日本共産党 田村智子
コラム

【08.08.29】娘の算数プリントにつきあって

新学習指導要領の問題点を痛感しました

新学期早々、娘のランドセルからは何枚も算数プリントが出てきました。
朝の「ドリルタイム」で使ったようで、「もう、いらないから」とのこと。

昨晩は、ちらかっていたプリントの一枚を夫がとりあげて、じっと見ていました。
そして「全部間違ってるよ。やり直し」と娘をよびつけました。

このプリントは、マルも何もついていません。
ドリルタイムに解くだけで、回収して点検ということはないようです。
できなければそこまで、できる子は、どんどん問題を解く…。
この繰り返しで、娘はできなくても平気になっているような気がします。

1学期の復習、時間についてのプリント。
7時50分に家を出て、8時15分に学校に着きました。何分歩いたでしょう。
こういう問題が裏表続きます。

しぶしぶ机についた娘の隣に座り、考え方を思い出してもらいました。
大人にとっては「当たり前」のことを教えるのが一番難しいものです。

さらには10時40分から30分たつと何時何分か、
80分は何時間何分か、という問題。

全部終わると「解放された!」という表情。
なんとか教えたものの、「これでは算数嫌いになるよな」と思えて仕方ありません。

このプリントを見たとき、もっと深刻な感慨を持ちました。
この学習を今度は小学2年生に移行させるというのが、新学習指導要領の内容。
さらに娘が1学期に四苦八苦した「ℓ」「㎗」「ml」も2年生で学習することになる。
そういう教育の問題について、東京都公立学校教職員組合の役員のみなさんと懇談したばかりだったのです。

3年生の娘が「ℓ」でどれだけ苦労したか、私も実体験をまじえて話していました。
時間について、あらためて四苦八苦してみて、
「そんな無茶苦茶な!」と叫びたくなりました。

勉強嫌いを意図的につくりだすシステムとしか考えられません。
家庭でフォローしなければ教えきれない内容を小学校低学年につめこむ、
フォローできなければ、子どもなかの学力格差は広がるばかりではないのか。
そして、その格差は経済的な格差に結びついてはいないのか。

このまま文部科学省の思い通りにさせてなるものか!
消しゴムのあとがたくさんついたプリントを前に、めらめらと闘志が燃えてきました。