国会会議録

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日米特殊部隊が共同訓練 オスプレイ横田配備で可能に 田村氏に防衛相答弁 参院決算委

 中谷元・防衛相は22日の参院決算委員会で、米空軍横田基地(東京都)への特殊作戦機CV22オスプレイの配備に伴い、沖縄に駐留する米特殊部隊に加え、自衛隊の特殊部隊との日米共同訓練が可能になるとの見方を示しました。質問に立った日本共産党の田村智子議員は「驚くような答弁だ。まさに米軍の軍事作戦の中枢に自衛隊を組み入れていくことになる」と批判し、配備撤回を迫りました。


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(写真)パネルを示して質問する田村智子議員=22日、参院決算委

 特殊部隊は、米軍には陸軍第1特殊部隊群(沖縄・トリイステーション)や空軍第353特殊作戦群(同・嘉手納基地)が、自衛隊には陸自特殊作戦群(千葉・習志野駐屯地)などが存在しています。

 田村氏は、CV22が輸送する米軍の特殊部隊が国境も国際法もお構いなく他国に侵入し、テロリストなどの暗殺や要人拘束などの軍事作戦遂行を主任務としていることを指摘しました。中谷防衛相は「通常部隊ではアクセス困難な地域に迅速・隠密裏に進出し、情報収集するほかテロの脅威への対処などを行う」と認めました。

 また、田村氏は、米空軍が指示文書「CV22の作戦手順」(12日付)の中で、「回避行動訓練」として高度約30メートル(100フィート)の低空飛行訓練の実施を明記していることを示し、「危険な訓練が日本全国でやりたい放題になる」と追及しました。中谷防衛相はこれを明確に否定せず、「特殊部隊との訓練のため、沖縄に飛来することはありうる。日本全体に(訓練を)分散していく」と明言しました。

 田村氏は、横田基地周辺だけでなく、沖縄県の読谷村議会からも沖縄飛来を懸念して配備見直しの意見書があがっていることをあげ、「これのどこが基地負担の軽減なのか」と批判しました。

 さらに、米軍普天間基地(沖縄県)の航空安全担当官が日米間のオスプレイ運用ルールを軽視する発言(10日)をしていることも示し、抗議すべきだと迫りました。

 岸田文雄外相は「発言を『再確認』した」と述べるだけで、抗議すらしていないことが発覚。田村氏は「戦争法案を先取りした態勢づくりになる。絶対に許されない」と強調しました。

                                                                               2015年6月23日(火) 、しんぶん赤旗

【 議事録 】

2015年6月21日参議院決算委員会

○田村智子君 日本共産党の田村智子です。

 五月十二日、オスプレイCV22の横田基地配備を日米政府が発表いたしました。この直後、五月十七日、ハワイで訓練中のオスプレイMV22が墜落、炎上、病院に搬送後亡くなった隊員を含め二人が死亡する重大事故となりました。映像を見ますと、着陸しようとするオスプレイが水平状態のまま一直線に墜落をして、すさまじい炎と黒煙に包まれたことが分かります。事故原因は不明です。

 これまで政府は、安全性は十分に確保されていると繰り返してきましたが、墜落事故は現実に起きました。オスプレイの事故による死者は三十九人になりました。(資料提示)

 沖縄では、パネルは沖縄タイムスの一面の報道ですけれども、このように大きく報道されまして、翁長県知事は、事故の原因が分かるまで飛行中止をと求めました。ところが、事故翌日も何事もなかったように訓練は行われました。沖縄の方々の怒りと不安はどれほどのものかと思います。

 総理、飛行訓練の中止はもちろん、横田基地への新たなオスプレイの配備も見直し、撤回を求めるべきだと思いますが、いかがですか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) まず、オスプレイの配備は我が国の安全保障において大変重要であると認識をしています。その上において、この運用に際しては、安全確保はもとより、周辺住民の方々の生活への最大限の配慮が大前提であります。

 政府としては、MV22オスプレイの普天間飛行場への配備に先立ちまして、独自に安全性を確認をしております。具体的には、防衛省、国交省、大学教授など、政府内外の航空機技術、航空安全や事故調査の専門家、航空機パイロット等から成る分析評価チームを設置をし、また、チーム委員を米国に派遣して米軍における過去の事故の原因を独自に分析することなどによって、我が国におけるMV22オスプレイの運用の安全性を確認をしているわけであります。

 またさらに、昨年、我が国もオスプレイを導入することを決定をしましたが、その検討過程において、各種技術情報を収集、分析、オスプレイが安全な機体であることを改めて確認をしているわけであります。

   〔委員長退席、理事赤石清美君着席〕

○田村智子君 墜落事故が起きても安全だと強弁すると、実に無責任な姿勢だと思います。

 このCV22を配備するという東京の横田基地、パネルを御覧ください。市街地に囲まれた米軍基地で、地元自治体五市一町は人口五十一万人の都市です。基地の中心部から三キロ圏内に三十を超える学校があり、その一つは滑走路の延長線、アメリカ国内ならば事故発生の危険性が高く土地利用が不適切とされるクリアゾーン内にあります。私、沖縄の方から、こういう写真を見て、横田の写真を見て、一瞬、普天間基地かと思ったと、こういうふうにも言われているわけです。

 この横田基地に二〇二一年度までに計十機のCV22を配備するといいます。沖縄や岩国に配備されているオスプレイは、海兵隊の輸送を任務とするMV22で、今回、横田基地に計画されているものとは違うわけですね。

 このCV22、主な任務はどういうものなのか、どういう作戦を展開するために横田基地に配備するのか、防衛大臣、お願いします。

○国務大臣(中谷元君) 横田飛行場に配備されるCV22は空軍の輸送機でありまして、各種事態が発生した場合に、沖縄やグアム、アジア太平洋地域に複数箇所に所在をいたしております米各軍の特殊作戦部隊、これを輸送することを主たる任務といたしております。CV22が輸送するものも含めまして、特殊作戦部隊は一般に、各種事態において、偵察や情報収集、テロ脅威への対処、人質の救出、奪還などに従事するなどと承知をいたしております。

 また、外国への人道支援につきましても米特殊作戦部隊の主要な活動の一つとされておりまして、自然災害等におけるCV22の有用性につきましては、今般の米国防省のプレスリリースでも明らかにされているところでございます。

○田村智子君 今、自然災害ということも言われましたけど、和歌山県では、防災訓練に参加したオスプレイが排出するすごく熱い風で芝を焼く騒ぎが起きて、消防の皆さんが慌てて消火活動をやると。また、高知県では、今月行われた防災訓練へのオスプレイの参加、県は受け入れないと。そもそも、オスプレイは災害救助を目的に造られたものでもありません。先ほど防衛大臣が答弁されたように、CV22が輸送するのは米軍の特殊部隊であると、今明確に御答弁いただきました。

 では、この米軍の特殊部隊というのはどういうものなのか。これ、例えば二〇一一年のウサマ・ビンラディンの殺害、この作戦は、身柄拘束ではなく最初から殺害を目的として、潜伏先だったパキスタンの政府にも一切通告しないまま特殊部隊が潜入をし、決行したものです。パキスタン政府は、国際法と国家の尊厳が侵害されたと強く抗議する事態となりました。イラク戦争では、イラクに潜入をして、フセイン政権の要人の身柄の拘束や油田の制圧、確保などの作戦を展開したことが知られています。

 こういうふうに、国境も国際法もお構いなしで、まさに暗闇に紛れて敵地に深く侵入して軍事作戦を展開する、こういう特殊部隊を輸送するというのがCV22の任務ではないんですか。もう一度、大臣、お願いします。防衛大臣。

○国務大臣(中谷元君) いろんな任務があろうかと思いますけれども、米軍の特殊作戦部隊につきましては、通常の部隊ではアクセス困難な地域に迅速にまた隠密裏に進出し、戦略上、戦術上の重要な情報を収集をして確認するほか、テロの脅威への対処、人質救出などを行う極めて高い能力を有しておりまして、現在の安全保障環境の下では、その重要性、必要性というのは一層高くなっているわけでございます。

   〔理事赤石清美君退席、委員長着席〕

 このCV22のオスプレイの我が国の配備によりまして、様々な重大な任務を果たす特殊部隊の機動的な作戦遂行が可能となり、その有用性を増加させることができますが、米軍と自衛隊との特殊部隊の間でCV22オスプレイを利用した共同訓練などが可能になるなど、日米の相互運用性の向上にも寄与するわけでございまして、CV22オスプレイの我が国への配備は、日米の共同対処能力を向上させ、また高度な能力を対外的に示すことによりまして、我が国への攻撃を思いとどまらせ、紛争を未然に防ぐ上で大きな効果がございます。また、日米同盟の抑止力、対処力、これを一層向上させるものでありまして、アジア太平洋地域の安定にも資するものがあると考えております。

 また、これに加えて、首都直下型地震、南海トラフ地震など大規模災害が発生した場合にも、CV22オスプレイは迅速かつ広範囲にわたって災害救助活動を行うことができまして、米軍の大規模災害における対処能力も大いに向上させる、このような能力を持っているものでございます。

○田村智子君 驚くような答弁ですよね。まさに、米軍の軍事作戦の中枢の中に自衛隊をもどんどん組み入れていくような御答弁を今防衛大臣なさったわけですよ。しかも、その作戦というのは、もうどこかの国に暗闇に紛れて入り込んで、その国の政権を転覆させるような、実にどろどろとしたといいましょうか、おどろおどろしいといいましょうか、そういう役割を担っているのが特殊作戦の部隊ですよ。

 それで、このCV22というのは、だからこそたくさん配備しているんじゃないんです。世界中で現在配備されているのは三十三機なんですよ。日本に今度十機を配備するということになれば、横田基地はまさに米軍特殊部隊の拠点の一つになってしまうと、国際法もお構いなしのような作戦をやる部隊ですよ。

 総理、こういう外国の特殊部隊の拠点を首都に置く、こんな国はないですよ。これが日本の防衛や安全保障と一体どう関係するのか、御答弁ください。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど中谷防衛大臣から答弁をさせていただいたように、この安保条約によって、もし日本を侵略する国があれば日米で共同対処をするわけであります。そのことによって抑止力が効き、地域の平和や安定、日本の平和が守られている、これは国民みんなの多くの方々の共通の認識であろうと、こう思うわけであります。

 そこで、この共同対処する以上は機能的な兵器について、機器について米軍が考慮していくことは、これは抑止力の向上に間違いなく資するんだろうと、こう思うわけでございまして、この特殊部隊の運用等々につきましては様々なものがあるのは事実でございますし、いざというとき、例えば大災害のときにも、このオスプレイというのは運ぶ人員は極めて多いわけでございまして、今までのヘリコプター等々から比べれば、三倍ですか、三倍に乗せる人員が増えていくわけでありますから、それほど活用の幅が広がっていくんだろうと、こう思うわけであります。

 基本的には、先ほど申し上げましたように、しっかりと、今日本を取り巻く安全保障環境は厳しいわけでありまして、その中において国民の命やあるいは我が国の国土、領海を守っていく上において、米軍の能力が上がっていくことは間違いなくプラスになっていくと、このように思っているところでございます。

○田村智子君 これ、アフガンやイラクを見ても、平和と安定どころか、新たな混乱、新たなテロの温床というのを広げてしまった、これはもう明らかですよ。どこが日本の平和と安全に資するのか、世界の平和と安全に資するのか、本当に認められない御答弁だと思います。

 更に聞きます。CV22の配備について、中谷防衛大臣は、参議院外交防衛委員会での我が党議員の質問に、低空飛行訓練、夜間飛行訓練を実施することになると承知していると答弁をしています。

 これはどういう訓練か。CV22の作戦手順という二〇一五年六月十二日付けの米空軍の指示文書があります。例えば、敵の攻撃を回避する訓練、回避行動訓練という項目を見ますと、航空機モードで最も高い障害物から二百フィート、約六十メートル、転換モードでは百フィート、約三十メートルを維持するということが書かれているわけです。

 こんな低空飛行訓練を日本のどこでやろうというんでしょうか。市街地の横田基地でもこういう訓練やるということですか、防衛大臣。

○国務大臣(中谷元君) CV22というのは、各種事態における米の特殊作戦部隊の迅速な長距離輸送という主たる任務を達成するために、通常の飛行訓練に加えて低空飛行訓練等を実施するということになると承知しておりますが、横田飛行場周辺の上空で行われる訓練につきましては、航空機として当然行う通常の離発着訓練など機体の操縦訓練が大半であると承知をしております。これ以上具体的な飛行運用や訓練場所につきましては、現時点におきまして米側から説明を受けているわけではございません。

 また、在日米軍の行う低空飛行訓練は、部隊の能力の維持向上を図り、日米の安全保障条約の目的達成に資する重要なものでございますが、同時に、日米両政府といたしましては、低空飛行訓練を実施するに当たりまして、安全面に最大限の考慮を払うとともに、地元住民に与える影響を最小限にする必要があると認識をしておりまして、米側は、低空飛行訓練を始め我が国でのCV22の飛行運用に際しましては、MV22に関する日米合同委員会の合意の内容を含めて、既存の全ての日米間の合意を遵守する旨を明言しているところでございます。

○田村智子君 それで、横田でやらないとは言わないわけですよ。また、日本のどこでやるかということも重大問題ですよ。

 これ、具体的に想像してみてほしいんです。航空モードというのは、プロペラが前を向いた状態で、オスプレイがジェット機として飛行する態勢です。オスプレイは大型バスに翼が付いたような大きさですから、この大きさのものが六十メートルの高さで敵の攻撃を回避しながら高速で飛び回るということですよ。転換モード、プロペラが斜めの状態で、航空モードにもヘリモードにも転換できる状態、これで三十メートル、つまりビルの五階とか六階の高さで飛び回るという訓練ですよ。夜間訓練というのも、暗闇の中で地形に沿って飛行するという装置はCV22の特徴的な装備で、この装置を使った訓練をやらなければ能力の維持はできないはずですよね。

 こんな危険な訓練、三十メートルの高さで飛び回る、これ市街地の横田でもやるということではないんですか、防衛大臣。

○国務大臣(中谷元君) 米側は、CV22オスプレイの横田飛行場への配備に当たりまして、当該日米合同委員会の合意の内容を含めて、既存の全ての日米間の合意を遵守する旨、明言をしております。

 また、政府といたしまして、MV22オスプレイはこれまでに安全に運用されてきたと認識していることから、CV22オスプレイが配備された後、低空飛行訓練の際も含めて、日米合意の内容に反して運用されることはないということでございます。

 なお、低空飛行訓練につきましては、先ほどの米軍の資料がございますが、我が国におけるMV22オスプレイによる低空飛行訓練につきましては、日米合同委員会の合意、これ平成二十四年の九月でございますが、そこにおきまして、安全を確保するためにやむを得ない場合を除き、地上から五百フィート以上の高度で飛行するとされているということでございます。

○田村智子君 最初から例外付きなんですよね。

 それで、横田基地周辺の住民の方々にお話を私もお聞きしてきました。とても不安に感じていますよ。実は、三年ほど前から既に輸送ヘリなどの夜間飛行が増えていて、夜十時を過ぎてもごおっという音に包まれることが度々あると言っています。また、百人を超えるパラシュート部隊がC130輸送機から次々と降下する特殊訓練というのも行われていて、一体何の訓練やっているのか、ここでも市民の不安は急速に強まっている。

 CV22の配備は、横田基地をもっと大きく変えてしまうことになるでしょう。だから、地元自治体は、この配備を認めていない。福生市の加藤市長は、これ以上の基地機能の強化は認められない、こう強く反対していますが、これ当然のことです。

 これ、東京だけの問題ではありません。沖縄県の読谷村議会、六月十一日、ハワイでの墜落事故に対しての意見書を採択しましたが、この中で、沖縄のオスプレイの撤去や訓練停止とともに、横田基地へのCV22配備計画の見直し、これも挙げているわけです。読谷村には、米軍特殊部隊の基地があり、MV22だけでなくCV22まで飛来することになるんだと、こう危惧してのことなんです。

 政府は沖縄の基地負担軽減と繰り返してきました。しかし、横田にCV22配備すれば、沖縄に新たな負担をもたらすことになるんじゃないですか、防衛大臣。

○国務大臣(中谷元君) まず、何のためにCV22オスプレイが配備されるかということで、これは従来のヘリコプターに加えて速度が二倍、また搭載も三倍、行動半径四倍と高い性能を有しているということで、この配備はやはり米国のアジア太平洋地域の重視政策、リバランスと申しますけれども、これを実践するものでありまして、我が国の安全保障環境が激変する中で日米同盟に対する米国のコミットメントを内外に示すものでございます。

 そして、CV22が沖縄で訓練を行うかということでございますが、先ほども御説明をいたしましたとおり、輸送部隊でございますので、米各軍の特殊部隊を輸送することを主たる任務といたしているために、沖縄に所在する特殊部隊との訓練のために沖縄に飛来することはあり得るものと考えておりますが、こういった訓練等につきましては、沖縄の負担軽減ということで日本全体にそういうものは分散していくと、軽減をしていくということがございますので、その点につきましては、そのことについて念頭にやっていただきたいということで、政府の方からも要望してまいりたいと思っております。

○田村智子君 これ、辺野古がある沖縄の中部地域には、既に多数のヘリパッドがありますよ。北部地域ではやんばるの森まで切り開いて新たなヘリパッドが造られていますよ。そして、特殊部隊の隊員も沖縄に配備されている。これでCV22の訓練しないことなんかまずあり得ません。どこが沖縄の負担の軽減なのか。新たな負担の押し付けじゃありませんか。

 先ほどからの答弁では、日米合意が守られる、住民へは十分配慮すると言いますが、沖縄では夜十時以降の訓練は行わないとか、市街地をヘリモードで飛ばないなどの日米合意違反は再三指摘をされています。

 私も先週沖縄に行ってきました。名護市の久志地区、住宅地のすぐそばにヘリパッドがあって、オスプレイの離着陸訓練が繰り返されています。保育所からも着陸と離陸を繰り返す訓練がはっきりと見える。この写真は沖縄工業高等専門学校、沖縄高専、その上空を飛ぶオスプレイです。学校は飛行を避けるというのが日米合意のはずです。住民の皆さんは、夜間の訓練が常態化している、いつ事故が起きてもおかしくない、低周波の圧迫感で不快で日常生活崩されていると本当に怒りを募らせている。これでも日米合意は守られている、住民への配慮は十分行われているというんですか、防衛大臣。

○国務大臣(中谷元君) 平成二十四年九月の日米合同委員会の合意によりまして、MV22オスプレイの飛行につきましては、二十二時から六時までの間は運用上必要と考えられるものに制限をされ、夜間飛行訓練は任務の達成や練度の維持に必要な最小限に制限される旨合意されているところであります。これまでも、MV22による夜間飛行については、政府としても米軍が日米合意に基づいて運用上必要なものとして行っていると認識をいたしております。

 また、防衛省といたしましては、平成二十四年にMV22が普天間飛行場に配備されて以降、沖縄防衛局が目視や撮影などによりましてMV22の飛行状況の把握に努めているところでありまして、これまでのところ、日米合同委員会に違反したものがあるとの確証は得られておりません。

 オスプレイの配備は我が国の安全保障にとりまして大変意味があるものと考えておりまして、その飛行運用に際しては、安全確保はもとより周辺住民の方々の生活への最大限の配慮が大前提でございまして、今後とも、米側に対しては周辺住民に与える影響を最小限にとどめていくように働きかけをしてまいります。

○田村智子君 夜間の訓練は防衛省だって確認しているはずですよ、十時以降の。

 六月十日、普天間基地でオスプレイを担当する航空安全担当官クリストファー・ディマース少佐に日本記者クラブ沖縄取材団が取材をしています。ディマース氏は、日米合意について次のように言っています。必ずしも法的拘束力を持つわけではない、安全に飛行するために定められた別の飛行基準に従って飛ぶ。沖縄タイムスや琉球新報で大きくこれ報道されています。このことを日本政府承知していますか。問いただして抗議すべきだと思いますが、外務大臣、いかがですか。

○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘の航空安全担当官の発言ですが、御指摘のように、この発言が大きく取り上げられました。ですので、政府としましては、その発言の後、米側に再確認をいたしました。

 米側に確認しましたところ、普天間飛行場の航空安全担当官がこの本件合意の内容を否定するような発言を行ったわけではなく、米側として同合意を遵守する必要がないとの認識を有しているということでもない、そして、米側として、米軍機の運用に当たっては安全性の確保が最も重要であると認識しており、同合意を含む日米合同委員会合意を引き続き遵守する、こうした説明を受けました。

 御指摘のこの航空安全担当官の発言の後、改めて日本政府として米側に確認をした、その回答が以上申し上げたとおりであります。

○田村智子君 これ、抗議はしたんですか。記者クラブの誤報だとでも言うんですか。

 では、外務大臣、もう一度。

○国務大臣(岸田文雄君) この航空安全担当官の発言が報じられました。我が国としましては、その発言を確認しなければなりません。そういったことから米側にこの確認を行ったところ、先ほど申し上げましたような説明を受けたところであります。

○田村智子君 これ、日米合意がこれほど軽んぜられた発言があったんですよ。あったから報道されているんですよ。それに対して抗議もしない。そして、県や自治体や住民がどんなに日米合意違反を指摘しても、それはやむを得ない訓練だったら例外はあるんだという。これでは、首都東京でも沖縄でも日本全国でも、CV22の危険な訓練、これやりたい放題になると思いますが、総理、いかがですか。こんな危険な訓練に日本国民さらすんですか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 既に防衛大臣から答弁をさせていただいておりますように、日本国内における飛行運用に際しては、地域住民に十分に配慮し、最大限の安全対策を取ることとしておりますし、既に配備されているMV22オスプレイに関する日米合同委員会合意の内容を含め、既存の全ての日米間の合意を遵守する旨明言をしているわけでございまして、しっかりと米側にはこの遵守という約束を今後とも守っていただきたいと、このように思っている次第でありますし、日米合意が適切に実施されるよう米側との間で必要な協議を行っていく考えであります。

○委員長(小坂憲次君) 田村智子君、質問時間が終了しております。

○田村智子君 これ先ほど防衛大臣の答弁にもありましたが、CV22の配備で自衛隊との相互運用性、これますます増加する、協力していくんだという。この横田基地には、二〇一二年、自衛隊航空総隊の司令部が移設をされています。戦術の調査研究……

○委員長(小坂憲次君) 質問時間が終了いたしております。

○田村智子君 作戦に向けた情報収集など、新たな部隊もつくられています。佐賀空港には自衛隊のオスプレイ配備するという、戦争法案を先取りして、米軍の特殊作戦にまで自衛隊が深く関わるような体制つくられていく、こんなこと絶対に許されない、このことを申し上げて、質問を終わります。

    

 


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