日本共産党 田村智子
コラム

【13.11.08】アメリカの盗聴に抗議もしない安倍総理

日本版NSC法案で日本共産党が追及

秘密保護法案とセットとなる法案が、11月8日の参議院本会議で審議入り。井上哲士さんが10分間、質問に立ちました。

国家安全保障の仕組みをつくるという日本版NSC法案。
他党の質問が条文の定義などに集中する中、井上議員の質問は現実に根ざしたものでした。

その一つは、今、欧州各国が激怒しているアメリカによるスパイ盗聴事件。ドイツ首相の携帯電話まで盗聴していたとは、まるでスパイ映画です。
井上議員は、「ワシントンの日本大使館も通信傍受対象だった。政府は違法な盗聴スパイ活動に抗議をしたのか。」と、単刀直入に質問。

さあ、どんな答弁かと身を乗り出して聞きました。
安倍総理の答弁は、「いっそう緊密に意思疎通をはかるよう米側に申し入れた」というもの。耳を疑いました。

翻訳すると、「アメリカ政府に非はなく、日本側の意思疎通が足りないから盗聴されてしまいました。これからはもっと情報をお知らせして盗聴の必要がないようにします。」ということでしょうか。

イラク戦争への支持を表明したことについても厳しく追及。
アメリカのねつ造情報をうのみにして、大量破壊兵器があると国民にも宣伝し、米英軍の先制攻撃を支持したことをどう総括しているのか。
答弁は、「検討の過程はお答えできない」ーー「特定秘密ですか?」と思わず不規則発言。

軍事力こそ防衛力、そのためにアメリカ軍ともっと連携を強め、地球のどこにでも警察よろしく自衛隊が出しゃばっていく、その司令塔をつくる、まさに暴走です。
ところが、民主党も目指す方向は同じと、質問の冒頭に表明する始末。
真の安全保障とは何か、真剣な議論が求められています。