日本共産党 田村智子
コラム

【09.04.12】女性のみなさんと「人生に引退はない」と拍手

大田区の春爛漫のつどいにて

昼過ぎから陽射しがだんだんつよくなり、汗ばむような好天気。
西馬込駅から坂を上がったり下ったりをくりかえし、池上本門寺の五重塔をみあげて、会場に到着。

最後の桜の花びらがまい、八重桜とサツキが満開。
大田区の女性の集いは、春爛漫のつどいになりました。

開会とともに登場したのは、日本共産党の都議を4期勤めた西田美代子さん。
緑内障で視野の中央がみえなくなっていく、それが都議引退の理由でした。
点字や白状を身に着ける日々のなかで、声楽に挑戦。
リサイタルまで開催していることは、何年か前に知りました。

1曲目「花」を、一言ひとこと大切に歌う姿に、そしてそのすばらしい歌声に、ハンカチを何度も目にあててしまいました。
20代の頃、街頭宣伝で何度か西田さんとご一緒しました。
肝っ玉母さんさながらの迫力ある、人情味ある演説は忘れることができません。
都議引退の報は、悔しくて悲しくて残念でならなかったのです。

歌と語り、全く別次元の演説を聞いているようでした。
伝えたいメッセージを政治の演説ではなく、音楽にたくして、本当に大切に歌われている。
人生に引退なんてないんだ! 本当に勇気付けられました。

すばらしい歌と語りのあと、私も心をこめて話をしました。
とくに、高齢者福祉切り捨ての都政のひどさは、生きることに「引退」を押し付けるかのような冷たさです。

特養ホームが足りず、東京では待機者は4万人!
介護が必要になっても特養ホームに入れなければどうなるのか。
有料老人ホームは国民年金ではとても入居できません。
群馬県で問題になったような、劣悪な施設が次々に明らかになっているのです。

マンションの部屋をベニヤで仕切って、一人2畳ほどの「個室」をつくる。
室内灯はもとのままなので仕切りは天井まで届いていない。
ここに男女の区別なく10人が入居している。
日本共産党の都議団が調査した事例の一つです。

お金がなければ、人間の平等はこんなにも崩されていくのでしょうか。
住まいを失った人たちが、自治体に支援を求めても、同じような雑居部屋に入居させられる。
「お金がない」ということが、「罪」なのでしょうか。

人生に引退はない、最期の時まで、人として何がしかの歩みを続けて生きていく、それが憲法25条が保障する「文化的で健康な最低限度の生活を営む権利」だと思うのです。

思いをこめて、都議選挙と総選挙での勝利へ、なんとしても力をつくすことを誓い合って、
また春爛漫の町へと向かいました。