日本共産党 田村智子
コラム

【08.07.16】なんだか嬉しい保護者会

中学校って面白いじゃない

午後3時、体育館は蒸し風呂のようでした。
3学年合同の保護者会の様子に、「これでは先生方とも親しくは話せないな・・・」と、
ちょっとがっかりの気持ち。
  
1学期の様子、夏休みの注意事項、まわりのお母さん方(やっぱり父親の姿はありませんでしたね)は、扇子をせわしなく動かしながら聞いています。
「区の学力テストの結果は平均よりは上回るが・・・」という話には、ちょっとため息。

「落ち着いた雰囲気で、子どもたちはがんばっていますが、あの中学は怖いと風評も、一部にあるようです」
「子どもが集まらなければ、教職員数にも影響しますので、ぜひ、こんな中学だとみなさんも周りの方に伝えてください」
これには、ため息だけでなく、危機感もこみあげます。
無責任な風評が学校の運営さえも左右してしまう。
学校選択制が地域と学校に何をもたらしたのか、子どもたちをどこまで傷つけるのか。

通知表の説明。絶対評価に変更されて、本当によかったと実感します。
ちょうど、国会で文教委員会を担当する秘書として仕事をしていたときに、
「相対評価」から「絶対評価」に変更すべきだという論戦を、議員・秘書一丸となって準備したことを思い出しました。
どんなにがんばっても全体の1割程度(だったでしょうか)は、「1」という評価をつけなければならない、それが「相対評価」。
こんなことがまかり通っていたこと自体が、驚きです。

最後に「こういう暑さのなかで子どもたちは体育をがんばっています」。
お母さんたちから苦笑がもれました。
空調もクーラーもないままでいいのかしら・・・。

全体会だけだったら、とても物足りなかったでしょう。
その後の学年保護者会が、面白かった!
担任の先生だけでなく、教科担当の先生も、自由に話をされるので、その自由度の大きさになんだかこちらも器が大きくなるような気持ちになりました。

自分の子育てや、これまでの経験に照らして、笑い話あブラック・ユーモアもたっぷり。
そのなかで、思春期の子どもたちに接する親のあり方を、押し付けでなく問題提起されているようで、色々考えさせられました。

中学で教えるとは、教科だけでなく、生き方、人生感のような何か中軸が先生のなかに必要とされるのだろうなと、感じさせる時間でした。

この先生方に共通しているのは「子どもと接するのが大好き」「子どもたちが大好き」という思いでしょうか。
時に裏切られたり、時につまづく子どもの前にたちすくんだり、それでも子どもの成長を見たいという思いが、学校のなかに息づいているのかな・・・、そんな期待も持つことができました。

小学校との違いはどこからくるのでしょうか。
一人前に近い人間として向かい合わなければ、思春期の子どもたちと人間関係を築けないということか。

親しく話し合う、という場でなくても、先生方の個々の気持ちにふれることができると、
こんなに充足感があるものなのかと、新鮮な気持ちでいっぱいでした。
終了後、先生のお一人に「とても楽しい保護者会でした。先生方が自由にお話されるっていいですね」と感想を伝えずにはいられませんでした。

「学校に自由の風を」――教育基本法改悪反対の運動のなかで何度も聞いた言葉です。
本当に、「自由の風」が必要です。
蒸し風呂のような息苦しさを吹き飛ばすような、さわやかな風を吹かせたいです。