさに、政策的に保育士給与が引き下げられたと言えます。
 今、国は処遇改善と言いますけれども、グラフ見て分かるとおり、女性の平均賃金からも年間で約二十五万円も低い、全体の平均給与からいえば年間八十三万円も低いということになってしまうんですよ。これ、たまりかねて自治体は独自の処遇改善にも踏み出す、ところが、財政力に差があるので今度は地域間格差が生まれてしまう、大都市圏に保育士が吸収されてしまうと。待機児童の問題がなかった地域でも、今や保育士不足が起こって入所児童数を絞らざるを得なくなって、新たな待機児童の問題も生じていると。
 処遇改善と言いますが、今の施策では全く足りない。生まれてしまった女性労働者との乖離さえも全く埋められていない。本格的な、抜本的な対策がなされなければ、保育士不足の問題は解決しないと思いますが、いかがですか。

○国務大臣(宮腰光寛君) 保育士の賃金につきましては、公定価格における人件費の水準のほか、保育士の年齢、経験年数、各施設における保育士の加配など様々な要因により変わるものであり、全産業平均との差の要因が何によるものか一概にお示しすることは困難であります。
 しかし、この保育士の平均賃金が全産業平均より下回っていることは事実でありまして、処遇改善につきましてはこれまでも取組を進めてまいりました。先ほど御答弁を申し上げたとおりであります。こうした取組によりまして、平成二十五年を底に上昇に転じまして、同年に約三百十万円であった保育士の給与は平成二十九年度時点で約三百四十二万円の水準となり、着実に上昇をいたしております。
 引き続き、保育士の処遇改善に着実に取り組んでまいりたいというふうに考えております。

○田村智子君 それでは本当に問題解決にならないですね。
 具体の問題も指摘したいと思います。
 一つは、運営費の弾力的運用。これ、例えば株式会社の場合、配当金に回すことも認めてしまったわけですよ。二〇一五年、新システムに移行したときには、民間等施設給与改善費、これを受けてもなお配当金に回していいよという規制緩和さえ行ってしまったわけですよ。これ、やっぱり見直しが必要だということを指摘しておきたいと思います。
 ちょっと時間がないので、公定価格の問題の方も指摘したいというふうに思うんですけれども、この公定価格の配置基準の見直し、私も繰り返し求めてまいりました。
 二〇一七年度に政府が行った経営実態調査、これ、保育士は勤続年数平均八・八年なのに、給与は月平均二十六万二千円ぐらいなんですね。これ、地域手当とか処遇改善加算も含んでもこの額です。一方、公定価格の方ではどうか。一か月の給与は三十一・六万円。これ、地域手当や処遇改善加算は含まれていないんですよ。大きな乖離です。公定価格で配置されている職員数十二・三人、経営実態調査十六・一人。二割以上の乖離です。これ、やっぱり保育の実態を踏まえていない。もっと言えば、最低基準を満たすことも困難という調査結果が表れているというふうに思うわけです。
 ちょっと先に進みたいと思うんですけど、資料の三を見てほしいと思うんです。これ、名城大学の蓑輪明子准教授などによる愛知県保育労働実態調査プロジェクトが昨年大規模な調査を行ったものなんです。労働組合や保育関係諸団体等の協力を得て、常勤、非常勤保育士一万人を超える回答を得ています。
 保育園にいて残業時間を行った、これ平均月十八・九時間に上ります。四十時間以上一二・一%、六十時間以上三・三%、八十時間以上とか、長い方で百三十五時間という方もいらっしゃる。何をしているのか。会議や打合せ、お便り帳記入、保育記録、保育準備、片付け。もうこれ業務ですよ、基幹的業務。昼休みも休憩もまともに取れない。時間外労働が恒常化している。
 こうした実態調査の結果を大臣はどう受け止められますか。

○国務大臣(宮腰光寛君) 保育士の業務負担軽減につきましては重要な課題と認識しておりまして、厚労省を中心に保育補助者の追加配置の拡充や事務のICT化などの取組を進めております。また、公定価格上の人員配置の充実につきましては、三歳児に対する保育士の人員配置につきましてこれまで改善をしてまいりました。先ほど、厚労省の方から御答弁があったとおりであります。
 一歳児や四歳以上児に関する更なる人員配置の改善につきましては、いわゆる〇・三兆円超メニューの項目に位置付けられておりまして、引き続き、財源を確保しながら充実に努めてまいりたいというふうに考えております。

○田村智子君 これ、何でこういう問題が起きるかというと、一日八時間労働なのに保育所は十一時間開所を求められるわけですよ。その十一時間というのは保育時間ですよ。保育以外の必要な業務をどうしていくのか、まともに公定価格で見ていない。これ、何度も指摘してきました。まだやろうとしない。
 これで、残業がもう恒常化して、労働時間が長過ぎると感じている方は六六・九%、過密過ぎる八四・六%、ストレスがある六七%、疲労感が強く疲れを翌日に持ち越すとか、いつも疲れている六二・九%。こうなるとどうなっていくかというと、仕事と家庭の両立困難だという方が八割を超え、今の職場で今の仕事を続けたいという人が五割を切っているという事態なんですよ。今働いている方も辞めかねない。
 一方で、この調査、よく見てみますと、子供の成長を感じる、つまり、やりがい感じている方はほぼ一〇〇%、九五%を超えているんです。残業がないとか休憩時間も取れているよという、そういう働き方をしている方は仕事を続けたいというふうに多数の方が答えているんですよ。
 これ、やるべきことは明らかじゃないですか。公定価格で実務時間についてもちゃんと見る、一日八時間労働でどうやって十一時間開所をこれやっていくのかということも実態に合わせてちゃんと見る、そういう職員配置にする、そういうことが求められているというふうに思いますけど、いかがですか。

○政府参考人(小野田壮君) お答えいたします。
 公定価格の在り方につきましては、昨年度、経営実態調査を行ったところでございますが、その調査のやり方、調査結果等々、いろいろな課題を子ども・子育て会議でも御指摘いただいているところでございますので、よりしっかりと実態が把握できるような経営実態調査を今検討しているところでございまして、その実施を含め、またその結果をどのように公定価格に反映させていくか、そうしたことを今後検討していきたいと思います。

○田村智子君 終わります。

 


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