日本共産党 田村智子
コラム

【14.05.14】在日米軍の航空機事故が急増

三浦市へのヘリコプター墜落事故を追及

 
「ヘリは低空を飛行、地上約10メートルの高さで円を描くように2回転して落下、電柱にも接触しメーンローターや尾翼が大破し、壊れた部品が道路に飛び出した」(神奈川新聞 12月17日)
昨年12月16日、神奈川県三浦市に米海軍のヘリコプターMH60が墜落した事故の目撃証言です。しかしこの記事の見出しは「不時着」とあります。日本政府が「不時着し横転」と発表したからです。

実は、事故通報で駆け付けた地元の三崎警察署の第一報(15時30分過ぎ)には「「米軍ヘリコプター墜落事故の発生について」と書かれています。
その後16時20分に、不時着と訂正。
事故機は大破しており、目撃者や現場に駆け付けた警察官は「墜落」と認識したということです。

5月12日の決算委員会で防衛大臣に質問しました。
私「これが不時着事故ですか?」
防衛大臣「不時着です」

事故から3か月以上が経過して、米軍は、テールローター(尾翼のプロペラ)を捜索することを日本側に伝えてきて、城ケ崎付近の海を5日間捜索したことがわかっています。
テールローターは、ヘリコプターの進行方向を操縦するためのもの。これがなければ、メインローター(上についているプロペラ)の回転によって、機体はぐるぐると回るだけになってしまうのです。操縦不能ということです。

このことをつきつけても、防衛大臣も外務大臣も「不時着」だと言い、「原因の解明と再発防止を申し入れている」と繰り返すだけ。

私「脱落したテールローターは見つかったのか」
防衛省「発見にいたっていない。今後の捜索についての連絡もない」
これで事故原因の究明をまともにやっているといえるのか。

MH60は、昨年8月、沖縄県の米軍基地内で墜落炎上し、大問題となったヘリコプターと同型機です。
この時は、パイロットの操縦ミスという報告。敵地での人質救出など危険な訓練をしていることが問題になっています。
今回は、機体に重大な不具合があったことが明白。
私「事故原因の解明と、徹底した再発防止策がとられるまで、同型機の飛行停止を求めるべきではないか」
外務大臣「米軍の訓練などは我が国の安全保障のために必要なものと考える」

そんな対応では、「再発防止」にはならない。
質問準備のために防衛省に、直近5年間の在日米軍機事故についてまとめてほしいと求めました。
驚きました。2009年度から順に、5件、18件、11件、12件、そして昨年2013年度は21件と急増しているのです。
しかもこれは、米軍から報告があったものだけ。
2013年度3月20日、厚木基地所属の早期警戒機E2Cが、厚木基地の西方約160キロの上空で右翼エンジン発火、機体に穴があく重大事故があったと、米海軍のホームページには掲載されているのです。

米軍機の墜落事故は悲惨な犠牲をもたらしてきました。
1977年、神奈川県横浜市に米軍ジェット機ファントムが墜落。
3歳の男の子は「水をちょうだい、ジュースちょうだい」と苦しみながら、1歳の男の子は苦しみを伝える言葉さえもたないまま息をひきとった。
母親は苦しい治療の末に事故から4年後に死亡。

この間、整備不良による部品落下事故は神奈川県内で相次いでいて、私は神奈川の皆さんに同行して、何度も、防衛省・外務省に、なぜこんな事故が繰り返されるのか、説明を求めていました。
ついにテールローターです。次にはどんな事故が起きるかわからない。

日本側による原因解明と再発防止策の検証が必要。
これまでと同じ対応では「再発防止」にはなりません。


(追記)
防衛省作成の米軍機事故の一覧は以下のURLから見ることができます。

https://mail.google.com/mail/u/0/?ui=2&ik=de842ac0c0&view=att&th=145d5d4b39178e64&attid=0.1&disp=inline&safe=1&zw