日本共産党 田村智子
コラム

おひめさまとアイスクリーム

私が小学生の時のお気に入りの1冊

 
大石 真・さく/小野かおる・え 偕成社(1970年)


この本は、私だけでなく、子どもたちにも大人気。
「はじめに」から、読み聞かせにぴったり。
「アイスクリームのすきな子、手をあげて。」
これだけで、子どもたちの目がきらきらしそうでしょう?
(我が家では、「手」を「足」にしたり「おしり」にしたり。面白いですよ。)

表紙と中表紙に、アイスクリームを食べるおひめさまの絵。
けれど、お話のなかではアイスクリームを食べる場面はありません。
それなのに、この絵本のアイスクリームは、本当においしそう。

「山のうえにきらきらひかっている しろいゆき----わたし、あのゆきが たべたいの。あのゆきに ミルクとはちみつをかけてたべたら、どんなにおいしいでしょう。」
常夏の国のおひめさまの言葉です。
「おいしそう!」という気持ちになりませんか?

子どもの想像力は、体験的ではないだけに、大人の想像力をこえて発揮されることがあるように思います。
異国情緒のあふれる絵、そしてこの言葉、本物のアイスクリームを超えたおいしさが、いまの子どもの胸のなかにも広がるといいですね。
暑い夏、子どもといっしょに繰り返し呼んで楽しんでいます。

 余話
じつは創造するだけではあきたらず、子どもの頃、このアイスクリームをつくってみました。
雪がたくさん降った日(小諸はあまり雪はふらないのです)、器に雪をいれて牛乳と砂糖をかけて(はちみつは、冬は固まっていてとかすのが大変でしたから)・・・。
想像にとどめておけばよかった、雪は「少し苦い」のです。

■こんなお話です

むかしむかし、常夏の国のララタひめが病気になり、何も食べられなくなりました。
ただ一つ食べたいものは、「オガンガの山の雪」のアイスクリーム。
王様の命令で、家来たちが何日もかかって雪を取りにいきますが、雪をもってくることはできません。
町の若者アックが、動物たちの力をかりてオガンガの山に向かいます。