日本共産党 田村智子
ニュース

【13.05.23】厚生労働委員会 丸川珠代政務官 ヒューマントラスト意見広告問題について

○田村智子君 四月二十五日の委員会質疑で、私は、ヒューマントラスト社は法令違反を犯していることを指摘をいたしまして、調査と是正指導を求めました。丸川政務官も、問題があれば正すのは当然だとお答えいただきました。
 給与即日払いサービスと銘打ちながら、実際は手数料徴収をする貸付制度のキュリカ、労働基準法で使用者に義務付けられている労働条件通知書の作成までヒューマントラスト社が請け負う偽装日々紹介のまとめんCA、これらについてヒューマントラスト社を調査し、是正指導したのかどうか、厚労省、お答えください。

○政府参考人(中野雅之君) お答え申し上げます。
 労働関係法令上の問題がある場合につきましては厳正に対処するとの観点から、監督指導は適切に行うとの方針の下で臨んでいるところでございますが、個別の事案につきましては回答を差し控えさせていただきます。

○田村智子君 これ単なる個別案件ではないんですよ。丸川政務官が広告に出た企業で、この委員会はそのことが不適切であるということに基づいて行われている委員会なんですよ。調査したのか、是正指導したのか、ちゃんとお答えください。

○政府参考人(中野雅之君) 個別の事案につきましては回答を差し控えさせていただきますが、いずれにいたしましても、労働基準法の遵守を図るための監督指導につきましては、これを適切に行っていくという方針で臨んでいるところでございます。

○田村智子君 ヒューマントラスト社のホームページ、全く変わっていません。相変わらず、給与即日払い制度キュリカ、銘打たれています。企業に違法行為をあっせんする偽装日々紹介のまとめんCAも掲示をしたままなんです。問題を指摘してから一か月なんですよ。参考人としての出席も求められている経緯から、この委員会での質問内容をヒューマントラスト社が知らないはずはありません。そして、委員会で取り上げられた問題、今個別でお答えできないと言いましたけれども、その法令違反を厚労省がそのままにするはずもないんですよ。それでも、まとめんCAの紹介ページでは、日々紹介事業だと、こう言いながら、派遣法改正後も今までと同様の業務効率運営が可能日雇派遣をと大きく銘打ったままなんです。
 私、これ、今回、丸川政務官がこういう会社の宣伝に出たと。非常に悪質なんです。これ日経新聞に一日だけの広告が掲載されましたで終わらないですよ。だって、この下は誰に対する営業広告かというと、まとめんCAなどを使いましょうという企業に対する広告ですよ。私がもしヒューマントラスト社の営業をやるとしましたら、当然これは営業の資料にします。それで、例えば偽装日々紹介のまとめんCA、これおたくのところで使いませんか、相手企業がそれって法令違反にはならないんですか、大丈夫です、政務官が私どもの広告に出ておりますと、こういうふうに使われる可能性は非常に大きいんです、一体ですから。
 丸川政務官、どうされますか。これ、私、この委員会の中で謝るだけじゃ済まない問題で、そうやって違法行為をあっせんすることに事実上片棒を担ぐという形になっているんですよ。対外的にあなたがこれは不適切だったということを大々的にアピールしなければ、違法行為の片棒を担いだままになりますよ。どうしますか。

○大臣政務官(丸川珠代君) まず、今回の件に関しまして各党の皆様から厳しい御指摘をいただくことになったことについては私自身大変申し訳ないと思っておりまして、以後こうしたことが起きないように十分気を付けたいと思いますし、私自身も、自分の判断としてこれをまずやるべきだったということについて、やるべきだったというのは、つまり自分自身で判断をすべきだったということについてはおわびを申し上げたいと存じます。
 加えて、違法かどうかということについては、これはもう分かっていらっしゃって聞いていらっしゃると思うんですけど、個別の判断になるので、まず回答を差し控えなければならないということに加えて、これ、公表すること自体、まず公表するということが一つの処分に当たるということもお分かりだと思いますけれども、それに該当するものかどうかということをまず調査をしなければなりません。それから、調査をするということを言うこと自体が証拠の隠蔽につながるというような可能性もあるので、まずもって個別の事案については回答を差し控えなければならないという状況にあります。
 ただし、私、この前、委員会で指摘をいただいてから、問題があれば厳正に対処してくださいということは改めて厚生労働省に指示しましたし、必要な調査はどんどんやってくださいということもお願いをしております。

○田村智子君 いや、聞いたことに答えていないんですよ。
 じゃ、疑いでもいいんですけど、明らかにもう違法だろうと疑われることの営業活動に今もあなたが使われている可能性があるわけなんですね。
 大臣、午前中の質疑で、この委員会が法案審議ができないような状態になっていることは大変申し訳ないと言われまして、私もそのとおりだと思いますよ。でも、事はそれにとどまらなくて、ヒューマントラスト社の広告掲載後、丸川政務官も厚労省も抗議さえしていないと。そのヒューマントラスト社は、厚労省は恐らく是正指導していますよ、当然、その是正指導もものともせずに違法行為をいまだホームページでアピールしたままなんですよ。監督官庁の政務官が登場して協力している会社なのかなと、そういう疑いさえ出てきちゃうじゃないですか。大臣、これどうされますか。この広告、このままでいいんですか。大臣にお伺いします。

○国務大臣(田村憲久君) 担当部局がしっかりと違法なものに対しては対応をするということになろうと思います。

○田村智子君 いや、それだけで済まないですよね。それだけで済まないんですよ。そんなことは国民的に知られないんですよ。国民的に、全国的に知られているのは、ヒューマントラスト社の広告に丸川政務官が出たということなんですよ。そのままでいいのかってことなんです。大臣、もう一度お願いします。

○国務大臣(田村憲久君) いろいろと今お話がございましたけれども、違法であるというような広告に出ておれば、それは問題もあろうと思いますけれども、違法かどうかも含めて、違法なものに対してはしっかりと厳正に対処をしていくということであります。

○田村智子君 切り離された問題ではないんですね。その重大性をもっと認識していただかなければならないと思います。
 この対談の企画は日雇派遣への規制に相当な関心を持って行われたというのは、阪本社長が改定派遣労働法について日雇派遣原則禁止のことだけ取り出して話をしていると、こういうことからも明らかなんです。丸川政務官も、この意見を受けて、抜本的な改定の方向を派遣制度の在り方に関する研究会で議論していると、こうした上で、研究会での独立した検討項目にもなっていない日雇派遣を真っ先に例示しているわけです。そうすると、これは、ヒューマントラスト社の広告であると同時に、言わば日雇派遣原則禁止に物申すという、そういう意見広告にも取れるわけですよ。
 選挙を前にした御自身の宣伝効果があると、こういう判断があったのは私、当然だと思うんですけど、加えて日雇派遣の原則禁止は問題があるという、丸川政務官、議員時代からの持論をアピールできると、だから政務官になってもこういう広告に出るんだという最終的な判断されたんじゃないかと思うんですけど、政務官、いかがですか。

○大臣政務官(丸川珠代君) 日雇派遣につきましては、雇用期間が極めて短期でございまして雇用管理責任が十分に果たされない、また日雇派遣を行っている事業主の労働関係法令違反が社会問題化したことから、平成二十四年度に改正法を通しまして、国会で、原則禁止とされたところでございます。
 この経緯はもう私も百も承知でございまして、なおかつ労働者派遣制度については現在有識者から成る研究会で幅広く御議論いただいておりまして、四月二十三日に行われた第十二回の研究会においても、日雇派遣の原則禁止を含めて、改正労働者派遣法の施行状況についてきちんと議論が行われたと。いろいろな意見が出た中で、この制度がいいという意見も否定的な意見もあったし、幅広い議論をしましょうという意見もありましたしということでございました。
 今後も、様々な意見があることを踏まえて、引き続き研究会におきまして労働者派遣制度を取り巻く様々な課題について精力的に御議論をいただいて、まずは夏をめどに論点を整理していただくということになっております。

○田村智子君 全く私が聞いていることとかみ合わない御答弁なんですよ。阪本社長との対談企画に応じるか否かと。これは丸川政務官、午前中の審議で、自分は一切判断していないというちょっと驚くような御答弁でしたけれども、日程は勝手に事務所が押さえて対談の可否は厚労省が判断したと。これは驚くような答弁なんですよ。
 しかし、最初に阪本社長と直接話したときにこの企画を受ける方向だという反応をしなければ、事務所が仮置きであっても日程を置くはずはないでしょう、常識的に考えて。派遣会社の社長と短時間でも話をしたときに、先ほど一般的な女性の働き方についてお話ししたいというお話だったんですけれども、私、それでは済まないと思うんですね。日雇派遣原則禁止に当時丸川議員が真っ向から反論していたということは、これは阪本社長、知らないはずもないわけで、当然そういうことも話題になったと思いますよ。
 そうすると、大体、私、本当におかしいと思うのは、一月十一日の対談予定で、年が明けても何の連絡もないと。こちらから問い合わせて、一月八日に企画書が送られてくると。これが一流の経済紙の対談企画であるはずないと誰だって判断できると思います。こんなのまずあり得ないですよ。余りに失礼ですよ、政務官に対して。この時点で企画として相当に怪しいという判断は、これは御本人だって私できるはずだと思いますよね、常識として。だけれども、それでも断らないと。なぜかと。もちろん宣伝効果というのはあったと思います。加えて、やっぱり労働者派遣法の改定を急がせたいと。日雇派遣の原則禁止見直させることが必要だと。これは丸川議員にとってもまさに渡りに船というような企画だと、企画書を見れば。恐らく、そういうシンパシーも感じたんじゃないかというふうに思えるわけです。
 大臣、この広告の中身、日雇派遣だけ特出しなんです。阪本社長は、これはやっぱり、原則禁止でいろんな影響が出ているよということを否定的に述べているのはどういう文脈から読んでも明らかです。それにシンパシーを感じて丸川政務官が答えているのも文脈からもう明らかです。その原則禁止は、大臣が当時の田村憲久議員のときに修正提案をまとめられて、私たちの参議院のこの委員会に提案した中身なんですよ。それを一派遣会社の社長さんと一緒になって政務官が見直しが必要だという方向で広告に出ると。問題だと思うんですけれども、いかがですか。

○国務大臣(田村憲久君) あのときに衆議院でいろんな議論をさせていただく中で、日雇派遣に関しても各派各党で意見が違っておりました。日雇派遣で労働者の皆様方の権利を侵害するような行為、これは許されないというところでは皆が一致したわけでありますが、しかし、一方で、日雇派遣で働きたいと言われる方々のニーズがあるという御意見も各党の中にあってあったわけであります。
 そういうようないろんな御意見がある中で修正案という形でまとめ上げたのがあの修正案であり、あわせて、派遣業に対して更に検討をするべきであるというのが附帯決議だったと思いますけれども入ったわけでございまして、その中において今派遣法全体においての研究会が、議論がされておるということでございますから、流れを説明させていただきますとそういう流れであったということでございます。
 その中において、派遣というもの、特に日雇派遣に関しましても、どうやって日雇派遣を使って労働者の方々の権利を高めていくか、それはスキルアップしていくか、そういう議論がその国会審議の中であったのも確かでございますので、そういうことも含めて、丸川委員、委員といいますか、当時参議院議員でございますけれども、いろんな御発言をされておられたのではないかというふうに推測をいたしております。

○田村智子君 各党で意見が違うのは当たり前のことなんですけれども、政務官なんですよ。政務官という立場は、改定された中身が、私たちも不十分だと思っていますけれども、全然不十分だと思っていますよ。でも、少なくとも政務官という立場は、改正されたものを周知徹底するという立場であるべきなのに、その見直しを派遣業界と一緒になって求めるという、事実上そういう意見広告になっているんですよ。
 検討の過程の中で、私、答弁要求しなかったので生田さん答弁席に座っていないけれども、四月二十五日の御答弁の中で生田さんは、日経新聞の意見広告のようなものだと思ったと答えている。であればもっと問題だと思うんですよ。
 意見広告というのは、何の意見を示すのかということが問われるわけで、その意見に同調する人が出るわけですよ。政務官が派遣法の見直しを求めるような広告に加担したと思うんですけれども、丸川政務官、いかがですか。

○大臣政務官(丸川珠代君) このインタビューを受けるに当たって私が心したことというのは、どういう形で受けるにせよ、私は今組織の人間であるので、厚生労働省の見解とそごがないように答えようということで答えた上に、さらに、その記事の内容を厚生労働省に確認をしていただいたので、少なくとも厚生労働省の認識と私の認識とここにあるものとがそごを来しているというふうには思っておりません。
 ただ、こういう一体となる広告で一面で出てしまったということについては、これは、これを認識してなかったということについては非常に申し訳ないと思っておりますし、この記事のことが原因で今国会の議論が困難を来しているということについては大変申し訳ないと思っております。

○田村智子君 やっぱりこの広告違うんですよ。だって、派遣制度の在り方に関する研究会の中で、これまでも議論あったとおり、日雇派遣は独立したテーマになんかなってないし、この委員会での附帯決議の中で日雇派遣については周知徹底を図るという附帯決議しかないんですよ。にもかかわらず、見直しということで、言わばシンパシーでこういう広告になっているのはもう事実なんです。それは、日雇派遣についての丸川議員の並々ならぬ関心がこれまでも示されていたことからも、だから阪本社長があなたのところに対談を持ってきたということも、これ分かるんですよ。
 例えば、「人材ビジネス」二〇一三年一月一日号、そのまま読みます、省きません。丸川議員のインタビューです。
 現実に今、いわゆる日雇派遣は禁止されていますが、実はそもそもの派遣の発想からいくと、日雇派遣こそ派遣の最も必要とされる場面であるということになるでしょう。なぜなら、日雇派遣だからこそ派遣の得意とする短期の就労の確保が可能であり、また、短期だからこそ常用雇用に代替されることがないということが前提になっているからです。このように、現状の法制は実際の部分と建前の部分がねじれてしまっているのです。今回のこの研究会は、これらを抜本的に考え直す絶好の機会だと思いますと。
 日雇派遣をねじれを直して見直す絶好の機会だと、こういうふうにインタビューで答えておられるんですよ。それを阪本社長、知らないはずないです、派遣業界の方ですから、そういう主張を。これは政務官になる前のインタビューですけれども、やっぱりこのあなたの考えを、「人材ビジネス」は業界誌です、派遣業界の。それだけでなく全国紙である日経新聞の紙面を使ってアピールができる、世論に訴えることができると、こういう内容になっているのが明白なんですね。
 このインタビュー、丸川議員の考え、本当によく分かるので、この際、日雇派遣についてのお考えもお聞きしますけれども、日雇派遣こそ派遣の最も必要とされる場面ということは、日雇派遣などの短期の派遣こそ派遣業の真骨頂で、もっとこの働き方を活用すべきであるというお考えなんでしょうか。

○大臣政務官(丸川珠代君) まず、派遣という仕事についての法律がそもそもどういう成り立ちであったかということについて、今まさにその話の中で出てきたかと思うんですが、そもそもは常用に代替されないようにするということが派遣労働の目指した方向性であったと思います。常用に代替されないということは、つまり一時的に短期的に働くということであろうかと思いますので、その点について私はそこで述べております。
 日雇派遣については、原則禁止とする改正法が昨年十月より施行されたばかりでありまして、私もこのインタビューの中では、それを見直すべきだということは一言も申し上げておりません。現在、有識者なる研究会において御議論をいただいている状況の中で、厚生労働省として活用すべきというふうに、日雇派遣を活用すべきというふうに申し上げることは不適切であると考えております。

○田村智子君 政務官としてはそういう御答弁が当然なんですけど、この対談の中身はそうなってないです。特出しにして日雇派遣を研究会のテーマであるとあなたは言ってしまっているんですから、テーマになってないのに。
 この間、ずっと丸川議員は、政務官になる前であっても、日雇派遣はニーズがある、ニーズがあるものに規制を掛けるべきではないと、この対談記事でもアンダーグラウンドに潜るというふうに言われているわけですよね。私、非常に問題なのは、やっぱり日雇派遣原則禁止ということをもっとやらなきゃいけないと思っているんですけど、なぜそういう法改正が必要になったのかと。遵法的に行われたとしても、日雇派遣が余りにも非人間的な働かせ方だということだと思うんです。そのことを理解していないというふうに私は思えるんです。
 私、日雇派遣やっている労働者から情報を集めました。ニーズあると言いますけど、例えばこんな状況ですよ。
 短期の仕事を紹介するサイトで、この仕事をしたいと応募しようとすると、派遣会社への登録が必要になってしまうと。これを繰り返していくと、気が付くと二十社、三十社と派遣登録してしまうんだと。派遣登録したいんじゃない、この仕事をやりたいだけなんだと、こういう方がいます。
 それから、派遣会社に登録説明会へ呼ばれて行く、個人情報もいっぱい出して手続する。ところが、何か月も連絡がないと。こちらから連絡すると、今度は希望と違う仕事ばかり紹介されると。直接会社に応募できれば、仕事内容や条件が希望と合うのかどうか、採用か不採用か、それもすぐ分かるのにと、こういう声もありました。
 それから、日雇派遣。仕事に必要な備品や消耗品などは全部自分で持っていく。ドライバーや軍手は当然だと。こん包作業で消耗品であるテープとかカッターも、これも全部自分に買わされてしまうと。短期であっても直接雇用で働くときは、仕事を評価してもらって時給が上がるという経験もあると。派遣ではこれはあり得ない。普通以上に働くと、次の派遣の人がやりにくくなるからと逆にブレーキが掛かってしまう、これでは仕事にモチベーションもなくなってしまうと。
 今現在、省庁の関係で夜勤の仕事をしている人がいます。日雇派遣です。この人は、一つの仕事を二人組で派遣されたと。一人は週二日、もう一人は週三日というシフトで、一人が体調不良などで出勤できなければ、もう一人が出るようにという指示を受けたと。週二日だけでは、とてもじゃないけど生活できない。結局、派遣というのは、労働者の生活がどうなろうと構わない、その穴が埋まればいい、こういう働き方なのかと、こういう訴え、いっぱいあるんです。いっぱいあるんです。
 原則禁止に、物すごく不十分だけど、ちょっと踏み出した。周知徹底もできていない。ところが、それを、一派遣業界の会社と一緒に会って、見直しが必要だという事実上の意見広告に登場する。どうですか。日雇派遣のニーズって、これは労働者にとってニーズあると言えるんでしょうか。企業はニーズありますよ。こんなおいしい話ないですよ。遵法的にやったってこれが実態です。どう思われますか。

○大臣政務官(丸川珠代君) まず、ニーズのあるものに規制を掛けるなと言ったわけではなくて、ニーズのあるものに対しての規制の掛け方、方向性というのはどういうものがふさわしいかという問題提起をしただけでありますので、そこのところはよく御理解をいただきたいと思います。
 それから、今おっしゃった実態というのは、私が直接聞いたわけではないので、是非また直接お伺いしたいなと思うところでございますけれども、そのような問題が、派遣のみならず、例えば日々紹介といった形でも起きるかもしれない、また、直接雇用だから、間接雇用だからということではなく起きる問題も含まれていると思いますので、よく勉強させていただきたいと思います。

○田村智子君 そういう、何というのかな、政務官として、やはり私、この広告は明らかに日雇派遣を特出しにした見直しを阪本社長が主張する広告であることは間違いがないんです。それで、日雇派遣の労働者の現実の問題を労働者の立場で語ることもなくですよ、語ることもなく、規制の掛け方という問題にして見直しが必要だという主張をあなたはされているわけですよ。これが厚生労働省の政務官の役割なんだろうかと、私、本当に腹立たしく感じてくるわけですね。
 先ほど、派遣というのは常用代替にならないことが必要だというふうに言いました。でも、実態は違いますよ。日雇派遣という働き方さえも常用代替に置き換えられているというのが現実じゃありませんか。先ほど、省庁の夜勤の話をしましたけれども、あれもう六か月ぐらいずっと、もっとですよ、もう年間続く仕事ですよ。
 何で私が日雇派遣と言うかというと、ずっと続くんだけど、一か月ずつの契約なんです。そうすると、二月は日雇派遣ですよ、三十日以内だから。五月は日雇派遣じゃないかもしれない、三十一日だから。六月はまた日雇派遣なんですよ。事実上、日雇派遣がこうやって常用代替に置き換えられていると、その認識さえあなたはないんですよ。
 派遣法の元々の成り立ちは短期の仕事じゃないです。専門的な仕事に特化されていると、その働き方を保障するんだということで極めて限定的につくられたんですよ。その認識も、あなた、ないわけですよ。私、本当にこれ驚いてしまいます。
 大臣にもう一度お聞きしたいんですよ。こうやって日雇派遣のやっぱりこの働き方を、何というか、規制の在り方等、労働者の立場に立たず、規制の在り方を見直すべきだと意見広告の中で言うと。厚労省の方針でもないです。参議院の附帯決議でもありません。周知徹底が求められていて、田村大臣が議員時代に提案をされた、その中身での規制がどういう実効を持ってどのように労働者に役立っているのかということの調査さえもないまま、見直しの検討なんだと一企業と一緒になって主張されていると。やっぱりこれ、私、そういうことの全てがふさわしくないということを対外的にしっかりと示すことが必要だと思うんですけれども、大臣、いかがですか。

○国務大臣(田村憲久君) この記事を見て、全て日雇派遣禁止を全く改めろというようなことを決め打ちで私は書かれているというふうには思いません。
 その上で、先ほども申し上げましたけれども、衆議院の議論の中でいろんな議論がなされました、議事録を読んでいただくと分かると思いますけれども。その中で、各党によって考え方が違っていたんです。その中には、日雇派遣というもの、日々派遣というものをもう少し限定的に労働者のために使えないかというような、そういうような御意見もあったはずです。
 そういう中においてその後検討をしようということでございましたから、あくまでも議論の中心は、まず労働者の権利をどう守るか、これは当然でありまして、労働者の権利を守ることは当然でありますが、その中において、どのような働き方、派遣業という形態の中において、日雇派遣も含めてどのような働き方があるのかということに関していろいろと検討する必要があるねということで、その後検討をするべきであるというような附帯決議が入ったわけでございますので、それにのっとって今御議論をいただいておるわけでありまして、現在、派遣法に関していろいろな議論をいただいていますが、そこには当然のごとく日雇派遣というものの議論も入っているわけであります。
 それは今どういう状況なのか、そういうことも含めていろいろな検証をする御議論もあろうと思いますけれども、ですから、そこで御議論いただいた上で、その結論を得て、これから厚生労働省としてこの派遣法をどのようにしていくかということを考えるわけでございますので、今その途中でございますから、日雇派遣をこれを原則禁止をやめるだとか、そんなことを決めておるわけでも何でもございませんので、その点は御理解をいただきたいというふうに思います。

○田村智子君 大臣のそういう認識だということになるとますます不安にもなってくるんですけれども、いずれにしても、冒頭で私が指摘しました違法性が相当に疑われる企業の広告に丸川政務官が登場をして、その営業活動をいまだ応援している可能性があると。これを正すためには対外的にこの広告が不適切なものであったということを何らかの形で示さなければ駄目なんだということを、このことを強く求めまして、質問を終わります。