日本共産党の田村智子副委員長は13日、BSフジの番組「プライムニュース」に出演し、安倍政権が狙う“働かせ方改悪”の一環である「同一労働同一賃金ガイドライン案」を批判し、「賃金格差是正の運動と成果を踏まえるべきだ」と主張しました。
番組には田村憲久・元厚労相(自民党)と山井和則衆院議員(希望の党)が出演。
安倍政権の「同一労働同一賃金ガイドライン案」の目的が正規と非正規労働者間の「不合理な待遇差を是正する」としていることについて、自民党の田村氏は「ちゃんとした説明がつかなければ待遇差をつけてはいけないということ」だと解説。
これに対し共産党の田村氏は「『合理的』な説明さえつけば賃金差別をしていいという内容だ」と批判しました。同案には「将来、転勤がある職務か、転勤がない職務かなどによって賃金格差を問題にしない例がある」と指摘し、正社員でも女性が男性の賃金に比べ6、7割に抑えられてきた歴史に触れた上で「将来結婚するかどうか、子どもを持つかどうかなど、将来性によって基本給の格差を認めること自体を見直すべきだ」と訴えました。
田村氏の発言を受けて、山井氏も「女性は転勤しづらい実態がある。転勤できるかどうかで格差を認めるなら、現在の格差を容認し、固定化しかねない」と述べました。
また、田村氏は「女性たちのたたかいに学ぶべきだ」と主張。自動車部品メーカー・丸子警報器(長野県丸子町)で働く28人の女性パート社員が同じ仕事をしながら正社員との賃金差別は不当だとして提訴し、月給制など実質的な正社員化を勝ち取った裁判闘争を紹介しました。
1996年に長野地裁が出した判決(99年に東京高裁で勝利和解)では「正社員の8割以下の賃金は公序良俗に反する」としていると述べた田村氏は「政府案はこの判決を覆すもの。だからたたかってきた人たちは怒っている」と指摘。同案の撤回とともに、同一労働同一賃金を実現するためには「賃金格差是正の運動と成果を踏まえるべきだ」と求めました。
2018年2月15日(木)しんぶん赤旗より