国会会議録

国会会議録
首相案件文書 “官邸が発信源”示す 田村氏 柳瀬氏ら証人喚問を

日本共産党の田村智子議員は17日の参院内閣委員会で、加計学園の獣医学部新設をめぐり、柳瀬唯夫首相秘書官(当時)が愛媛県職員らと面会した際に「首相案件」と語ったとされる文書が発見された問題を取り上げ、「真実であれば、安倍晋三首相と加計氏の自作自演で、国政の私物化が官邸を発信源として行われたことになる」と指摘し、柳瀬氏らの証人喚問を求めました。

 田村氏は、文書が愛媛県で作成され、農水省からも同内容の文書が発見されたことをあげ、「反証するには物的証拠が必要だ」と指摘。内閣府が文部科学省に愛媛県職員らの首相官邸訪問を事前にメールで伝えたとする報道もあることをあげ、柳瀬氏への聞き取り調査や今治市が公開した出張記録の全面開示などを求めました。

 菅義偉官房長官は「愛媛県が作成した文書の内容についてのコメントは差し控える」「昨年夏の閉会中審査で、柳瀬元秘書官から答弁があった通り」など、真相究明に背を向ける答弁に終始しました。

 さらに、田村氏は内閣府の藤原豊地方創生推進室次長(当時)が県職員と面会した際、国家戦略特区の募集時期や提案書案の書き方、盛り込む内容の例示まで行っていたことが記されていることを指摘。藤原氏への聞き取り調査とともに、面会や獣医学部新設にかかわるすべての文書・メモ・資料の提出を要求しました。

 梶山弘志地方創生担当相は「現時点では、紙文書、電子ファイルでも当該文書の確認ができなかった」としか答えませんでした。

2018年4月18日(水)しんぶん赤旗より

【4月17日 内閣委員会議事録】

○田村智子君 日本共産党の田村智子です。
 愛媛県知事が県職員が作成したと認める文書、獣医師養成系大学の設置に係る内閣府藤原次長、柳瀬首相秘書官との面談結果について、この文書のうち、農水省から発見されたものを今日資料として配付しております。
 この文書は、二〇一五年四月二日、愛媛県と今治市と加計学園が内閣府と首相官邸を訪問し、獣医学部新設について国家戦略特区で申請をすればうまくいくと、言わば官邸が主導してアドバイスを受けたということを示すものです。柳瀬氏が首相案件という言葉を使った、この内容は、昨年文科省で存在が確認された総理の御意向と記された文書とも矛盾しないどころか、極めて整合性が取れています。情報公開請求で出てきた今治市職員の出張記録とも合致いたします。
 また、今朝のNHKニュースでは、四月二日に今治市職員が首相官邸を訪問することを知らせる内閣府からのメールが文科省で確認されたと報道し、さらに、昼のニュースではTBSが、印刷された状態で文科省内に残っていたことが関係者への取材で分かったと、メールには今日十五時に今治市が官邸に来るとのことなど書かれていたと、こういう報道がなされました。文科大臣はただいま調査中であるというふうにお答えになりましたけれども、報道が出た以上、これも出てくるんじゃないかというふうに思われるわけですね。
 農水省が今回私たち国会議員に提出した文書、これはもう現実に打合せの記録であると、こう推測するしかないというふうに私は思うんですけれども、まずこの一連の報道について、菅官房長官、どのようにお考えですか。

○国務大臣(菅義偉君) いずれにしろ、政府としては、これ愛媛県が作成をした文書であります。その内容についてコメントすることは控えるべきだと思います。

○田村智子君 いや、官房長官、この文書の内容極めて重大で、農水省からも出てきたわけですから、これは内容の真偽、本当なのかどうか、これを明らかにするということは、安倍政権にとっても、もちろん私たち国会にとっても必要不可欠だと思いますが、いかがですか。

○国務大臣(菅義偉君) 今申し上げたとおりであります。政府として、これ愛媛県が作成した文書でありますので、その内容についてのコメントは控えたいというふうに思います。
 そして、文科省において関連するメールが見付かったという今朝の報告につきましては、現段階で私の方にそうした報告は来ておりません。現在、文科省において関係者に事実確認をしている、このように理解をしています。

○田村智子君 柳瀬氏は、この文書について、記憶の限りでは愛媛県や今治市の方にお会いしたことはありませんというコメントを愛媛県の文書が発見された時点でマスコミに対して述べておられます。そして、十一日の衆議院予算委員会では、安倍総理がこのコメントを紹介して、信じるという答弁をされています。
 このやり取りと今の官房長官の答弁を聞いている限り、この発見された文書について官邸は、柳瀬氏からの聞き取りの調査、これ行っていないのかなというふうに思われるんですが、柳瀬氏への聞き取りはやりましたか。

○国務大臣(菅義偉君) 四月二日のこの事実関係については、昨年夏の閉会中の審査において既にこの国会の場で柳瀬元秘書官から答弁があったとおりでありますし、愛媛県が作成したこの文書に関しても、柳瀬元秘書官が文書をもってコメントを既に発出しているというふうに思っています。
 いずれにせよ、政府としては、今後とも、国民の疑念を招くことがないように、文書の正確性の確保、こうしたものにしっかり努めていきたいと思います。

○田村智子君 今日の毎日新聞の報道では、会っていないとは言えないと、愛媛の職員にですね、柳瀬氏が周辺の職員に話していたと、こういう報道もされたわけですよ。その話というのは、昨年、まさに今答弁のあった、国会で七月二十五日、議論にありました。その前後で柳瀬氏が周りの職員に、会っていないとは言えない、だから記憶にないと言っているのかなというふうに思うんですけれども、会っていないとは言えない、こういう報道もされているんですよ。
 どうして柳瀬氏への、新たな文書出てきたんですから、なぜ聞き取りということを行わないんですか。聞き取りを行うどころか、私たちが国会招致求めて、与党も国会招致はやむなしというときに、何で安倍総理と一緒にアメリカ行っちゃうのかと。本当におかしな対応ですよ。なぜ改めての聞き取りやらないんですか。

○国務大臣(菅義偉君) 今申し上げましたように、愛媛県が作成した文書に関しても、柳瀬元秘書官自身が文書をもってコメントをされている、こういうふうに思っています。

○田村智子君 事の重大性を理解していないですよ。
 国家戦略特区というのは、総理のトップダウンで規制改革を行うために、安倍総理の肝煎りでつくられたシステムです。区域指定、区域計画は、申請を受けて内閣総理大臣が認定します。そして、運用規定で、申請内容の利害関係者、提案者の利害関係者ですね、諮問会議等のメンバーになることはできないんですよ。加計学園の理事長加計孝太郎氏と安倍総理が腹心の友で、会食やゴルフはおごりおごられる関係であるということは安倍総理自らが認めています。
 新たに出てきた文書では、首相案件として首相の秘書から国家戦略特区への申請を促し、認定され、実現することをあらかじめ約束していることを示しているんですよ。これ事実であれば、安倍総理と加計孝太郎氏の自作自演、国政私物化が官邸を発信源として行われたことになる、それほど重大な内容だと、こういう自覚は官房長官にはないんですか。

○国務大臣(梶山弘志君) 国家戦略特区は、構造改革と異なり、制度を活用する地域を厳格に限ることで特に固い岩盤規制改革に突破口を開く制度であります。しかしながら、両制度とも対象地域を限定して規制改革を行う点では共通をしており、また、地域からの提案に基づいて改革実現に向けた検討を行い、最終的に総理をトップとする組織で規制改革や特区指定を決定するという点で同じ側面を有しております。
 また、国家戦略特区のプロセスは民間有識者が主導する透明性の高い仕組みであり、それが改革の推進力になってきたということであります。
 諮問会議の議事運営規則では、直接の利害関係を有する議員を審議及び議決に参加させないことができると定めております。これは、自らが経営していたり役員となっている会社が特区の事業認定を受ける場合などを想定したものであって、単に交友関係があるだけでは利害関係があることにはならず、そのために総理が議長から外れる必要はなかったものと考えているところであります。

○田村智子君 そういうこと聞いているんじゃないんですけれども、もう一回、官房長官、お答えくださいよ。
 じゃ、本物かどうか分からないという立場なんでしょう、愛媛県が作ったものだからコメントもしないという立場。それならば、何でこういう文書が愛媛県で作られたのか、その事実を解明することは安倍政権にとっても必要なことじゃないんですか。

○国務大臣(菅義偉君) そうした点については承知をしておりません。

○田村智子君 だから、皆さんが本物だと認めないにしても、出てきたわけですよ、文書が。なぜこれが作られたのか、その経緯について真相究明が必要なんじゃないですかとお聞きしているんですよ。

○国務大臣(菅義偉君) 先ほど来申し上げていますけれども、これは愛媛県が作成した文書でありますので、政府の立場でコメントは控えたいというふうに思います。

○田村智子君 じゃ、なぜ農水省にあったのか、その経緯を解明することは必要じゃありませんか。

○国務大臣(菅義偉君) これも先ほど申し上げましたけれども、いずれもこれ、愛媛県が作成した同じような文書じゃないでしょうか。

○田村智子君 答えになっていない。それがなぜ農水省にあったのか、解明の必要はないですか。

○国務大臣(菅義偉君) 農水省から報告を受けているのは、調べたけれども、入手を、どういう形で農水省に来たかということについては分からないということでありました。

○田村智子君 分からないから解明が必要でしょうと聞いているんですよ。違いますか。もう一度。

○国務大臣(菅義偉君) いや、農水省でどのような経緯でそこにあったかということを詳細について調べたけれども、確認できないということだったんです。

○田村智子君 私は、これ文書の中身も重大なんですよ。だから、中身も含めて否定しなかったら安倍政権に対する疑惑って膨らむ一方ですよ。で、文書の中身で指摘されている柳瀬氏、記憶の限りでは会ったことはない、このコメントだけでは反論にもなっていないわけですよ。
 ちょっと御提案したいんですけど、じゃ、会っていないとおっしゃるんだったら、この二〇一五年の四月二日、柳瀬氏の行動、これ、あらゆるメモや記録を掘り起こしてでも、別の人に会っていれば、その時間、別のところにいて別の人に会っていれば問題解決じゃないですか。そういう物的な証拠、これ、いろんな聞き取りやって調べるべきじゃないですか。国民に説明すべきじゃないですか。いかがですか。

○国務大臣(菅義偉君) この点についても、柳瀬経済産業審議官が国会において、どなたにお会いしたかというのは一切、全く書いたことはございませんという答弁をしております。

○田村智子君 解明する気が全くないということになっちゃいますよ。それは国民に対する説明にならないですよ。
 私たち野党は六党での合同ヒアリングも行ってこの問題についてずっとお聞きしていますけれども、その中でもやっぱり、今治市が情報公開によって開示、まあ黒塗りでしたけど、開示したこの二〇一五年、平成二十七年四月二日の出張の記録、この黒塗り外してもらえばいいじゃないかということは何度も提案しているわけですよ。首相官邸に行っていると、会っている人の名前が黒塗りになっている、そこを外して柳瀬さんの名前が出てこなければ、確かに柳瀬さんのコメントは信頼するに値するかもしれない。黒塗り外してもらうということが、これ疑惑の解明にとって、国民が抱いている疑惑に応える、そのためにも必要だと思いますが、長官、今治市にそう言ってみてはいかがですか。

○政府参考人(村上敬亮君) お答え申し上げます。
 本件につきましては、内閣府の方から今治市に何度となく問合せをし、確認をさせていただいているところではございますが、相手方や内容については情報公開条例にのっとりお答えできないということでございまして、それは何度聞きましても、誰に聞かれてもお答えは同じであるということでお返事をいただいているところでございます。
 市が条例に基づいてそのように自治体として御判断されている以上、これ以上要請をするのは難しいかなということで判断をしてございます。

○田村智子君 私も今治市の情報開示の、ごめんなさい、今治市の条例見てみました。その中で、恐らく該当するであろうということは、国等との審議、検討又は協議に関する情報であって、公にすることにより率直な意見の交換若しくは意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれ、これがある場合というのが非開示にできる理由で、これぐらいしか当たらないんですよ、ずっと読んでみても。
 今治市長も何て言っているかというと、黒塗り、何で黒塗りを解かないのかと記者に聞かれて、国に迷惑が掛かってはいけないと、マイナスイメージがあってもならないと、これが理由だというふうに言っているんですよ。
 菅官房長官、この黒塗りが外れると何か迷惑が掛かることがあるんでしょうか。

○国務大臣(菅義偉君) 今治市の文書開示については、今説明ありましたけれども、今治市が条例に基づいて既に自治体として適切に御判断されたことでありますので、国としてはコメントは控えたいと思います。

○田村智子君 じゃ、今治市が、国がオーケーと言ったら開けるということでよろしいわけですよね。国は別にそれを妨げるものでも何でもないと、迷惑も掛からないということでよろしいですね。

○国務大臣(菅義偉君) それは当然、今治市で判断することだと思います。

○田村智子君 これ、開けるように求めなければ、柳瀬氏のこの二日に会っていないということを証明する手だてもなくなっちゃいますよ。まあ、逆の証明がなってしまうから恐らく開けてほしくないということだというふうに思うんですけれどもね。
 ただ、菅官房長官、ちょっと今の態度は認められないですよ。今治市が作った文書で済ませようとする。農水省が、なぜそれが農水省にあるのかと、これ分からないで済ませようとする。それで国民は絶対納得しないですよ。
 柳瀬氏、アメリカから帰ってきたら、国会招致はもちろんですけれども、官邸としてまともにちゃんと聞き取りやる、その必要性あると思いますが、どうなんですか。

○政府参考人(河村正人君) 当該文書につきまして愛媛県知事の会見で申されていることでございますけれども、情報公開条例は相手先のことについて制限が掛かる、県の職員が誰と誰、全部公開している、愛媛県の職員の言動はオープンにしているということでございます。それから、情報公開条例もあるので、中身についてはコメントできないということでございます。

○田村智子君 じゃ、官房長官、もうお帰りいただいてもいいです。調べてください。お帰りいただいて、本当にこの二日に関わる文書をお調べいただくということをお願いして、御退席いただいて構いません。

○委員長(榛葉賀津也君) 菅官房長官。

○田村智子君 梶山大臣にお聞きします。
 愛媛県の文書が農水省から発見されたと。で、文科省から恐らくそのメールというのが出てくるでしょう、四月二日に内閣府から行ったメール。内閣府からだけ何も出てこないというのは本当におかしなことなんですね。
 それで、今回の調査についてお聞きしますけれども、この文書が、愛媛県が示したこの文書がありますかという調査なんですか、ピンポイントの。あるいは、これに類似する文書がありましたかと。これ、昨年の六月のときもそうなんですよ。文科省から出てきた、その出てきた文書についてのみの調査だったんですよ。今回もそういう調査ということですか。

○国務大臣(梶山弘志君) 四月の十日にこの調査の指示を出しました。そして、対象者全員にヒアリングしました上で、事務局内部全体の徹底的な文書探索を実施しましたが、現時点では紙文書も電子ファイルのいずれの形でも当該文書の存在は確認をできなかったということで、ヒアリングをしましたし、その文書の探索もしてきたところであります。

○田村智子君 だから、この文書についてでしょう。この文書について、あるかなしやの、あるいは見たか見なかったかということでしょう。それでは駄目だと思うんですよ。
 昨年、私もこの国会で、加計学園の獣医学部新設について、その政策決定過程の文書やメモ、たくさん要求出しているんですよ。何一つ出てこないですよ、内閣府からは。例えば、私がこだわっている今治市の提案の方が京都府と京都産業大学の提案よりも熟度が高いというこの山本幸三前大臣の答弁の根拠となる文書、あるいは政策決定過程での文科省との打合せ、農水省との打合せ、それに関わる文書、何にも出てこない。そういう文書はないとお答えになる。
 お聞きします。今回、愛媛県の文書を調査するのに、まあ、ないという結論でしたけど、一週間掛かりました。国家戦略特区について内閣府には膨大な紙媒体や電子データがあるから一週間掛かったということなんじゃないんですか。

○政府参考人(村上敬亮君) お答え申し上げます。
 お尋ねのありましたとおり、今回の調査では愛媛県の文書を対象に行ってございますが、ヒアリングを行っている時点では、この文書に関し見覚えのある事項はないかと、それから、その文書についてやり取りをしたメール若しくは愛媛県とそれに関しやり取りをした記憶はないかということで、対象者全員にヒアリング調査を行うと同時に、紙媒体と電子ファイルについて特区の事務局内についてくまなく調べた結果、出てきていないという状況でございます。

○田村智子君 だから、一週間も掛かったんだからいっぱいそういう文書やら電子ファイルがあったんでしょうと聞いているんですよ。

○政府参考人(村上敬亮君) 電子的な検索、ファイル、一通りあるものは確認をしてございますけれども、特に時間を要しましたのは、私ども、自治体からの出向職員が多うございまして、対象職員の中には既に自治体に帰任をしている者も多いということでございまして、これらを特定し直接ヒアリングをするのに、ほかとの比較はできませんけれども、比較的時間を要したという実態がございます。

○田村智子君 メモや文書は、じゃ、一時間ぐらいでもうない、分かったということなんですか。

○政府参考人(村上敬亮君) 掛かった時間は、大変恐縮でございます、正確には計測してございませんので、この場で何時間何分というふうにはお答えを申し上げられませんが、対象者のヒアリングを終えるまでの間しつこくしつこく探し続けたということにつきましては御報告を申し上げられようかと思います。

○田村智子君 ヒアリングだけで一週間掛かるわけないじゃないですか。ヒアリング一週間掛かるほど職員いるんですか。対象職員九人と聞いていますよ。違うんですか。

○政府参考人(村上敬亮君) 対象いたしました職員につきましては、現在それから平成二十七年四月当時の獣医学部の規制改革に関わる職員全員ということで、合計三十三名の職員を対象に調査をさせていただいてございます。

○田村智子君 ごめんなさい、九人は前の、去年の調査のときでしたね。済みません、混乱しました。
 しかし、一週間ヒアリングだけで掛かるわけないじゃないですか。膨大な資料や、まあ膨大というのかたくさんといいましょうか、電子ファイルがあるに当たり前じゃないですか、一週間掛かるんだから。
 それで、藤原審議官が認めている、二十七年四月、今治市と面会した、これは藤原前審議官、お認めになっているんですよ。で、梶山大臣、この文書という調査じゃ駄目ですよ。その二十七年四月に藤原氏が今治市と様々な打合せをやっているのかいないのか、何かしらかの文書やメモ、資料、こういうものがないのか、ピンポイント調査ではなく、まずこれはお調べいただきたい。加えて、獣医学部新設の政策決定に関わる文書、国会で要求しているわけですから、大臣、改めてその調査の指示を出していただきたい。いかがですか。

○国務大臣(梶山弘志君) 愛媛県で文書が見付かって、この文書が一部報道で三省に、農林水産省、文部科学省、そして内閣府に配付されている可能性があるという報道を受けまして調査に掛かったというところでありまして、この文書じゃ駄目だと言われましても、まずはこの文書を探すことが先決だと思ってこれに専念をしてきたところであります。

○田村智子君 だから、その後の指示も出してくださいよ、最後にもう一回要求しますがね。
 それで、この中身見てみますと、例えば藤原審議官が言ったこととしてこういうことが出てくるんですよ。構造改革特区と国家戦略特区を一体的に取り扱うこととし、年二回の募集を予定しており、遅くとも五月の連休明けには一回目の募集を開始。こんなの愛媛県の職員が勝手に書けるような中身じゃないわけですよね。当然、国家戦略特区の担当者が説明したことを聞き取ったメモとしか考えられないわけですよ、誰が考えたって。
 今日、村上審議官にも来ていただいていますので、もう少し聞いてみます。
 この中では、大変丁寧に、こういう提案を出せばいいということのアドバイスも書かれているんですね、藤原審議官の言葉として。それで、村上審議官、前任者から引き継いで、それ以降今日まで、自治体から国家戦略特区に提案したいと説明を求められて、例えば、提案書案の書き方、そこに盛り込む内容の例示、こういう内容をしっかり書き込んでほしい、こういう話、したことありますか。また、その提案がかなりチャンスがあると積極的に後押しをして、同様の提案をしている自治体の状況を説明する、こういうやり取りを自治体とふだん行うようなことがありましたか、これまで。

○政府参考人(村上敬亮君) お答え申し上げます。
 前後いたしますが、まず、藤原元次長本人にも確認をしてございますが、チャンスがあるといったような、あの文書に出ている表現につきましては覚えが、記憶がないというふうに認識をしているということでございます。
 ただ、他方で、先生も御承知をしておられますとおり、四月、その頃に、愛媛県と今治市の担当者に面会をしたことがあるということにつきましては藤原本人も既に国会等でも御説明をさせていただいてございまして、その際には国家戦略特区制度についての御説明もさせていただいていると。その中では、今回の制度改革によって構造改革特区と国家戦略特区の申請窓口を一元化したということでありますので、これらを提出するときにはその窓口への提出をお願いしたいといったようなことも含めて、確かにかなり具体的に制度の紹介をさせていただいていたということは本人も既に説明をしているとおりであろうかと思います。
 最後に、お尋ねの、私自身がそういったような丁寧な説明をするということが自治体の方にあるかということでございますけれども、一般論で申し上げれば、ございます。多くの自治体の方が提案前後にかかわらず御相談に来られることはございますので、そうした機会に対して、こういうふうにどうだ、ああいうふうにどうだといったことについては、私個人の考えでございますけれども、このようにすると更に規制改革っぽく見えるんじゃないかとか、こうではないかとか、一般的にアドバイスさせていただくことはございます。
 ただ、それらが正式な提案の段階になって出るときに関しましては、これはワーキンググループ等のヒアリング等ですべからくきちっと必要な議事要旨が作成をされ、後々、公表、検証可能なように準備をされているものというふうに理解をしてございます。

○田村智子君 これ、ここに書かれている中身は、とても愛媛県が書けるような中身じゃないんです。獣医師会と真っ向勝負にならないよう、既存の獣医学部と異なる特徴、例えば、公務員獣医師や産業獣医師の養成などのカリキュラムの工夫や、養殖魚病対策に加え、ペット獣医師を増やさないような卒後の見通しなどもしっかり書き込んでほしい、かなりチャンスがあると思っていただいてよい、新潟市の国家戦略特区の獣医学部の現状は、トーンが少し下がってきており、具体性に欠けていると感じている。こんなの藤原さん以外に言えるわけないじゃないですか。中身は相当に信憑性があるということですよ。
 梶山大臣、藤原審議官への聞き取り、これ必要だというふうに思いますし、これやっていただきたいと改めて要望いたしますし、本委員会で、やはり間接話法では駄目です、藤原豊氏、また柳瀬氏を招致していただきたい。でき得れば証人喚問もお認めいただきたい。取り計らい、お願いいたします。

○委員長(榛葉賀津也君) ただいまの件につきましては、後刻理事会で協議いたします。

○田村智子君 終わります。


 |