日本共産党 田村智子
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【13.08.13】筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群の重症患者の実態及び医療・福祉施策に関する質問主意書・答弁書

参議院議員田村智子君提出筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群の重症患者の実態及び医療・福祉施策に関する質問に対する答弁書(8月13日閣議決定)

一について
御指摘の「筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群」が何を意味するのか必ずしも明らかではないが、慢性疲労症候群については、平成二十四年度の厚生労働科学研究において、医療機関を対象に患者の実態調査を行っており、厚生労働省としては、慢性疲労症候群の患者をできるだけ幅広く調査の対象とすることも含め、今後の実態調査の在り方について検討してまいりたい。

二について
慢性疲労症候群については、平成二十五年度から、厚生労働科学研究において、病因病態の解明並びに診断方法及び治療法の開発に関する研究を行っているところであり、厚生労働省としては、当該研究の結果及び専門家の意見等を踏まえつつ、患者に対する適切な施策について検討してまいりたい。

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筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群の重症患者の実態及び医療・福祉施策に関する質問主意書(8月2日提出)

筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(以下「ME/CFS」という。)は、それまで健康な生活を送っていた人に、突然生活が著しく損なわれるほど強い疲労が持続し、通常の日常生活を送れなくなる病気で、原因が不明であり、有効な治療法は確立されていない。世界保健機関の国際疾病分類において神経系疾患と分類されており、国内の患者は数十万人と推定されている。専門医が非常に少なく、診断さえつかず適切な治療を受けられず苦しんでいる患者も多い。さらに、寝たきり若しくはそれに近い重症患者もかなり存在し、経管栄養に頼らざるを得ない方もいらっしゃるが、慢性疲労症候群という名称によって、この疾患の深刻さが矮小化され、神経系疾患であるにもかかわらず、「怠け病」や精神疾患のように誤解されることが多く、患者は偏見と無理解に苦しんできている。
国際慢性疲労症候群/筋痛性脳脊髄炎学会(IACFS/ME)は、ME/CFS患者の約二十五パーセントが寝たきりに近いか、ほとんど家から出ることのできない重症患者であると指摘している。日本でも実態調査は行われているが、あくまでも医療機関を受診することができる患者に限られ、動くことさえ困難なME/CFSの重症患者については、その数や生活の状況等が十分に把握されておらず、医療、福祉など国による適切な施策の対象ともなっていない。
ME/CFS患者の実態把握とともに、それに基づいた適切な施策を行う必要がある。
この観点から以下質問する。

一 全てのME/CFS患者を対象とできるように、患者会の意見も反映させた寝たきり、若しくは、ほとんど家から出ることのできない重症患者の数や生活実態などを含めたME/CFS患者の実態調査を行うべきと考えるが、いかがか。

二 前記一の調査の結果なども踏まえて、ME/CFS患者の医療や福祉分野において適切な支援が受けられるようにすべきだと考えるが、政府の見解を明らかにされたい。

右質問する。