日本共産党 田村智子

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徹底分析 --2003年度国家予算案と自治体・住民-- 福祉・社会保障

 社会保障予算の総額は、18兆8,991億円で、前年比7,139億円3.9%)の増額です。しかし、高齢者人口の増加などによる当然増は、9,000億円と推計されており、政府案は実質2,000億円もの削減となります。医療、年金、介護、社会保障全般にわたり、国民の負担を重くするものです。
 負担増がどのような分野でおこなわれるか、また地方自治体にかかわる施策について、主な内容を紹介します。

医療改悪----1兆5,000億円の国民負担増

 医療費の国庫負担は、前年度比3,125億円増の7兆7,521億円ですが、昨年の医療改悪による国民負担増は、1兆5,100億円にものぼります(厚生労働省の試算、2003〜07年度の単年度平均、表1参照)。
 医療費負担では、すでに昨年10月から、70歳以上のお年寄りの医療費の定率一割負担(所得によっては二割)が実施されましたが、昨年10月から11月のお年寄りの通院1件あたりの医療費は、一年前にくらべ11.8%減と大きく落ち込み(日本医師会の「緊急レセプト調査」)、「患者の負担増で診療内容が影響を受けた」とする医師が約五50%にものぼる(全国保険医団体連合の調査)など、深刻な受診中断や受診抑制が生じています。
 4月からは、サラリーマン本人の医療費負担を3割(現行2割)に引き上げるとしていますが、受診抑制による健康悪化が国民的に広がりかねません。
 政管健保の保険料引き上げも、4月から実施されます。会社員等でみれば、平均で年収の7.5%→8.2%への引き上げです。
 国民健康保険では、公的年金等特別控除が廃止され、年1万数千円もの負担増が年金生活者に強いられることになります。保険料引き上げにょる負担増は、総額1兆300億円(政管健保5,700億円、国保3,200億円、健保組合1,400億円)が見込まれており、庶民増税とあいまって、個人消費の落ち込み、さらなる景気悪化をまねきかねません。
 すでに、不況の影響で国保の保険料滞納世帯が急増しており、保険証の取り上げ(資格証明書発行)も22万5,000世帯に達しています(2002年6月)。保険料負担軽減こそ急務です。
 こうした医療改悪に反対する声は急速に広がっています。日本医師会・日本歯科医師会・日本薬剤師会・日本看護協会が一致して、本人3割負担凍結、高齢者の自己負担軽減などを掲げて、運動に立ち上がるという、かつてない変化も起こっています。野党4党も4月からの本人3割負担凍結の法案を衆議院に共同提出し、通常国会前半の大きな争点となります。

介護保険----お年寄りの負担さらに重く

 介護保険制度のスタート以来、初めての介護保険料の改定がおこなわれ、4月実施となります。介護保険制度は、給付費(介護保険の費用総額から利用者負担分を除いたもの)の半分を保険料負担としているため、介護サービスの費用が増えるほど、保険料が値上げされるという矛盾があります。03年度予算では、65歳以上を対象とする一号保険の保険料収入を11.7%増の8,600億円と見込んでおり、お年よりの介護保険料負担は、いっそう重くなるものと思われます。40〜64歳の二号保険でも値上げが見込まれます。
 民間の調査では、8割以上の自治体が一号保険料を引き上げると回答、年額2,500円超の値上げが全体の6割を超えています(「朝日」介護保険全国調査、1月28日発表)。
 自治体からも「高齢者が保険料を納められなくなる」と危惧する声が高まっているのにたいし、厚生労働省は自治体の独自の減免制度にきびしい制約をしめすなど、つめたい政治に徹しています。地方自治体が、住民生活をまもる役割を果たせるかどうかが、問われ 険料の急騰が見込まれる小規模自治体については、助成をおこなうことが検討されています。

利用者負担の増大

 介護報酬の改定も4月からの実施となりますが、介護保険では介護にかかる費用の1割を利用者負担としているため、今回の改定で利用料も大きな影響を受けることになります。
 大幅な引き上げとなるのは在宅介護で、家事援助などの生活援助は26%の引き上げです。ホームヘルパーの労働実態に照らせば、介護報酬の引き上げは必要ですが、利用料の大幅値上げがおこなわれれば、受けたい介護も控えるという事態が生じかねません。利用者負担の軽減策が求められます。
 また、介護保険制度実施以前から訪問介護を利用していた人については、これまで、利用料を介護費用の3%とする特別対策がとられてきましたが、利用料負担を段階的に引き上げ、2005年度までに一割負担とするため、2003年度は6%と二倍に引き上げます(国庫負担分10億円、地方自治体負担分10億円をあわせた20億円が利用者負担増)。該当する利用者は16万人程度(02年2月時点)です。
 施設サービスの介護報酬は、平均4%の引き下げとなりました。施設での人件費切り詰めにいっそう拍車をかけることになりかねません。また、要介護度の低い人ほど下げ幅が大きいため、「軽度の人は入所しにくくなる」との懸念も出ています。

介護サービスの基盤整備

 「ゴールドプラン21」にもとづきすすめられている介護関係施設の整備費は、2003年度予算が1,050億円、02年度補正との合計額で1,320億円です。02年度予算と01年度補正の合計額は2,060億円であり、そのわずか64%という規模です(表1)。
 「介護予防・地域支え合い事業」(介護予防・生活支援事業の名称を変更)は、前年度比50億円減の450億円となっていますが、生きがい活動支援通所事業(高齢者のデイサービス事業など)の人件費相当分を、地方交付税による措置など一般財源化したことによるものです。

年金----初めての給付減額

 年金給付国庫負担金は、5兆6,248億円で前年度比1,365億円の増額となっていますが、物価スライドを発動し、3,700億円規模(物価下落率0.9%、満年度ベース)の国民負担増をねらいます(表2)。過去三年間、物価下落はありましたが、景気低迷を理由に物価スライドは凍結していました。しかし、人件費抑制などで、現役世代の賃金が低下していることを理由に、03年度は年金給付額を下げようというのです。この間、将来の年金給付を引き下げる改悪がおこなわれてきましたが、現在給付している年金を引き下げるのは、制度はじまって以来初めてのことです。
 年金給付額は、厚生年金(会社員世帯の標準的な年金額)で23万8125円→23万5,992円、国民年金(老齢基礎年金)で6万7,017円→6万6,417円の引き下げです。
 年金額の引き下げは、天引きされる介護保険料の値上げとあいまって、高齢者の生活を圧迫することになります。

障害者施策----「新プラン」・支援費制度の初年度

 「新障害者プラン」(2003〜07年度)の初年度であり、4月から障害者支援費制度もスタートします。しかし、障害者施策全体の予算は、わずか0.9%増(ただし支援費関係は11カ月分)とあまりに不十分です。
 厚生労働省は、措置制度から支援費制度へ移行することで、「障害者が必要なサービスを選択できる」と強調していますが、支援費制度の対象となる施設・事業所が1カ所もない市区町村が14.6%にものぼっており(「きょうされん」調査)、「選択などできない」のが実態です。緊急かつ計画的・集中的な基盤整備が必要です。

新障害者プランによる基盤整備

 障害者施策の基盤整備のための予算は、「プラン」の初年度として、1,301億円が計上されています(2002年度補正予算で別に78億円)。ほとんどすべての分野で前年度比で増額となっていますが、とくに在宅サービスを重視しています(表3)。
一方で、障害児通園(デイサービス)のための予算は、前年度比で減額(31億8,300万円→26億8,200万円)となっています。障害児への予算は、他の分野でも一般財源化がおこなわれるなど、国の責務を後退させています(後述)。

新たな矛盾を生む支援費制度

 支援費の予算枠は、3,212億円(在宅516億円、施設2,697億円。いずれも11カ月分)です。支援費制度のスタートにさいし、障害者団体などのサービス水準切り下げへの不安たいし、厚労省は、「これまでの公費負担水準を維持する」など、予算上は措置制度からの激変はないと、くりかえし説明してきました。
 しかし、ホームヘルプ事業について、前年度比5%増(11カ月分、通年ベースでは14.5%増)の291億2,200万円を計上をしたものの、地方自治体への補助金算定基準として、障害別に時間数を定める方向をしめしました。
 「事実上の上限になりかねない」と、障害者団体から強く抗議され、日本共産党議員団も申し入れをおこなうもとで、03年度は、「移行時」として、「従前額を確保する」こととなりました。生活支援の根本にかかわる問題として、いっそう充実させていくことが必要です。
 障害者の総合的な相談・生活支援をおこなうために推進してきた「市町村障害者生活支援事業」、「障害児(者)地域療育等支援事業」は、一般財源化(2002年度は前者が21億円、後者が35億円)され、新障害者プランの目標からも外されてしまいました。02年度までの設置目標は、各690カ所(人口30万人あたり概ね2カ所)ですが、01年度末で前者が215カ所、後者は390カ所と、どちらも目標にはほど遠い達成率であり、一般財源化は目標達成への国の責任を放棄するものです。
 なお、すでに事業実施の準備をすすめている自治体にたいしては、「障害者地域生活推進特別モデル事業」(2カ年)として補助するとしています〔5億8,000万円、1カ所あたり1,500万円で補助率2分の1)。
 知的障害者の入所施設について「日用品費」が必要経費からはずされたことにより、月1〜2万円も利用者の負担増となります。03年度は引き上げ幅を半分にし、2年かけて当初案どおりとする計画です。また、施設利用料の上限負担額の引き上げも問題です。

障害者雇用、活動の場の保障

 小規模通所授産施設(定員10人以上)への運営費補助(1カ所あたり年1,100万円、国・地方各2分の1補助)を397カ所増の637カ所とします。一方で、無認可小規模作業所への助成(一カ所あたり年110万円)は、278カ所減となります。現在補助を受けているのは、約6,000カ所ある作業所の半分に過ぎません。障害者の活動の場を保障するために、補助対象、補助金額ともいっそうの充実が必要です。
 障害者雇用対策の予算は、前年度比1億円増の142億円にとどまりました。職場適応援助者(ジョブコーチ)による事業の対象を2,400人→3,000人、障害者試行雇用事業の対象を2,200人→3,200人、特定求職者雇用開発助成金での精神障害者の雇い入れ促進のための予算が2億8,000万円→5億6,000万円などとなっています。

社会参加の推進、その他

 超党派の議員立法で成立した身体障害者補助犬法にもとづき、盲導犬に加え、介助犬、聴導犬の育成をはかります。市町村障害者社会参加促進事業(手話通訳者派遣など市町村が行うメニュー事業。補助率は3分の1)は、前年度までの実施が予算を下回り、10億円減額の18億2,000万円となりました。実際にはさまざまな活動への支援が求められており、市町村への徹底が求められます。
 年金未加入のまま障害者となったために、障害年金が支給されない無年金障害者の早急な解決が求められています。初めて実態調査予算が盛り込まれました。日本共産党議員団が、長年にわたって国会審議で取り上げてきたものです。

保育・子育て支援

 保育所関連予算は、4,902億円で、前年度比1.0%増と微増です。政府は、安上がりな120%以上が過去3年間常態化している保育所について、超過定員を定員に改定するよう求めています。これは、保育室の面積などを定めた「最低基準」を、事実上「最高基準」としかねないもので、重大です。

保育所整備

 保育所運営費は、受け入れ児童数を200万人(前年度比4.5万人増)として、149億8,900万円を計上しています。保育所緊急整備費は156億円で、2002年度補正分とあわせると241億7,100万円となり、前年度の予算・補正合計額とくらべて124億円減額となっています。廃止される公立学校の保育所への転用を、新たに補助対象とします(補助率2分の1)。
 障害児保育は、障害児4人で保育士1人の加配としてきましたが(2002年度33億円)、これを一般財源化します。地方交付税で措置するとしても、これを機会に、障害児の受け入れを困難とする危険性があり、日本共産党国会議員団も撤回を申し入れています。
 保育所分園推進事業に、保育所以外の場所を一時保育等に活用する事業を加えます。補助単価は、初年度・設備分50万円、経常費分・年60万円です。
 新規施策として、特定保育事業をおこないます(14億9,200万円)。三歳未満児(1,1000人)を対象に、週2・3日程度、または、午前か午後のみの入所を可能とします。受け入れ児童は定員外の扱いとなり、特定保育のための施設整備と人件費を補助します。

学童保育

 放課後児童クラブへの補助は、8.0%増の74億3,200円です。国庫補助対象施設を800カ所増やして1万1,600クラブとしますが、保育所に入所していた新一年生のうち学童保育への入所は4割程度にとどまっており、抜本的な増設が必要です。
 補助単価の劣悪さも問題です。ところが2003年度は、児童数20〜35人の施設で303万円(国庫補助分はこの3分の1)と、前年度から2万7,000円減額されます。実際の運営には、1,000万円程度が必要との調査もあり、常勤指導員の雇用を保障するうえでも改善が求められます。
 障害児受け入れ加算を「4人以上」から「2人以上」に改善します。加算額は、142万円(補助率2分の1)です。土休日開所は、年間とおして全土曜日開所に該当する日数に、補助金加算とします。

地域の子育て支援、その他

 地域の子育て支援体制の強化として、74億円を計上しています。新規施策は、市町村地域子育て支援推進強化事業(9億9,700万円)で、市町村の子育て支援サービス情報を一元化して提供する「子育て支援総合コーディネーター(仮称)」の配置、小学校区ごとに子育て支援委員会を設置し事業の企画立案などがおこなわれます。子育てサークルや育児相談をおこなう地域子育て支援センターの整備は、2,700カ所、47億円が計上されています。

児童扶養手当はさらに削減

 母子家庭施策全体の予算は、2,700億2,200万円で、前年度比0.2%の微増です。
 児童扶養手当は、2,593億6,900万円で、前年度比43億7,500万円が減額されます。手当額は、昨年8月の制度改悪につづき、物価スライド適用で減額となります(10月実施)(表2)。
 その一方で、母子寡婦福祉貸付金は、21.3%増の60億3,000万円と大幅に拡充していますが、これは、手当額を削減して借金(貸付金)することを求めることであり、「自立支援」に逆行するものです。
 就労支援策は、「自立支援給付金」(教育訓練費への給付など)の対象が2万人、「試行雇用」(1〜3カ月の短期試行雇用を実施する事業所に月5万円を支給)は、2002年度補正分をふくめても、5,000人足らずで、常用雇用転換奨励金(パートタイムとして雇用し常勤雇用に転換した事業主に一人あたり30万円支給)は、わずか350人程度を見込んでいるにすぎません。児童扶養手当受給者約70万人とくらべて、あまりに貧弱です。
 母子寡婦福祉法の改正により、都道府県・市及び福祉事務所を設置する町村に「母子・寡婦自立支援計画」の策定が求められます。その他、就業・生活支援を総合的におこなう母子家庭等就業・自立支援センター事業が創設(96カ所)されます。

生活保護----2002度必要額からも減額

 生活保護予算は、1兆5,217億円、前年度予算からは10.0%増としていますが、2002年度の必要額(02年度の当初予算と補正予算を加えた額)は1兆6,775億円ですから、実質9.3%減となります。深刻な不況のもとで、受給者は急激に増えつづけており、2003年度は、約2万6,000人の増加で105万6,051人を推計しているにもかかわらず、予算額はきびしく抑え込んでいます。
 物価スライド適用による支給額減額(表2参照)や、さらに生活保護の「適正化」により、計200億円を削減するとしています。昨年3月には、すでに「適正化」の名のもとに、生活保護受給者の通院日数を減らしたり、長期入院患者の退院を促進するよう指示する通達まで出しています。不況のもと、生活を支えなければならない事態は多方面にみられるにもかかわらず、生活保護予算を抑え込むことは、問題です。

その他

児童虐待・DV対策

 2003年は、2000年から施行された児童虐待防止法の見直しの年となります。法施行後、児童虐待の報告件数は急増(2001年度2万4,000件)しており、防止、救済等の施策の充実が求められます。児童虐待対策予算は47億9,000万円(49.5%増)とされていますが、このほとんどが、前述した地域子育て支援施策と重なっています。主な施策は、地域で相談支援をおこなう児童家庭センターの拡充(50→70カ所)、地域小規模児童擁護施設の拡充(20→40カ所、保健師・助産師資格者への専門研修と相談事業への活用(40カ所)などです。前述の法律見直しのための専門委員会も設置されます。
 配偶者からの暴力(DV)への対策予算は、母子家庭対策予算(前述)をふくめた予算枠で、14億200万円(19.4%増)となっています。新規施策は、小規模分園型(サテライト型)母子生活支援施設の創設(16カ所、4,800万円)、婦人相談所や福祉事務所で被害者相談に従事する職員への専門研修などで、19.4%増です。

難病への医療費補助

 難病医療補助(特定疾患治療研究事業)予算は、30億円増の213億円です。しかし、患者の重症度や所得により、自己負担を増やす方向を盛り込んだ難病対策委員会「中間報告」を受け、昨年12月から所得や治療状況に応じた段階的な一部自己負担が導入され、さらに2003年10月からは、通院のみで就労可能な軽症の期間にあるものは、一般医療の扱いにしようとしています。

ホームレス対策

 昨年末「ホームレスに関する特別措置法」が成立したことをふまえ、予算は2倍以上に増額(13億5,000万円→27億円)しました。緊急一時宿泊事業(シェルター事業)は、2,500人分→3,100人分としていますが、実態に照らせば徴増です。そのほか、ホームレス総合相談推進事業を創設して、ホームレス総合相談推進協議会13カ所、巡回相談指導チーム20チームなどを設置します。技能講習や試行雇用事業も創設します。
 2002年度補正予算でも5億円を計上し、緊急のシェルター整備、医薬品や毛布の支給などをおこないます。

食品安全対策の整備

 食品安全対策は、総額165億円で、前年度比15%増です。食品の安全が多方面で問題となるなかで、大幅な増額となりました。
 残留農薬基準の策定、食品添加物の安全性確認の徹底は、4.3倍の7億3,000万円が計上され、国内で登録されている農薬約350種類について残留基準を決めるとしていますが、国際的には、700種類程度あることから、対策が急がれます。食品添加物については、これまで経験的に使用を認めてきたものについても、安全性を再確認します。
 輸入食品の安全対策予算は、24%増の16億4,000万円です。輸入食品のモニタリング検査を、51,703件→72,989件に増やし、食品衛生監視員(検疫所)も283人(15人増)とするとしていますが、現在の検疫率は3%程度であり、輸入食品をめぐる問題が多発しているもとで、あまりにも不十分な体制といわざるをえません。
 食品規格基準などの整備予算は、1億1,600万円で約10倍の増額です。食用肉の0157類の汚染物質などを計画的に実施します。新たに、食用品器具やおもちゃなどの内分泌かく乱物質などの規格も整備します。環境ホルモン対策の一歩として重要です。

原爆被爆者の援護等

 原爆諸手当は、物価スライド適用により支給額が減額となります。昨年の大阪高裁判決を受けて、国内で認定を受けた後に出国した在外被爆者にたいして、新たに国負担で手当支給をおこないます(総額8億1,600万円)。このほかに、介護保険自己負担を無料とする支援事業についても、在外被爆者を対象とする拡充がおこなわれます。
 戦傷病者・戦没者遺族への援護年金額は、恩給に準じて据え置きとなります。
 身元不明として、海外に埋葬されたままになっている戦没者等遺骨のDNA鑑定が、初めて実施となります。遺骨をもどしてほしいと、遺族が長年にわたって訴え、日本共産党議員団もくり返し国会審議で強く要求していました。