安倍自公政権が2013年8月から実施した生活保護基準引き下げは、国民生活全体を引き下げるものだ―。生活保護基準について考え合おうと7日、国会内で学習会が開かれ、市民ら150人が参加しました。主催は、いのちのとりで裁判全国アクションと生活保護問題対策全国会議です。
(写真)150人が参加した生活保護基準の勉強会=7日、国会内
国会内で市民学習会
全国会議の代表幹事、尾藤廣喜弁護士が主催者あいさつで、生活保護法の改悪を含む一括改定法が今国会で成立したことにふれ、「生活保護制度をめぐって緊急事態となっている。この学習会の議論をかてに、今後の運動の“武器”にしていこう」と呼びかけました。
安倍政権が13年から始めた保護基準引き下げをめぐっては、全国で1000人超の原告が違憲訴訟をたたかっています。こうした中、同政権は今年10月からさらなる引き下げをねらっています。
厚生労働省・生活保護基準部会の前会長代理で日本女子大学の岩田正美名誉教授が基調講演。保護基準の見直しに当たり、一般低所得世帯の消費水準との比較には限界がきていると強調しました。
元堺市ケースワーカーで名古屋市立大学の桜井啓太准教授は、最低賃金からみた保護基準引き下げの意味について報告。最賃が生活保護より高くなるように保護基準を引き下げたことで、最賃で働いても実際は経済的に自立できない人に対しても保護を廃止し、「合法的にワーキングプア(働く貧困層)をつくりだしている」と批判しました。
東京で違憲訴訟の原告として立ち上がった男性は、引き下げられた月3000円があれば友人と食事に出かけられると述べ、尊厳ある生活を求めて「多くの人と連帯し運動を広げたい」と強調しました。
各野党の国会議員が参加。日本共産党からは田村智子参院議員があいさつしました。
2018年6月8日(金)しんぶん赤旗より